きれいごとは言いません。職探しは本当に大変です。宝石の原石をたった1つ見つけるために、魅力のないものをたくさんふるいにかける必要があるところは、アパート探しやパートナー探しとも似ています。

でも、IndeedやMonsterを更新せずに夢の仕事を見つける方法があります。しかも、今までよりはるかにマシで、ずっと効率が良く、精神衛生にも良い方法です。

ここでご紹介することは、長期戦となる一生のキャリアを通して役に立つ人間関係の構築がメインとなりますから、「ネットワーキング」というあの月並みな言葉も出てきます。

でも、職探しに対して受け身でいるより積極的になって、「履歴書を求人広告というブラックホールに送る」ことを過去のものとしてやめてしまえば、ネットワーキングの良さがわかるはずです。

以下にご紹介する職探しのコツを実践してぜひ良い仕事を見つけてください。

1. 夢の仕事をはっきりさせる

どんな会社に魅力を感じますか? あなたが尊敬する人たちはどんなところで働いているのでしょうか。就職したいのは安定した企業でしょうか。それとも活力にあふれたスタートアップでしょうか。

自分にこうした問いかけをしてみると、考えが明確になります。

それでもまだよくわからないときは、採用されたいと思う会社のことを考えてみましょう。自分がどんな会社で働いてみたいかが明確になると、多すぎる選択肢に惑わされることもなくなります

2. 求職中であることを周囲に伝える

レストランに行って、メニューも見ず注文しなくても、食べたい料理が出てくるとは思わないでしょう。職探しもそれと同じです。誰も他人の心は読めませんから、あなたがどんな仕事を探しているかできるだけ具体的に友人に伝えましょう

「ああ、その会社なら友だちのお兄さんが以前勤めていたよ」なんて言われて、意外な展開になるかもしれません。

たとえ直接つながらなくても、周りの人たちの耳に入れておくことが大切です。こちらの希望をはっきり伝えておけば、心に留めておいてくれるかもしれません。

3. 就職したい会社の社内情報を集める

Twitterをよく使う人なら(あるいは、Twitterを多用する業界で仕事をしているなら)、就職したいと思う組織に勤務している人たちを探してフォローしましょう。

夢の会社」で働く人たちの経歴や興味が把握できて、すぐに「彼らもごく普通の人たちだ」とわかるはずです。Twitterの良いところは、好きな会話にいつでも参加できること。

誰かの記事をツイートしてタグ付けしたり、1つか2つ好きなツイートを見つけて相手のレーダーに引っかかるようにしましょう。

人事異動に関する最新情報を常にキャッチするにも良い方法。

ここで1つ警告です。過剰にツイートしたり直接仕事を求めないようにしてください。あくまでも情報を集めるにとどめておくべきで、他人の迷惑にならないようにしましょう。

4. 出会いを増やし、できるだけ人の助けになる

仕事が人を採用するのではなくて、人が人を採用するのです。

ですから、いろいろな人に会いにいきましょう。住んでいる地域によっては、ネットワーキングのイベントだけでなく、ブートキャンプ、講座、トークイベントなども開催されているので、そこで仕事のチャンスをくれる人に出会えるかもしれません。

ニューヨークを拠点とする起業家でライフコーチでもあるChris Winfieldさんは、5年間勤務した会社がつぶれたあと、PCから離れて毎日新しい人に少なくとも1人は会うことに決めました。たいていは直接会いますが、SkypeやZoomを使ったり電話で話すこともあります。

「自分の損得でなく、自分は相手に何を与えられるだろう、この人をどのように助けられるだろう」と考えるようになりました。

深い人間関係を築けるようになってから、すべてが変わりました。「自分も不安定な仕事に不安を感じていることを正直に話すと、相手はもっと心を開いてくれて、信頼が深まります」とWinfieldさん。

それに、どんな人に仕事を紹介したいと思いますか。信頼できる人ですよね。

職探しをしていると、自分には向かない求人情報も耳に入ってきます。そんなときは、黙っていないで友人知人にその情報を回してあげましょう。

さらに、新しい人と出会ったら、お互いに利益があると思われる人とはつながっておきましょう。シンプルなメールを送るだけでとても喜ばれるかもしれません。

5. 知らない人でも思い切ってメールしてみる

誰のメールアドレスもGoogleでサクッとサーチすれば、すぐわかる時代です。

Audreyさんは2014年にロサンゼルスからニューヨークに引っ越す前に、Vogue、Vanity Fair、Elle、New York Magazine、InStyle、Marie Claireなど好みの雑誌の編集者40人に「私はジャーナリズムとクリエイティブライティングを勉強中の大学4年生です。雑誌の文章を書く仕事に就きたいと思っています」という売り込みのメールを送ることに決めました。

それから、本気であることを示すために、今までインターンをしたことのある企業を全部リストアップしました。メールの終わりは「あなたのキャリアパスについて知りたいと思っています。私に何かアドバイスを頂けたら幸いです」と締めくくりました。

その後、18人ぐらいの編集者やアシスタントが面談やチャットをすることに同意してくれました。

ニューヨークに引っ越す前に、彼らに覚えてもらい、面談した人には月に1度はメールしてその人の記事にコメントしたり興味を持ってくれそうなものを送ったりしました。

煩い奴だと思われたくなかったので、求人がないか毎回聞くことはしませんでしたが、たまには聞きました。

そのうちに、メールでのやり取りがいつしかコーヒーを飲みながの面談になり、New York MagazineとInStyleでインターンをすることになりました。

この2つの雑誌の編集者たちは彼女と面談したことがあったので、ポジションに空が出たときに彼女のことを思い出したからです。

結局、以前彼女がコンタクトした編集助手をしている人が「私は近いうちに退職する予定です」と教えてくれたおかげで、Audreyさんは美容アシスタントとして初の仕事に就くことになりました。

今では美容サイトで仕事をしています。彼女はネットワーキングにいそしむかたわら、Conde Nast、Hearst、Timeといった雑誌で求人が出ると応募していましたが、全く返事は来ませんでした。

売り込みメールの初心者に向けて彼女は次のようにアドバイスしています。

返事をもらえなくてもがっかりしないでください。今の私ならわかるのですが、編集者は毎日山のようにメールを受信するので、どうしても仕事のメールが最優先になるんです。あなたを助けるつもりがあれば、時間に余裕があるとき返信してくれるでしょう。みんな忙しいんだなと思っていれば、返事がなくても恨まずにすみます。

6. いつも機嫌良く振る舞う

人と接するとき、自分が相手の目にどう映っているか意識してみましょう。誰もネガティブな人と一緒に働きたいと思いませんし、助けてあげたいとも思わないものです。

職探しのストレスに参っていて上機嫌とは言えない状態なら、仕事の話をするときはせめてすさんだ気持ちが相手に伝わらないように気をつけましょう。

職探しのことを話すときは、「新しい人に出会えて嬉しい」「わくわくするような会社の話が聞けて嬉しい」というふうに、とにかくポジティブであるように意識してください。そういう方向に熱心な人の方が、助けてあげたいと人に思ってもらえます。

7. ことあるごとにマメにメールする

返信を求めないデジタルのギフトとしてはEmailがベストです。友人や昔の同僚の昇進が耳に入ってきたら、おめでとうのメールをすぐに送りましょう。

リストラされた人には、「どれだけ大変かよくわかります。でもあなたみたいに能力の高い人にはすばらしいチャンスがあると思います」と伝え、その人が就職したら「ご活躍を祈ります」とメールします。

見返りを期待せずにこういうことをするのが「ネットワーキング」であり、人とのつながりを気分よく維持する秘訣です。そのあと、しばらくしたら、「新しい仕事はどうですか」と聞いてみましょう。もしかしたら、将来その会社で雇ってもらえるかもしれません。

8. 誰にでも愛想よくする

自分の部署の人でなくても朝会ったら「おはよう」と挨拶しましょう。職場の同僚やそのペットに覚えてもらうと思いがけず良いことがあります。

「私はライター志望でしたが広告会社で秘書や受付嬢をしていました。その職場に毎日ペッツィという名前のフレンチブルドッグを連れてくるエグゼクティブ・プロデューサーがいました」とスピーチライターのLacey Taylorさんは言います。

その会社では会議室が廊下の突き当りにあったので、彼が会議に行くたびに、ペッツィはドアまでついて行って彼が会議から出てくるのを待っていました。」

そのうちに、Taylorさんはペッツィを自分の席に連れてきて飼い主が会議から戻るまで可愛がるようになりました。おかげで、そのエグゼクティブ・プロデューサーと仲良くなり、さらに彼の妻、つまりペッツィのママとも仲良くなりました。

ペッツィのママが勤めていたスピーチライティングの会社が社員を募集していると教えてもらい、私はそのチャンスに飛びつきました。私は今ではその会社でスピーチライターをしており、アソシエイト・クリエイティブ・ディレクターも務めています。ペッツィの両親とは親友になりました。私が犬をかわいがらなかったら、いまだにあの広告会社で受付嬢をしていたことでしょう。

人にも動物にも愛想よくして損はありません。

9. 誰かと知り合った後はフォローアップする

将来どんなコネが役立つかわかりません。Bethany Hillさんは、友人の結婚披露宴で偶然同じテーブルに座った人のツテで現在の仕事を手に入れました。

「2、3年前、私のボーイフレンド(現在は婚約者です)がカナダで行なわれた大学時代の友人の結婚式で介添人を務めました。その披露宴は私の知らない人ばかりでした」と彼女は言います。

結婚式で果たすべき役目を全部終えたあと、私は夕食のテーブルで一緒になった人たちと仲良くなり、そのうちの1人がCommonBondという名前のテクノロジーの会社に勤めていました。

Hillさんは当時求職中ではありませんでしたが、より高い教育の普及を援助するというその会社のミッションをすばらしいと思ったので、結婚式のあともその人とLinkedInでつながりました。

1年半後、私は自分にぴったりの求人がCmmonBond社で出ているのを見つけました。そこで、結婚披露宴で知り合った彼に連絡して私に向いている仕事だと彼が思うか聞いてみようと思いました。彼はすぐに私の履歴書をマーケティング部の部長に回してくれて、24時間以内に私との最初の面接がセットされました。

彼女は広報の責任者になり1年近くその会社にいます。「結婚披露宴」で友人を作ろうと思わせるちょっといい話ですね。

10. 人に覚えてもらう

ソーシャルメディアを通して人とのつながりを保ち、自分のことを覚えていてもらうのは簡単な時代です。

しつこく記事や自撮りを投稿するのではなくて、興味があることを記事にしてあちこちで投稿すると友人や同僚の輪に入れます。前述の起業家Winfieldさんが指摘しているように、世の中はいつも見ていないようで見ています

必ずしも私の記事やビデオを見る必要がないさまざまな人たちが「あなたがこれをしているのを見ましたよ。そのことについて話せませんか?」と言ってきて、それが新しい仕事のきっかけになります。

11. コミュニティに参加する(デジタルでもリアルでも)

職探しは2つのとらえ方があります。過当競争が激しい食うか食われるかの世界としてとらえるか、どうしたら他人を助けたり励ますことができるかという視点でとらえるかです。

Ladies Get Paidは働く女性を女性が擁護することを使命にしており、働く場所のネットワークとイベント開催に携わっています。このようなコミュニティには、仕事やコラボ、賃金問題、その他のキャリア関連のアドバイスをくれるチャンネルがいくつもあるSlackのグループをたくさんあるので、そういうところを通じて、他人を助けたいと思っている人を見つけましょう。

Kerry Drapchoさんは、現在の上司がSlackに掲載した求人を見たことから、現在のブランディング代理店でシニアデザイナーのポジションを獲得しました。彼女にとってこれはフリーランスの「夢の仕事」です。Drapchoさんは直接その上司にメッセージを送り、その翌日面談しました。

「これほど素早くインタビューができたのは初めてでした。チャットで既にコミュニケーションを取っていたので、安心してそのポジションに就きたい気持ちを率直に表すことができました」とDrapchoさんは言います。

彼女は面接してから数日後には新しい仕事をスタートしました。

フリーランスだと、会社のバックグラウンドや社員の雰囲気があまりわからないうちにオファーを受け入れるのは心配なものです。でも、私の場合はLGPのメンバーがポストした仕事だったので、安心感がありました。

是非彼女のこのやり方を見習ってください。ライター、起業家、テクノロジーのコミュニティのグループが、Facebookには山ほどありますし、ConferCalで自分の業界のカンファレンスが見つかります。

12. 短期の仕事も長期的な利益につながることがある

フルタイムの仕事を探していると、派遣やパートタイムの仕事、単発の仕事は見逃してしまいがちです。でも、こうした仕事も長期的な仕事やより高収入の仕事に結びつく可能性があります。さらに、職探し中は忙しくしている方が精神衛生に良いですし、金銭的にも助かります。

Maggie McKennaさんは、ブランドの戦略とリサーチの仕事をした経歴がありますが、フルタイムの仕事に応募している間は、Ladies Get Paidで応募したホリデー用ギフトを包装する仕事をしました。

その仕事は1回だけのはずでしたが、数週間に延長され、作業時間が柔軟に選べたおかげで、面接に行くことができました。また、新しい正社員の職に就くためにワシントンDCに引っ越すまでに、新しい人たちとの出会いもたくさんありました。

「単発」の仕事も思いがけず長期の仕事になったりキャリアを華やかにしてくれることがあります

コピーライター兼コンテンツ・クリエイターのJennifer Bryantさんは、2011年にGraigslistで偶然応募した仕事がきっかけで現在の最も良いクライアントに出会い、長いお付き合いをしています。

Bryantさんは会計学の学士号を取得しましたが、サイトのコンテンツのゴーストライターを手始めにして、文章を書く仕事もちょっとしていました。

その人間関係がCEO寄稿者のグループのマネジメント、オンラインセミナーの司会、ビデオの脚本書きの仕事へとつながったのです。短期的な仕事が実り多い仕事の人間関係のきっかけになることもあるのです。

それでも、従来の求職方法に未練があるなら、企業の求人広告だけでなくIndeed、Monster、LinkedIn、Glassdoorも常にチェックしましょう。業界の求人広告を常にチェックしておくのも賢明です。

同時に、自分からチャンスを作ることにもう少しエネルギーを注げば、コネクションができてもっと積極的な気分になり、物事が思いのままになりそうな気がして、職探しに力が入るはずです。

あとは、繰り返しになりますが、誰にでも感じよく親切にするようにしてください。キャリアのカルマは本当にありますよ。

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Image: Brian A Jackson/Shutterstock.com

Source: Chris Winfield, Lacey Taylor, Ladies Get Paid, ConferCal, Jennifer Bryant

Kara Cutruzzula - Lifehacker US[原文