旅行にセキュリティリスクはつきものです。
初めて訪れるよく知らない街では、不当なタクシー料金を請求されたり、スリに遭ったりするかもしれません。あるいは、ATMスキマーでカード情報を読み取られ、現金を盗まれてしまうケースもあるでしょう。
米Lifehackerは、クラウドセキュリティ会社Radwareのセキュリティ研究員であるDaniel Smith氏に話を聞き、旅行先で怪しいATMを使わないようにする方法を教えてもらいました。
ATMスキマーとは?
ATMスキマーは、詐欺師がATMのカードリーダーに取りつける装置で、カードスロットの上あるいは中に設置されます。
こうしたスキマーは、今のところICチップは読み取れませんが、磁気ストライプの情報なら記録できます。
Smith氏によると、このような手口はアメリカや東欧でよく見られるようです。
そして詐欺師は、あなたのデビットカードの情報を入手して、あなたのアカウントで買い物をします。こうした被害に遭わないためにも、以下のことに気をつけましょう。
1. 銀行のATMを利用する
ニューヨークのような大都市では、食品雑貨店やバー、路上などに、銀行以外のサードパーティによるATMがあふれています。
中には、見るからに疑わしいものもありますが、酔っぱらっていて手持ちの現金がないときには、ついつい利用したくなってしまいます。これらもれっきとしたATMとはいえ、監視カメラや警備員が見守っていることはあまりありません。
そのため、こうしたタイプのほうが、詐欺師がスキマーを取りつけやすくなっています。
Smith氏は、「銀行のATM」を探すようにすすめています。特に、銀行員がいる店舗の中に設置されているATMが良いそうです。
反対に、詐欺師が見とがめられずに長居できるような場所のATMは避けるべきです。ICチップつきのカードを持っている人は、磁気ストライプではなく、チップを読み取れるATMを見つけましょう。
たとえ手数料を払って他行のATMを利用することになっても、サードパーティのATMを使うよりはましです。
2. 現金を持っていく
ATMを利用する頻度が低くなれば、それだけ、スキマーが取りつけられたATMに当たる確率も下がります。
必要な額を計算しましょう。
もちろん、多すぎてはいけません。大金を持って街を歩く行為には、それ自体にリスクが伴います。真夜中に、銀行から遠く離れた場所で手持ちの現金がなくなる、ということがない程度の額だけを持ち歩いてください。
3. 予備のカードを持っていく
Smith氏は、旅行中は2枚のカードを使い分けているそうです。
1枚はATM専用、もう1枚は買い物専用です。
予備のカードを持っているということは、スキマー被害が発覚して銀行があなたの口座の1つを凍結しなければならなくなっても、困らないということです。また、カード情報が盗まれた可能性のある場所を絞り込みやすいので、同じ被害に遭うのを避けられます。
デビットカードの情報が盗まれるのは、クレジットカード情報を盗まれるより痛手です。
デビットカードは、あなたの口座からすぐにお金を引き出すことができるからです。
損失分の補償に関しても、銀行はクレジット会社より時間がかかります。時には補償を拒否することさえあります。
ですから、ガソリンスタンドなど、人がいない状況でカードリーダーを使わざるを得ないときは、デビットカードではなくクレジットカードを使いましょう。
4. カードスロットを軽く動かしてみる
信頼性の低いATMを利用せざるを得ない場合は、せめて、カードスロットをさわって、軽く動かしてみましょう。もし、どこかがゆるんでいたり、外れたりするようなら、そのATMを使ってはいけません。警察か、ATMの所有者に届けましょう。
とはいえ、さわってみればすべてのスキマーが見破れる、というわけではありません。最近のスキマーは、カードスロットの中に装着できるものもあるため、発見が難しいそうです(CNBCが写真を公開しています)。
常に言えることですが、安全性と利便性のバランスを取るべきです。ときには、バーのATMから80ドルを引き出さなければならないときもあるでしょう。
でも、事前に準備しておけば、こうした決断に迫られる頻度は低くなります。
それに、3ドルの手数料を払う必要もなくなります。こうした手数料こそ、詐欺みたいに感じられるものですよね。
Image: adriaticfoto/Shutterstock.com
Nick Douglas - Lifehacker US[原文]