子ども心って繊細で複雑で、幼心なりにいろんなことを心配してるんです。
「明日のお医者さんいやだなぁ」「ママはいつ帰ってくるんだろう」などなど…。不安な気持ちが表面化する証として、子どもはすぐになんでも質問してきます。何度も何度も繰り返し聞くことで、自分の周りで今何が起こってるのかを確かめようとしているのです。
親としてはきちんと対応してあげたいと思うものの、質問に答えてもまた同じような質問が繰り返されることもしょっちゅうです。
だんだんとこちらも我慢の限界に達し、「もういい加減にして!同じようなことばかり聞かないで!」とつい強くあたってしまうこともあるのでは?
子どもとのやりとりって、こんなことの繰り返しですよね。
繰り返される質問には「制限タイムを決める」こと
世界的にも有名なエール小児研究センターで、うつや気分障害を専門としたプログラムの責任者を務めるEli R. Lebowitz医師はある方法を提唱しています。
それは質問する時間を区切ってあげる、というものです。たとえば子どもが週末の予定が気になっていたとします。その場合、「朝晩5分間ずつだけならそのことについて質問していいよ」と伝えてみるのです。
5分たってもまだ質問を続けるようなら、一旦そこでストップさせ、タイムアウトであることをしっかりと伝えてあげます。
制限タイムがもたらす2つの効果
R. Lebowitz医師曰く、これには2つの効果があります。1つは自分で心配事をある程度コントロールできる状態に置いてあげているということ。
何か疑問が生じたら、自分でその問題に対する質問の仕方を自発的・意識的に考え決めることができているのです。
またもう1つの効果は、問題は何もしなくても解決していることもあるのだと分からせてあげること。時間が経てばある程度のことは解決してくれると理解することで、子どもたちは不安な状態から解放され、なんでも両親に頼ってくることはなくなってきます。
その場しのぎの対応は逆効果
質問をするたびにそのときの気分で対応されてしまうと、不安な気持ちを抱える子どもたちは自分のした質問に対してきちんと対応してもらえたのかどうかが分からなくなり、つい似たような質問を繰り返してしまうのです。
たとえるなら、気まぐれで開いていたり閉まっていたりするような、決まった営業日のルールがない郵便局に行って毎回途方に暮れてしまうような状況、といえるでしょう。
過保護な対応がかえって子どもを苦しめる
エールプログラムは子どもたちが不安定な心理状況にいる場合、親の接し方、意外かもしれませんが、過保護をやめることが鍵になるといいます。
たとえば誰かがいつもそばにいないと不安になってしまう子どもに対して常に一緒に寝てあげたり、不安や緊張ですぐにお腹がいたくなる子どもにすぐ学校を休ませたり。
そして子どもからの質問に、繰り返し丁寧に答えてあげようとする…。
こんな対応が普通だとされることは多いかもしれませんが、実はこれらの対応が結果的には子どもを苦しめてしまっているのです。
まずは不安な気持ちをしっかり受け止めてあげること
こうした対応の代わりに子どもの不安な気持ちをまずはしっかり受けとめて理解してあげること、また何か問題が起こっても、大丈夫、自分でちゃんと乗り越えられるよと自信を持たせてあげることが何よりも重要だといいます。
質問攻めのときにはきちんと時間をセットしてあげること、まずはここからでOKです。不安な気持ちを処理する場所をきちんとつくってあげることで、子どもたちがその嫌な気持ちを引きずらないように、そっと手を差し伸べてあげましょう。
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Image: Photographee.eu/Shutterstock.com
Michelle Woo - Lifehacker US [原文]