本当の話、米国特許の第8,011,991号は「雪だるま作りを簡易化する装置」なんです。つまり、雪だるまには、「正しい作り方」が存在するようです。
私たちの経験上、どれだけ雪が降っても雪だるま作りが成功するとは限りません。身体が崩れてしまったり、頭が落ちてしまったり、一部分だけなかなか大きくならなかったり。
そんなときこそ科学の出番です。
雪の物理的性質は、その時々によって変わります。そこで、雪玉にまつわる科学を知っておくことで、上手に雪だるまを作れるようになりましょう。
1. 雪の種類とタイプ

雪片の大きさよりも、含まれる水分の量が大事です。ロードアイランド大学の物理学者Dan Snowman氏(なんと本名です)がSmithsonian.comに語ったところによると、雪は、氷の結晶と比べた自由な水の量に応じて5つの種類に分類されるそうです。
- 乾いた雪:水分0%
- 湿った雪:水分3%未満
- 濡れた雪:水分3~8%
- 非常に濡れた雪:水分8~15%
- 水雪:水分15%以上
乾いた雪で雪だるまを作ろうとしても、一向にまとまりません。とはいえ水雪を使えば、水で彫刻をするようなもの。モンタナ州立大学雪・雪崩研究所のJordy Hendrikx氏によると、雪だるまにはレベル2から3の雪が適しているとのこと。
裏庭に積もった雪の分類がわからなければ、温度に注目しましょう。雪だるま作りに最適な雪は、氷点(0℃)前後のときに降った雪です。つまり、氷点下のときに凍えながら雪だるまを作っても無駄な努力に終わります。
2. 雪が溶けない置き場所
雪の芸術作品制作に向けて原材料を集めたら、今度は場所決めです。その際、下記を考慮してください。
- 水平な地面が必要ですが、アスファルトは避けまてください。アスファルトは日光を吸収するので、とけやすくなってしまいます。
- 谷底近くの平らな場所なら日光を避けることができますが、ソリにひき殺される可能性があります。
- そこで、庭の中で平らな場所が最適です。できるだけ家に近く、日陰になる場所を選びましょう。
3. 雪だるまの形状

たいていの雪だるまが球体なのには、理由があります。
雪玉を転がしながら雪を集めていくと、結晶に圧力がかかり、その一部がとけます。とけた水が再び結晶化すると、雪玉の結束が強くなります。
球体は安定のためでもあり、長持ちのためでもあります。なぜなら球体は表面積が小さいため、日光にさらされる部分が少なくて済み、とけにくくなるからです。
Snowman氏は、雪玉を積み上げるときの標準的ルールも指摘しています。これによると、「下段を大きく、中断を中くらい、上段を小さく」が、雪だるまをまっすぐに立たせるためのベストな方法。重心が低いほど安定します。
4. 最適な大きさ

ウェストヴァージニア州のブルーフィールド州立大学の学生が、雪だるまの各パーツの最適なサイズ比を出しています。下から順に、3:2:1です。ただし、大きすぎてはいけません。
雪に含まれる水分によって、球体の大きさには上限があります。雪玉が大きくなると、圧雪するために十分な圧力をかけるのが難しくなります。その結果、雪だるまの一部の構造が不安定になり、悲惨な結果を招くことになるのです。
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Image: Flickr(1, 2, 3), Unsplash
Source: Delaware Online, Smithsonian
Jaclyn Youhana Garver - Lifehacker US[原文]