私は、18年間父に育ててもらったにもかかわらず、父とはおよそ似ても似つかない人間です。父は、カレッジ・フットボール・チーム「ミシガン・ウルヴァリンズ」をこよなく愛するアメリカ中西部の弁護士。一方私のほうは、ミシガン大卒ながら、昔からいるような顔で東海岸に住んでおり、フットボールの試合よりもその前の飲み食いのほうが楽しい、というタイプです。

こうした決定的な違いはさておき、父と私には共通点が1つあります。パーソナルファイナンス(個人単位のお金に関する計画や管理)についてあれこれ語るのが好きということです。父は毎年の運用報告書を隅から隅まで読むのが大好きで、興味深いと思ったWall Street Journalの記事をメールで送ってきたりもします。私の投稿を、親としての義務感からではなく、楽しんで読んでくれるのもありがたいことです。

父とはそういう関係。なので私は、父にメールでフィデリティ・インベスメンツで持っているアカウントの「401(k)(確定拠出年金)運用状況」をまとめた資料を送りました。私は今の自分の資産運用に大変満足していますが、父なら、運用プランのオプションを喜んで考えてくれると思ったのです。父はメールで、いくつかのアイデアと、自分も投資していたといういくつかのファンドについての絶賛と、最後に、なかなか良い所感を書いてよこしてくれました。

給料をもらうごとに可能な範囲で投資をしなさい。仕事に全力を尽くし、1年の終わりに年金口座を確認しなさい。

これが素晴らしいと思ったのは、驚くような内容だったからではなく、その逆、つまり当たり前のことだったからです。時に私たちは、何であろうと大きくできる儲けは大きくして、マーケット(そしてお互い)に勝つ方法を見つけようと夢中になるあまり、パーソナルファイナンスに関する多くのことは非常に単純であるという事実を忘れてしまいます。

できる限りの節約投資はすべきですが、どうにもならないことはたくさんあります。自分でコントロールできることに集中しましょう。そうすれば、もっと利益を上げることができ、人生を楽しめるかもしれません。

何に投資するかに関しては、たいてい当たり前の答えが正しいのです。すなわち、低コストのインデックスファンドと上場投資信託(ETF)です。「定年」まであと40年ほどある私は、株式に多く投資していて、大型から中小型、外国株なども取り混ぜています。

「資産の運用実績を細かくチェックして、必要なら再調整する」ことをしないほうがいいと言っているのではありません。知識は力です。でも時には、細かいことにとらわれすぎて基本を忘れてしまうことがないよう、古き良き父の戒めが必要なときがあるのです。


Image: Olu Eletu/Unsplash

Alicia Adamczyk - Lifehacker Two Cents[原文