私がランニングというスポーツに出合ったのは、ずいぶんと大人になってからでした。2人の子どもが相次いで生まれたことで、心身の健康を損なったからです。
地元の5km走るプログラムに参加した後、心身の健康を維持するのに、走ることに熱中する気持ちを共有できるママ友がすぐにできました。
大会に向けたトレーニングをする中で、長年にわたって様々なスポーツ関連の怪我に悩まされましたが、特に苦しんだ怪我によって、私のランニング人生は大きく変わりました。
足底筋膜炎の原因と症状
2年前、夫といつものように走った後で、左足の土踏まずに、なかなか収まらない鈍い痛みがあることに気づきました。
最初は、足を休ませ、走る距離を減らし、走った後は毎回アイシングをするようにしました。
しかし、数週間後、痛みは徐々に悪化し、ある日ベッドから降りた時、ガラスの破片が溶岩の熱で弾けたような感覚を足に感じました。医者の診断と治療が必要だとわかりました。
足の土踏まずを支える足底筋膜が炎症を起こしている、足底筋膜炎でした。
かかとは、毎日人間の足にかかる圧力に耐えられるようになっていますが、使い過ぎて痛めると、足底筋膜の炎症を引き起こすのです。
その結果、土踏まずに深刻な痛みが出ます。足底筋膜炎に苦しんだことのある人に会ったら、本当に地獄のように辛いと言われると思います。
「UpToDate」によると、足底筋膜炎にかかるランナーは多いようです。証拠は限られていますが、以下は足底筋膜炎になる危険性が高い要因です。
- トレーニングのやり過ぎ(特に走行距離を急激に増やす)
- ランニングシューズが合っていない
- 硬い路面を走る
- 地面の硬いところで長時間立ったり歩いたりする
- 扁平足
- 足の甲が高い
私の場合、足底筋膜炎の痛みが完全になくなるまでに約1年は十分かかりました。足底筋膜炎にかかった人がいたら、心より同情します。
今回は、私が自分の治療過程から学んだ、痛みを軽減し、回復に向かうための最善の方法についてご紹介しましょう。
ランニングシューズや矯正用のインソールをケチらない
足底筋膜炎の痛みを軽減するのに一番手っ取り早い方法のひとつが、自分の足にぴったりのランニングシューズを履くことです。
大きな量販店などのセールでシューズを買うのもいいアイデアだと思うかもしれませんが、地元の小さなランニングショップを探してみましょう。
小さなお店の従業員の方が、地元の地形に詳しかったり、シューズに関する造詣が深かったりすることが多いです。あなたの足のサイズ、体重、足のニーズにぴったりのシューズを選ぶ手伝いをしてくれるでしょう。
また、いいランニングシューズは1万円くらいすると思っておきましょう。
ぴったりのシューズを履くのは、治療だけでなく症状の予防のためにも欠かせません。特徴としては、かかとが高く、土踏まずのサポートがあり、つま先のところが固いものがいいようです。
また、矯正用のインソールで土踏まずのサポートをするのも、足底筋膜炎を早く治癒させるのに大きな効果があるようです。
矯正用のインソールは、スポーツ用品店だけでなく、足の治療院などでも購入可能です。価格は、ランニング専門ショップで売っている50ドルくらいのものから、オーダーメイドのは400ドルくらいするものまであります。
自分の主治医やランニングの専門家に相談して、どの矯正用インソールを選ぶか決めるのが一番いいと思います。
ステロイド注射で痛みは消えても問題の解決にはならない
約2カ月ほど足の痛みが続いた後、結局痛みに耐えきれず、きちんと診てもらうために専門医のところに行きました。
足底筋膜炎になった他の人から、痛みのある箇所に直接コルチコステロイド剤を注射すると、症状が軽くなり、治癒の助けになると聞きました。
私も主治医に足に注射をしてもらいましたが、理学療法を取り入れ、定期的にストレッチを欠かさず、ぴったりのシューズを履くようになった後だけでした。
通常、注射が一番早く炎症を抑え、周期的な痛みを取り除くことができますが、「Allentown Family Foot Care」の足の専門医Ann Andersonはこのように言っています。
注射は大抵、ストレッチ、アイシング、足のサポートをするギア、オーダーメイドの矯正具、足底筋膜炎の場合はナイトスプリント(矯正器具)などと一緒に使われます。手術は、治療が難しい場合の最終手段です。
Andersonは、最善の結果を求めるには、痛みと炎症の両方の治療だけでなく、足の専門家に診てもらうことも重要だと付け加えています。
理学療法は痛いけど効果がある
私の主治医は、治療のためにステロイド注射とストレッチと併せて、理学療法もするようにと言いました。Andersonは「筋膜関連の痛みや、足底筋膜が固くなっている患者には、理学療法が一番効果があるとわかりました」と言っています。
3カ月間、週2回、足底筋膜をゆるめる一連のエクササイズをしただけでなく、理学療法士は「Graston」というツールで私の足をマッサージしてくれました。
基本的には、大きなバターナイフのようなこのツールで、私の足をなでているようにみえます。地獄のように痛いのですが、徐々に私の足は治癒していきました。
理学療法は長く退屈な道のりですが、理学療法の治療を通して、長い目で見て自分の体をどのようにケアするのが適切なのかを学ぶことができました。
ニュージャージー州の理学療法士Bryan Bartzは「理学療法の主な目的は、長期的な効果と作用がある状態で、患者がそれまで楽しんでいたアクティビティにできるだけ早く戻ることです。
また、理学療法は、長期的な効果を得るために、どのように自分の体を取り扱うかを患者に教えます」と言っています。
ストレッチ、ストレッチ、とにかくストレッチ
足底筋膜炎を患ってからは、ランニングのルーティンにストレッチが欠かせなくなりました。怪我をするまでは、脚やふくらはぎのストレッチにそこまで熱心ではありませんでした。
今では、ランニングの前にストレッチ、ランニング中も、ランニング後もストレッチをしています。そのおかげで、ここ数カ月は痛みとは無縁です。
床の上に座って前屈をする、もしくは足に手が届かない場合は足裏にタオルなどをかけ、ゆっくりと膝の方に引っ張るような簡単なストレッチです。
足裏で木や壁などを押すようにしながらストレッチすると、ふくらはぎが伸びて、足底筋膜炎のような足の怪我とはおさらばです。
治療がしにくい足底筋膜炎の場合もある
休息を取り、アイシングをして、ストレッチをして、理学療法をしても、足底筋膜炎の症状が十分によくならない人もいます。
怪我の重症度に応じで、足の固定、患部の医療テーピング、手術、衝撃療法など、積極的な治療に取り組ませようとする医師もいます。
焦らず、根気よくやる
残念ながら、足底筋膜炎は一晩でよくなるものではありません。
「American Family Physician」の記事では、ウィスコンシン医科大学の整形外科助教授Craig C. Youngが「残念ながら、治癒するのに6カ月〜1年半ほどかかることが多く、患者にも医師にもフラストレーションが溜まります」と言っています。
しかし、早めに発見していれば、治癒するまでの期間が短くなり、侵襲的治療が必要な可能性も低いかもしれないと指摘しています。
私が足底筋膜炎にかかっている間、あまりにも痛くて定期的にランニングをすることができなかったので、痛みの少ない別のエクササイズを見つけなければなりませんでした。
バーレッスンを受けたり、体型を保つのに地元のプールで何往復も泳いだりしました。
足底筋膜炎はもどかしく、苦痛でもありますが、その経験によって、私はストレッチするなど自分の体をよりいたわること、足に合っていないランニングシューズで長距離を走らないことを学びました。
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Image: staras/Shutterstock.com
Source: YouTube(1, 2), American Family Physican, UpToDate, Running Physio
Christine Burke - Lifehacker US[原文]