「就職面接の結果」「告白のメールの返信」など、ドキドキしながら結果を待ってしまうのはなぜなのでしょう? なぜストレスや不安を感じてしまうのでしょうか?
正に今回のテーマである“タフな持久戦”を専門とする、カリフォルニア州立大学リバーサイド校の心理学教授Kate Sweenyの研究によると、これは「不確実なもの」と「コントロールできないもの」という、2つの似たような感情の組み合わせなのだそうです。
誰もが知っている、歴史を変えるかもしれない(もしくはまったく変わらないかもしれない)ニュースを待っている時は、このような感情が不安をさらに駆り立てることになります。
しかし、タイミングがいかに重要なものになりうるか、気をそらすことがなぜ必要なのかに気づけば、長い間待つことにも少し楽に耐えられます。
1. 不安を解消するにはタイミングが重要
Sweenyは、待つ苦痛を緩和するのに非常に重要なあるテクニックをすすめています。それは、絶対に良くない報せだと身構えるのではなく、できるだけ最高の結果を想定するというものです。Sweenyは理由をこのように説明しています。
いわゆる“最悪の事態に備える”ことの防御的な利点と共に、楽観主義の利点を最大限に活用します。
結局、楽観主義でいると気分が良いのは間違いありません。これから自分の身に起こるのは良いことだと想定することは、一般的にポジティブな感情を誘発する考え方です。
だから、楽観主義でいると気分が良いということがわかりました。できるだけ楽観的でいることは素晴らしいことです。
それまでのプロセスは最高だったと思っていても、ひどくがっかりする結果に終わることもあります。
しかし、持久戦では、最悪の事態に備えるのをできるだけ遅くするのが、不安を解消するためのいい妥協点です。
2. 結果に意識が向かないようにする
当然ながら、待つという辛い時期を乗り越える一番簡単な方法は、気が紛れるものを見つけることです。
Sweenyはこれを“フロー状態”と呼んでいます。どのようなことで気を紛らわすかが重要です。
挫折したり、フラストレーションが溜まったりするようなものではない、チャレンジが必要なことや、進歩していることを証明してくれるようなものが理想的です。
たとえば、テレビゲームやパズルなどです。これ以上不安にならず、具体的な結果(うまくいくという結果)を提供してくれるものを探しましょう(メールやニュースを何度も繰り返し読むのはやめてください)。
3. ガス抜きできる相手を見つける
自分の気持ちを抑えるのに気が紛れるものを使っても、おそらくあまり意味がありません。実際、個人的に重要なニュースについて不安になっている時は、自分の感情を抑え込むべきではありません。
Sweenyの研究によると、司法試験の結果を待っている法科大学院の卒業生で、自分の感情や思考を抑え込もうとしている人は、その間に気分がさらに悪くなると報告されています。
このようなことが起こらないようにする最善の方法は、友だちや恋人など気持ちを吐き出せる人を見つけることです。
最近の研究では、重要なニュースを待っている間に精神的な支えがある人は、状況にうまく対処することができ、結果的によく眠れていることがわかっています。
したがって、少しの間気持ちを吐露するのに進んで付き合ってくれる人を見つけましょう。
4. マインドフルネスをやってみる
マインドフルネスとは正確には何なのでしょう?
就職面接でのすべての質疑を何度も思い返すのではなく(「あの答えで合ってたのかな?」「握手した時の強さは大丈夫だったかな?」)、今現在に意識を向けることです。
Sweenyの研究では、不確実なことに悩まされている人にとって、マインドフルネスは効果があることがわかっています。
ほとんどの人にとって、今現在の状態に意識を向けるというのは、一見難しく、できないことのように思えるかもしれませんが、短い時間でも瞑想をやってみることで、マインドフルな状態に近づきやすくなります。
Sweenyは「個人的な経験から言うと、たとえ瞑想が何なのかわからないと思っても、とにかくやってみるといいと思います。最近は瞑想のアプリも数えきれないほどあります」と言っています。
不安な気持ちを抑え込もうとするのではない、とSweenyは付け加えます。
今、自分の頭の中で起こっていることに意識を向けることです。
私は、それまでわかっていなかったけれど、自分の思考パターンに気づきました。
ほとんどの思考が、これまで自分が言ったことについて、過去のことについて考えること、それと明日自分がやること、未来について考えることで、その瞬間のことではありませんでした。
ですから、5分間だけでもいいので、今自分の中で起こっていることについて考えてみましょう。
5. 自分がどういうタイプの人間か知る
Sweenyによると、待つための戦略を用いるかどうかに関わらず、ある種の人たちは生まれつき、他の人たちよりも待つのがうまいというのは事実なのだそうです。
根本的な楽観主義者は、不確実なものに対処するのがうまいのです。
自分が本来どれくらい楽観主義かというのは、一見生まれた時に決まっていることのように思えるかもしれません。
人間は、将来的にもう少し明るくなれるような遺伝子の組み合わせを持って生まれています。
このことに関する立派な証拠があるかどうかはわかりませんが、子どもの頃に形成されるものではないかと強く思っています。
親や保護者が、不確実なものに出会った時に、陽気で楽観的でいるか、陰気で悲観的でいるかということが、かなり幼い段階から浸透していくのだと思います。
しかし、不確実なものの種類もまた重要だとSweenyは書いています。就職活動の結果や有罪の報告書を待っているのであれば、不安になるのも当然です。
給与が上がるかどうかなど良い報せで、結果がわかるまで待つ期間がかなり確実にわかるものを待っている場合は、このようなストレスを経験する可能性はかなり低いです。
自分の生まれつきの性質は変えられないかもしれませんが、今度何かを待つことに耐える時に、楽観主義と悲観主義のどちらも健全なだけ持てるような実践をすることはできます。
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Image: TZIDO SUN/Shutterstock.com
Josh Ocampo - Lifehacker US[原文]