世の中には、偉大な存在になるために必要な才能を備えている人たちが大勢います。
けれども、その中でナンバーワンという存在になるには、才能以上のものが要求されます。
成功するための方法を人々に説いている科学者、アルバート・ラズロ・バラバシ氏による新著『The Formula: The Universal Laws of Success(成功の方程式:その普遍的な法則)』をBloomberg Newsが先ごろ取り上げ、内容を解説しました。
その記事によると、競争を勝ち抜くために守るべき基本の教えは5つあるようです。
すでに特定の分野でトップにいるけれど、ライバルたちを蹴落としたいと思っている人は、バラバシ氏の新著からその方法を学べるでしょう。
まだそこに辿り着いていない人も、これらの法則から、トップを目指す過程で、考えておくべきことを学べるかもしれません。
一にも二にもネットワーク
何かの分野でベストな存在になることはできるかもしれません。それでも、それを知る人がいなければ、誰にも気にかけてはもらえません。自分の分野で人脈づくりに励みましょう。
とくに、あなたよりも成功している人たちに顔を売りましょう。つまり、社交術を身につけ、パーティーで自己紹介し、イベントに顔を出し、好意をふりまくのです。
何かにすごく優れているだけでは足りないなんて、げんなりしてしまいますが、そもそも多くのスキルには、順位を決めるような仕組みがないのです。
アスリートなら、勝ち続ければナンバーワンの地位を確立できるでしょう。
でも、私たちのほとんどは、それよりずっと、優劣をつけるのが難しいことをしています。だからこそ、あなたが誰と知り合いなのか(そして、誰があなたの味方なのか)といったことが、とても重要になってくるのです。
ナンバーワンのようにふるまう
一見したところ、トップグループでの能力的な差はほとんどなさそうです。
ところが、ナンバーワンとみなされる人と、ナンバーツーとでは、そこに集まる栄誉や注目に雲泥の差があります。
そこで、すでに卓越した能力を備えている人は、自分にちょっとした飾りを加えてみましょう。その実例として、Bloomberg Newsの記事を執筆したPeter Coy氏はこんな話を紹介しています。
ラン・ラン(郎朗)氏は、その派手な演奏スタイルで知られるピアニストです。そしてこれは、優れた戦略であることを理解しています。
ピアノコンクールの映像を見せて、入賞者を予想させたところ、初心者と専門家の両方が、音を消して映像を見たほうが、高い正解率を示したのです。
この結果が示唆するのは、審査員も、音楽だけではなく、視覚的なパフォーマンスの影響を受けている可能性があることです。
「それらしく」見せることで、あなたに興味をひかれる人を増やすことができます。そしてそれが、もうおわかりのとおり、人脈へとつながるのです。
すでに成功しているふりをする
ひとたび「成功者」として認められれば、さらなる成功が、あとに続いてやってきます。しかし、始めたばかりの頃はそう簡単にいきませんね。
バラバシ氏によると、一番良いのは、成功するまではそのふりをすることだそうです。
例えば、自分の作品や商品に自分でレビューを書き、自分がどれだけ優れているのかを人にアピールするのです。嘘をつくわけではありません。ぎりぎりの線をつくのです。
自分の光をもっと明るく輝かせるための活動ととらえましょう。少々厚かましくなることも、成功をつかむ方法です。
グループを率いることができないのであれば避ける
みんなで力を合わせたとしても、グループの「顔」になるのは決まって誰かひとりです。
手柄を分け合ったり、あるいは一切手柄を得られなかったりといったことに我慢できる人なら、コラボレーションに向くタイプと言えます。共同作業は、社会全体にとっても有益です。
けれども、あなたがナンバーワンになることを心に誓っているのであれば、プロジェクトへの関わり方には注意を払いましょう。とくに女性はそうしたほうがよさそうです。
女性が男性と共同で経済学論文を執筆した場合、実際に研究を行ったのは男性だ、と人々は思ってしまいます。
なぜそれがわかるのかというと、実は、女性の研究者が共著論文に参加するたびに、その女性がテニュア(終身在職権)を取得できる可能性は低くなるのです。
がっかりするような話ですが、「テニュアを得るという観点からは、あなたが女性の経済学者で、男性と共同で論文を発表しているなら、一切発表しないほうがまだましです」とバラバシ氏は書いています。
とはいえ、単独での作業が選択肢の中にない分野で活動している人もいるかもしれませんね。特に、始めたばかりのころは。
いずれにせよ、行動には細心の注意を払ってください。いつまでも脇役のままでいたいですか?
最後までやり通す
あきらめないでください。多くの人の場合、成功する理由とは、最後の最後までくじけずにがんばることです。
バラバシ氏は、若手の科学者に比べると、注目に値する発見をする見込みは少ないと考えられている中高年の科学者を引き合いに出して説明しています。
しかしそう考えられているのは、中高年のほうが、若手よりも発表する論文の数が少ないというだけの理由なのです。
論文を発表した研究者の中で見てみると、論文が画期的なものであると評される確率は、中高年と若手に差はありません。問題は、論文を発表する頻度が少ないということであって、その質ではないのです。
ほかの人たちはいずれ脱落していきます。競争力を失っていきます。人脈を広げる方法を知りません。あるいは、ほかの道を見つけて去っていきます。
でも、あなたは違います。真の成功者であるあなたは決してあきらめませんでした。
今こそ、これまでの努力の成果を受け取る時です。
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Image: UN 4 FFWPU/Pexels
Source: Bloomberg News
Aimée Lutkin - Lifehacker US[原文]