コロナ禍における初めての年末年始を迎えるにあたり、おうち時間をいかに快適に過ごすかが重要になってくるでしょう。
そこで、暖かく過ごせて心地よいルームウェアを用意しておくことが必須かと。
どうせ購入するなら、コンビニやスーパーへのちょっとした外出時でもいかにも部屋着に見えないものがベターです。
セットアップで着てもいいし、上下それぞれを単体でも着回せるものであれば、さらに活躍の機会は広がります。
今回はウールやフリースをはじめとする保温性に優れて着心地の良い素材を使った、一歩上のアイテムから厳選してみました。
使い捨ててしまうようなものではなく、年末年始のおうち時間はもちろん、この先も長く付き合える秀作をご紹介していきましょう。
100%ウールなのになめらかな「アイスブレーカー」のセットアップ

現在のフリースは一般的に起毛した化繊素材のことを指しますが、そもそもの語源は“ひとつながりの羊毛”のこと。
メリノウールが持ち併せている天然の保温・通気・吸湿・速乾・防臭・温度調整機能に着目し、1995年にニュージーランドで生まれたブランドが、「アイスブレーカー」です。
こちらのスウェットのようにも見えるセットアップは、メリノウールを主原料とした生地の裏面を起毛させた、その名も“リアル・フリース”を使用しています。
メリノウールが本来備えている機能性を存分に味わえ、膨らみを持たせているため、同じ重量の生地でも2倍の保温性を獲得。
さらりとなめらかな肌触りに加え、微量にナイロンとポリウレタンを混紡することで、ストレッチ性と強度を高めています。
自然由来の素材で、現代に求められる快適性を実現したセットアップは、サステナブルでもあるのです。
リアルフリース プルオーバー価格2万4000円/アイスブレーカー
リアルフリース パンツ価格2万円/アイスブレーカー
着回し力抜群でスタイリッシュな「ノンネイティブ」のセットアップ

時代の空気を取り入れながらも、都市生活に求められる機能を両立させたデザインで高い評価を得ている東京ブランドの「ノンネイティブ」。
同ブランドからは、ジップアップのシャツジャケットとリブ裾のイージーパンツの組み合わせをチョイスしました。
見た目にモコモコと暖かくやわらかそうな、こちらの“ポーラテック ウィンド プロ”という素材は、通気性を保持しながらも従来の4倍もの保温性を誇るのです。
さらに襟裏やポケット口などの強度が必要な箇所には、通気性と伸縮性に優れた“プライアンテックス”という素材を使用。
さらに、ヨーク状の裏地とポケットの袋布には通気性に優れたポリエステルメッシュを使い分けるという徹底ぶり。
ポケットを多数あしらったトップスは、春先にはライトアウターとしても活躍すること間違いなし。
着心地の良さと暖かさはもちろん、単品使いしたときのシルエットやディテールまで計算された大人のセットアップに仕上がっています。
HIKER SHIRT JACKET POLY FLEECE POLARTEC® WITH POLY TWILL Pliantex® 価格3万4800円/ノンネイティブ
DWELLER EASY RIB PANTS POLY FLEECE POLARTEC® WITH POLY TWILL Pliantex® 価格2万8800円/ノンネイティブ
毛布を着ているようにぬくぬくできる「オールユアーズ」のセットアップ

既存の洋服作りを根本から見直しながら、インターネット時代のワークウェアを提案している「オールユアーズ」。
数々のクラウドファウンディングを成功させながら知名度を高め、ありそうでなかった革新的な製品を手がけてきました。
そんな同ブランドのヒット作のひとつが、こちらの「モフ(MOFU)」。
スウェットのように見える表地はコットンで、裏地はふかふかと厚みのあるウールにした素材を使ったカーディガンとイージーパンツ。
日本一の毛布生産地である大阪・泉大津市のファクトリーの技術を用いて、極限まで裏地を起毛させることでたっぷりと空気を溜め込み、毛布のようなやわらかさと暖かさを実現。
もちろん家庭用洗濯機でのイージーケアが可能で、すぐにヘタったり、毛玉だらけになったりしません。ちなみに同素材のプルオーバーでのセットアップも楽しめますよ。
MOFUカーディガン価格2万円/オールユアーズ
MOFUパンツ 2万円/オールユアーズ
「サイドスロープ」のカシミアセットアップで自分史上最高の着心地を

以前、ハイゲージニットの記事でも取り上げた、ニットやジャージー製品を得意とする日本ブランドの「サイドスロープ」。
こちらのパーカとイージーパンツのセットアップは、素材に100%カシミアを使用しなんともラグジュアリーな逸品。
カシミアは極細の繊維のため切れやすいのですが、日本のファクトリーで手間暇かけてゆっくりとパイル地に編み立てることに成功。
ふっくらと厚みを持たせており、空気を溜め込むので保温性もバッチリ。
天然素材であるカシミアのなめらかでやわらかな肌触りを存分に味わえるリッチなセットアップなのです。
ほかのアイテムよりもかなり高額なのは致し方ないことですが、この先何年も愛用できることを考えれば、清水買いしてみるのも一興かと。
100%CASHMERE PILE Hoodie価格8万9000円/サイドスロープ
100%CASHMERE PILE Pants価格6万9000円/サイドスロープ
街でもアウトドアでも頼りになる「ロックス」のセットアップ

フリースパンツの記事でもおすすめした「ロックス」ですが、セットアップで楽しめるフリースアイテムが多数あり、今回はこちらを推奨。
素材はフリースの定番素材であるポーラテックですが、その中でも軽量化と通気&保温性を高めた“ポーラテック ハイロフト”という種類を使っているのがポイント。
毛足が長くてモコモコした見た目もファッション性が高く、細すぎず太すぎないシルエットも絶妙。
そもそも冬場のアウトドア用なので、当然と言えば当然なのですが、ルームウェアとしてはもちろん、冬キャンプにも最高なんです。
もちろんハンドウォーマーポケットと胸ポケット付きなのでトップス単品でも着回せますし、フリースパンツ単体でも大活躍間違いなし。
今年っぽいこちらのコヨーテカラーは、グレーやカーキはもちろんのこと、ネイビーやブラックにもなじみやすいので重宝しますよ。
HIGH LOFT BIGBEAR CREW価格1万8000円/ロックス
HIGH LOFT BIGBEAR PANT 1万8000円/ロックス
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天然素材の機能性を引き出して、現代のニーズに応えるセットアップを生み出した「アイスブレーカー」「オールユアーズ」「サイドスロープ」。
フリースの定番であるポーラテックの上位素材を採用した「ノンネイティブ」と「ロックス」。
それぞれアプローチは違いますが、いずれも共通するのは、部屋着として快適な着心地と、街着としても使える洗練されたデザイン。
また、冬のアウトドアアクティビティではミッドレイヤーとしても活躍するので、まさにシーンを選ぶことはありません。
色々あった今年ですが、ぬくぬくと暖かく過ごせて洒落たセットアップで締めくくってみてはいかがでしょう?
Photo: 多田悟