子どもが生まれた瞬間から、あなたの溺愛が始まります。

その一方、みるみるうちに授乳、睡眠、健康、キャリアのすべてが計画通りに進み始めます。

これまでに他の親たちが経験してきたことだもの。あらかじめ本を読んでおけば、子育てなんて楽勝に決まってるじゃないですか。

……残念ながら、そんなことはありません。

子育ては、一筋縄ではいきません。途方もないほどに。しかも、何もかもが予測不能です。非現実的な理想を掲げても、孤独と屈辱を得るだけでしょう。

うちの子、おかしいのかしら。それとも、おかしいのは私たち?

そんな新米パパママの悩みを解決すべく、ポッドキャスト「Motherhood Sessions」のホストを務め、「What No One Tells You: A Guide to Your Emotions From Pregnancy to Motherhood」の共著者でもある精神科医、Alexandra Sacksさんに話を聞きました。

これから子どもが生まれるプレパパママへ。生まれたあとに起こる、厄介ながらもすばらしい変化を知っておいてください。

1. 昔の生活には戻れない

新生児のケア方法や、産後のママの身体の変化についての情報は巷にあふれています。でも、「新しい始まりには、必ず終わりがつきもの」という事実についての議論は不十分とSacksさんはいいます。多くの親が、自分自身を失いかけます。

過去の生活に別れを告げるとき、悲しみが伴うことがあります。

それは、アイデンティティロスの一部です。でも、悲しみと同時に、幸せも感じることができるでしょう。

対策:悲しむ時間をとる

今は、親になるという重要な変化の時期であることを自覚しましょう。

思春期にさしかかって身体、心、ホルモンが変わるとき、ぎこちない感覚と居心地の悪さがあり、変化に苦しんだことでしょう。

母親になるのは、それと同じと考えてください。

また、生まれる前に、自分を見失わないための現実的な方法についてよく考え、話し合っておくことが重要です。

Sacksさんは、「喜びと満足を得られるルーティン」のリストを作って、冷蔵庫に貼っておくことをすすめています。これは自分自身のためでもあり、パートナーがいるなら夫婦関係のためでもあります。

新聞を読むとか、パートナーとリラックスする時間を過ごすとか、そういった気ままなルーティンは書きにくいかもしれません。

「親になったらそんな時間ないし」と思ってしまう人は多いでしょう。でも、自分らしさを保つには、そういう時間こそが必要なのです。

2. 我が子に一目惚れできない

映画などでは、赤ちゃんを見た瞬間に親としての自覚がわくシーンがよくあります。

主人公の多くは、赤ん坊を抱っこした瞬間に雲が晴れ、天使が歌い、新たな人生の目的を見つけるのです。でも、現実はそんなに単純ではありません。

「妊娠がわかった瞬間、どんな気持ちになるのかな」「LDRではどんな気持ちになるだろう」「周りの景色がガラッと変わるんだろうな」など、私たちはつい、多くの期待をしてしまいがちです。

文化的にも、出産はたいてい喜びに結びついている例がほとんどでしょう。でも、人間関係には必ずいい側面と悪い側面があります。人間である以上、両面性があって当然なのです。

対策:ゆっくり少しずつ慣れていこう

赤ちゃんとの間に、新たな人間関係を築くのだと考えてください。通常、人間関係を築くには時間がかかります。

赤ちゃんにひとめぼれできなかったからといって、何かがおかしいわけではありません。

プロセスが必要であることを意味しているだけなのです。生まれたその日のうちに、または数日で、すべてが起こる必要はありません。

3. 赤ちゃんをハックすることはできない

育ててみればわかることですが、赤ちゃんは同じではありません。

やはり子どもを産んだばかりの親友から聞いた授乳プランや睡眠スケジュール、外部サポートなどが、あなたにも当てはまるわけではないのです。

その理由は、あなたが間違っているのではなく、赤ちゃんによってニーズやリズムが異なるから。

「かんたんなゲップ/授乳のさせかた」など、インターネットにアドバイスがあふれるこの時代。なぜ自分だけうまく行かないのかと、イライラすることも多いでしょう。

対策:子どもと一緒に自分も成長する覚悟を

Sacksさんはいいます。

プランを立てるより、赤ちゃんをよく見て、学びと発見を。

そして、「そこそこ」の子育てを習得してください。心理学にいわせると、親が完ぺきを求めるとき、子どもに自分らしさを発見する余地はないというメッセージを送っているのと同義です。

つまり、親にとっても子にとっても、不完全にこそ成長のチャンスがあります。

親が不完全さをうけいれることが、子どものお手本にもなるのです。

小児科医に間違いを指摘されないかぎり、子どもを育てる唯一の「正しい」方法なんてありません。

たとえば授乳。人はしばしば、成功か失敗かの2つで判断してしまいがち。でも、本当はそうではありません。健康的な方法は、いくつだってあるのです。

罪悪感や自己嫌悪にさいなまれたときは、立ち止まって考えてみてください。

目の前で起こっている現状を、あなたの親としての評価とは思わないようにしてください。

子育てとは成績を付けるようなものではなく、人間関係なのです。日々、学ぶ姿勢を忘れずに。

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Image: KieferPix/Shutterstock.com

Source: Gimlet, Amazon.co.jp, Alexandra Sacks

Michelle Woo - Lifehacker US[原文