「男女が対等の立場で家事や育児を分担するのは当然」という意識を共有するには、まず日々の言葉から変えていく必要があるようです。
父親が子どもの世話をしているとき、「子守をしている」と言うのは、果たして適切でしょうか。
そもそも、子守とは「両親が留守にする間だけ子どもの世話をする」こと、あるいはそれをする人のことです。
ですから、父親が我が子の世話をしているときは、「子守をしている」のではなくて、「子育てをしている」と言うべきです。
男性が子どもの面倒をみる=子守をしている?
私は、ここ数日の間に、2人のパパが怒りの投稿をしているのを目にしました。2人とも隣人や同僚に「子守をしている」と言われて、小ばかにされたと感じているようです。
1つは、「私は父親なので、子守でなく子育てをしているのだ。親なら誰もがすべきことをしているだけだ」と題する投稿です。このパパは、生後5カ月の子どもを職場に連れて行くと(職場では、こういうことも許される上司の立場にいる人です)、「どうして子守をしているんですか」と聞いてきた人が3人もいたと書いています。
いまだにくだらないダブルスタンダードが存続していると感じます。
母親が子どもの面倒を見ていると、誰も「子守をしている」と言わないのに、私は男性なので、「子守をしている」と言われます。
でも、私は子守をしているのではありません。単に親の務めを果たそうとしているだけです。
子守ではなく、子育てという意識を
もう1つの投稿は、4カ月の子どもと散歩中のパパが、隣人にかけられた言葉を書いています。
「あなたは何時間ぐらい子守をさせられているの?」と聞かれた私は、相手をじっと見つめて「え?」と尋ねました。
すると、その隣人は、こう言いました。「奥さんを休憩させてあげているのは素晴らしいことだと思いますよ。でも、何時間子守をすれば、奥さんに坊やを戻せるんですか?」
父親が子守をしないと、子育てを「手伝わない」と批判されますが、会社員が朝仕事に行くのは、上司を「手伝いに」行くわけではなく、自分の仕事をしに行くのです。
それと同じで、父親が子どものおむつを替えて、洗濯物を洗濯機に入れたり、オーガニックのベビーフードを裏ごししたり、子どもをあやすのは、パートナーを「手伝っている」のではなく、親として子育てをしていると考えるべきです。
近年、父親が家事に参加することが劇的に多くなったのに、子育てに積極的な役割を果たしている父親にわざわざ感心するのは、むしろ時代に逆行しています。もちろん、父親か母親かに関わらず、家事や子育てを頑張っているなら、それを認めてあげるのはいいことですが。
「夫が手伝ってくれる」というのはおかしい?
でも、褒めるときは、言葉を選ばないと相手を傷つけることもあります。ママさんライターのヘザー・マルコーさんは、「夫はよく手伝ってくれる」と言わず、「夫は応分の仕事をしている」と言うことにしたそうです。
マルコーさんは別の記事で、家事や子育てをする父親に関する表現をいくつか提案しています。私が気に入っているものをいくつかご紹介します。
「今夜は夫が子守をしてくれているから、とても嬉しいわ」
↓
「今夜はパートナーが子どもと家にいてくれるから、とても嬉しいわ」
「私のパートナーは素晴らしいのよ。赤ちゃんの世話をすごく手伝ってくれるから」
↓
「私のパートナーは素晴らしいのよ。すごく有能な父親なんですもの」
「今日は子どもの世話を手伝ってくれてありがとう」
↓
「こんな素晴らしいお父さんでいてくれてありがとう」
「洗濯を手伝ってちょうだい」
↓
「私はやらなければならないことがたくさんあるから、あなたは洗濯をしてちょうだい」
最後に、お父さんたちへのアドバイスです。
家事や育児をもっとしたいと思うときは、「何か手伝うことがある?」でなく、「他に片づけるべきことがある?」と言ってみてくださいね。
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Image: kohei_hara/Getty Images
Source: Reddit(1, 2, 3), Motherly(1, 2)
Meghan Moravcik Walbert – Lifehacker US[原文]
Photo: Luis Quintero (Pexels)