競馬といえば馬とジョッキーに注目が集まりますが、裏方として不可欠な存在が調教師。
競走馬のオーナーから託された馬の世話をしながら、レースで速く走ることができるように鍛えるのが仕事です。調教師は現在日本に195名いて、それぞれの厩舎で馬を預かっています。
そのなかで、今注目されている調教師が宮田敬介さん。
約100の厩舎がある美浦トレーニングセンターで2020年4月、39歳で開業したばかりの新人ながら、1年目、宮田厩舎の馬が16回、1位になりました(これを16勝と表します)。
1年目に16勝は、とんでもない数字です。たとえば、2020年に勝利数の多かった調教師の上位3人、矢作芳人さん(53勝)、友道康夫さん(50勝)、堀 宣行さん(48勝)が新人の年、それぞれ15勝、3勝、6勝でした。
前述したように、調教師はオーナーから馬の管理を任される立場で、オーナーは信頼できる調教師を選びます。
当然、実力の分からない新人のところには、強い馬が来ません。その環境で、競馬界トップクラスの調教師の新人時代を上回る成績を残して、脚光を浴びたのです。
しかし、宮田さんは調教師を目指して厩舎で働きはじめた20代のころ、挫折しかけたことがあります。「俺は馬に乗らない方がいいんじゃないか」と思い悩み、1年半、馬の世話をするだけの日々を過ごしました。それは、「人生で一番つらい時期」でした。
宮田さんはなぜ、どん底から這い上がることができたのでしょうか?
Source: はたわらワイド