「いい? 忘れないでね!」
そう娘に言い聞かすとき、顔では笑顔を保っていますが、心は不安でいっぱいです。
「午後には合唱の練習があるから、忘れずに楽譜をリュックに入れておくんだよ」
「忘れずに洗濯物をしまってね」
「図書館の本、忘れずに返しておくんだよ」
娘は、忘れることの天才だから。私は、彼女から目を離すたびにそう思います。
でも最近、「忘れないで」というのは時間の無駄だと気付きました。
子どもに自らの脳を使って考えさせる
ポッドキャスト「Mighty Parenting」で、タイムマネジメントの専門家Lieslie Joselさんが、こう述べていたのです。
他の筋肉と同じで、脳にもエクササイズが必要なのです。
親がいちいち「何時にどこどこに行って、次にどこどこに行くんだよ。水筒とサッカーバッグを忘れずにね」なんて言っていては、子どもの脳ではなく、親の脳のエクササイズにしかなりません。
具体的な質問の仕方
それよりも、子どもが自ら関係性を作るのを手伝ってあげましょう。小さい子であれば、「さあ、これをどう覚えようか?」と聞くだけでもいいのです。
子どもは一瞬止まると思いますが、その後、自ら解決策を見出します。
この力こそ、今後の人生で必要になるスキルなのです。
「今日はいつもの3時じゃなくて、2時半に校門前に迎えに行くよ。さあ、これをどう覚えておこうか?」と聞いたら、自分でメモをしてフォルダーにしまうかもしれません。
「この前お友達のおうちに忘れてきたジャケット、今日は持って帰れるかな? どう覚えておく?」と聞けば、到着したらすぐカバンに入れておくという答えが返ってくるかもしれません。
もう少し大きな子どもやティーンズなら、「どうする予定?」と聞くのがいいそう。あら探しではなく、もう少しソフトな感じで自主性を重んじているように聞こえるからです。
たとえば、「今週末おばあちゃんちに行くけど、それまでに宿題はどうする予定?」といった感じです。
ここでの親の仕事は、我が子に時間を意識させること。未来の時間を意識させるのです。子どもたちの脳は、急に先のことを考えざるをえなくなります。
彼らの計画は、うまくいくかもしれませんし、失敗するかもしれません。
たとえ何かを忘れてしまっても、その結末と自ら向き合うことで、次にはもっと素晴らしい計画を考えられるようになるはずです。
つまり、かける言葉を変えるだけで、彼らの成功や失敗から親の存在が切り離されます。
成功も失敗も、彼らだけのものになるのです。そうやって自立させることが、親の安心にもつながるでしょう。
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Image: Zurijeta/Shutterstock.com
Source: Mighty Parenting
Michelle Woo - Lifehacker US[原文]