傑作を撮影したと思ったのに、不要なものが写ってしまっていたらがっかりします。
気づかないうちにシャツについていたコーヒーの染み、赤の他人が背景に写っていた。
そんなとき、Photoshopに頼る前に無料のオプションを試してみてはどうでしょう。
以前、私はPhotoshopを使っていたのですが、使いこなしていたとは言えないレベルでした。基本的な編集作業はできたのですが、少しでも複雑な作業になるとものすごく時間がかかっていました。
もうPhotoshopは持っていません。ですから、今また使うとしたら、苦手な作業にお金もかかるでしょう。インフォマーシャルでよく言われているように、「もっと良い方法があるはず」なのです。
無料で不要なオブジェクトを削除できるcleanup.pictures
私と同じ状況の人や写真系ハックが好きな人には、いえ、誰にでもcleanup.picturesをチェックすることをおすすめします。
これは、写真内の不要物を削除したり、まるでトリックとしても使えるようなツールです。
とてもうまく機能するので、「本当にこれが削除できるのか」と思いながらいろいろな写真で試してみたくなりますよ。
ここ最近、感動するアプリや機能にはほとんどお目にかからないのですが、cleanup.picturesをはじめて使ったとき、思わず「すごいこれ!」と言ってしまいました(まわりにいた人、失礼いたしました)。
最初に試した画像は、コンピューターにあった適当なもの。
この機能によって、背後にある奇妙な形の建物はそのままに、前面のアート作品が削除できるか試してみました。方法は、写真をサイトにアップロードしてから、ブラシツールを使って削除したいオブジェクトの輪郭を描くだけです。

結果についてはあまり期待していませんでした。だって、この画像、奇妙な形のガラスのビルの前に立ちはだかるこれまた奇妙な形のアート作品ですよ。その輪郭をなぞるだけで、無料アプリがこんな穴だらけの立方体を写真から削除してくれるなんて……ねえ。

結果はまあ完璧とは言えませんが、元の写真を見せないで削除後の写真を誰かに見せたら、何の変哲もない写真だと思うかもしれません。
実際に、ガラスの建物は本来の姿のように見えます。
削除後の写真のエラーは街灯とアート作品の土台ですが、どちらも背景に溶け込んでいるので見る人の大部分は気づかないのではないでしょうか。
cleanup.picturesの仕組み
このように魔法のようなcleanup.picturesですが、もちろんコンピューターサイエンスのなせる技です。ClipDropが手がけたこのウェブアプリは、SamsungのAIラボのラージマスクインペインティング(LaMa)を使って写真を分析し、削除されるオブジェクトから領域を「再描画」するのです。
写真の中にある情報を取り出し、できるかぎりギャップを埋めるようになっています。
消したいものによって結果は異なるかもしれませんが、このアプリで十分ならば、Photoshopが得意な友人に迷惑をかけることも避けられますね。
Cleanup.picturesは、まだPhotoshopのような編集機能に取って代わるほどではないかもしれませんが、次第にそのレベルに近づいていると思います。
これは、Google愛用者には、Pixel 6とPixel 6 Proのハイライトの1つであるMagic Eraserのように見えるかもしれません。Pixel 6スマートフォンには、cleanup.picturesのような機能がカメラアプリに搭載されることになっています。
AIと機械学習のおかげで、スワイプやタップするだけで「プロ仕様」のツールへのアクセスが可能になっていることがわかりますよ。
ポートレートモードでは高価なデジタル一眼レフカメラで撮影したように見えます。習熟している人には違いがすぐわかると思いますが、多くの人は気づかないでしょう。
同じことがcleanup.picturesについても言えます。こう考えると疑問が湧いてきます。無料のオプションがほとんどの人にとっては十分なのに、なぜプロ仕様のソフトウェアやハードウェアにお金を使うのでしょうか。
Source: cleanup.pictures