イメージできますか?
あなたがステージの上に立ち、大勢の前で、価値あるアイデアを、完璧にリハーサルされたプレゼン手法で語りかけるところを。
そして、上品な聴衆があなたのトークに感銘を受けながら聴き入っているところを。そうした夢を実現するためにはまず、ピッチ審査に合格しなければなりません。
今回は、TEDxのプロデューサーが語る、ピッチ審査でその他大勢から抜きん出る方法を紹介します。
Tricia Brouk氏は、ハーバード・ビジネス・レビューで、ピッチを審査するときに何を見ているかについて語っています。まず最初に理解しておくべきことは、本当にたくさんのピッチが送られてくるということです。
これは驚くべきことではありません。影響力の強いTEDxトークに出たことで、人生が変わってしまった人もたくさんいます。
Brouk氏は、候補者にこうしたチャンスを与える前に、どんなピッチを求めているかについて、具体的なポイントを挙げています。
1. 短い言葉で表現する
ピッチは、それ自体がひとつの芸術です。あなたは、うまく構成された長いピッチが書ける卓越したパブリックスピーカーなのかもしれません。たとえそうだとしても、あなたがすべきなのは、アイデアの重要性を短い言葉で表現することです。正確には、15ワード以内(英語)で。
それはどんなアイデアなのか、なぜあなたがステージに立ってそのアイデアを語るにふさわしい人物なのかを、説明することからはじめてください。
どんなに大きなアイデアでも、15ワード以内で伝えることができなければなりません。オーガナイザーは忙しく、長いピッチを読む時間はありません。
聴衆は何を学ぶことになるのか、そのトークが広く及ぼす影響とはどんなものなのか、を伝えてください。ピッチの最も重要なパートを最後に持ってきてはいけません。
そうしたピッチは最後まで読まれる前に、「不合格」の山に積まれることになります。
15ワードとは本当に短いですね!これは優れたエクササイズにもなります。アイデアをどれくらい簡潔に表現できますか?
言いたいことをどれくらい明確にできますか? コンセプトに磨きをかけてください。長い文章を書くことも可能ですが、応募書類を読む人は、できるだけ早く要点をつかみたいと思っています。
2. 何も売ろうとしてはならない
自分のアイデアを除いては。多くのTEDxスピーカーが、コンセプトだけでなく、本やコーチングサービス、商品を宣伝しようとしています。
プロデューサーたちは、必ずしもそうしたことに異を唱えているわけではありませんが、あなたのピッチが明らかにセールス目的である場合は、おそらく拒絶されるでしょう。
TEDxLincolnSquare、The Speaker Salon、Speakers Who Dareなど、私が管轄するイベントに応募してくるスピーカー候補の75%が、最終的に自分のビジネスを売り込むことを狙っています。
ピッチの芸術を理解しない人がこんなにもいるわけです。こうしたピッチは不合格の山に積まれることになります。
あなたが売り込もうとしている商品に、啓発的なアイデアが伴わないようなら、あなたが注力すべきなのはシンプルに商業広告です。
3. Tedトークをたくさん見る
Brouk氏は、はっきりと明言はしていませんが、暗に、良いトークと悪いトークの違いを理解することをすすめています。
それには、トークをたくさん見ることです。そうすれば、どうしてそのトークが審査を通過したのかがわかるとともに、自分がそのスピーカーのどこが好きで、どこが嫌いなのかもわかってきます。
斬新なスタイルで心に訴えかけるトークもあれば、こういうやり方でアイデアを伝えたくないというトークもあるでしょう。
また、この研究を通して、新しい知識が増えるという副次的メリットもあります。
4. 練習する
トークを見るだけでは不十分です。
あなたのピッチが審査を通過したとしても、それが人生初のスピーチであってはなりません。Brouk氏は、自分がパブリック・スピーキングが得意かどうかを見極めるために、実際にやってみることをすすめています。
パブリック・スピーキングは難しいものです。時間がかかり、感情的にも身体的にも消耗します。内向的な人ならなおさらです。
しかし、内向的な人でも、人前に出る筋肉を鍛えることで、魅力的なパブリックスピーカーになることができます。イベントに参加し、練習を積んでください。
スピーチの予定が入っている日は、静かに瞑想し充電する時間をつくってください。あなたが外向的なタイプなら、ステージに上がるまえに声を使いすぎないようにしましょう。
ソーシャル活動ならトークの後でいくらでもできます。
すばらしいアドバイスですね。もし何かを売るつもりで出るなら、拍手の後に少しのエネルギーを残しておくべきなのは言うまでもありません。
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Image: Aimée Lutkin
Source: HBR
Xavier Harding - Lifehacker US[原文]