つい数カ月前まで、私の朝はまるで戦場でした。
できるだけ早く職場に到着して、その日の仕事に着手したかったのです。その日やるべき仕事が進まないのが怖くて、ゆっくりコーヒーを飲んでから出勤なんてアイデアは、思いつきもしませんでした。
朝のすべきことを無視してみた
私は、ルールに従って生きてきた人間です。
大人として、きちんと準備をして、時間通りに職場に到着することは、最低限守るべきルールだと思っていたから。その日のニュースも読まずに9時3分に出勤して、デスクについてから1日の仕事について考えるようでは、社会人失格でしょう。生産性や効率を扱うメディアで働く者として、自ら実践することが何よりも大切だと私は考えていました。
でも、実際のところ、あなたの出勤時間を気にしている人なんていません。
いつからそれに気づいたのかは忘れましたが、少なくともここ数カ月は、朝に「すべき」ことに関するアドバイスは無視することにしました。このことは、昨年末の動画でも宣言しています。
生産性アップの名のもとに朝から心のエネルギーを消耗させてしまうことをやめ、その日に心をゆっくり慣らしていくと決めたのです。
最適化やライフハックがはびこる世の中において、これは私にとってのささやかなる革命です。朝5時に起きて新聞を読んだり5キロ走ったり3品の朝食を作ってから出勤するのではなく、朝はシンプルに、くつろぐことにしたのです。
習慣っぽくない習慣を
とはいえ、瞑想やその他の「セルフケア」をするわけではありません。それらは必ず、ToDoリストに追加するような仕事になってしまうから。それよりも、こんな感じで朝の時間を過ごすことにしています。
- 3カ月前よりも1時間遅く寝て、朝は7時30分に起きる。
- 部屋をうろうろしたり、フレンチプレスコーヒーを淹れたり、NPRニュースレポートやポッドキャストを聞いたり。
- 時計を見ないようにする。仕事のための準備をするのではなく、気に入った服を選んだり、スキンケアをさぼらないようにしたり。必要に応じて部屋を掃除することも。
- 音楽を聴きながらソファでコーヒーを飲み、8時30分には準備を終える。その間、何かを読んだりメールやSlackをチェックしたりはしない。出かけるまでの時間は、ただリラックスするための時間にする。
これらは、何ら目新しい習慣ではありません。でも、私の気持ちが大きく変わったのは間違いありません。私は独り暮らしであり、定時勤務なので、1日を好きなように組み立てられるという特権があります。その特権をなぜ、今まで活用してこなかったのかと思います。
いつから忙しい朝が習慣になったかはもう忘れてしまいましたが、今回の気づきは、「そんな風に生きる必要はない」という、神のお告げでしょう。
結局のところ、朝のストレスが少ないほど(朝が楽しいほど)、その日の仕事もうまく行くことがわかったのです。
朝の最適化なんていらない
もちろん、例外はあります。締め切り間際には、早く起きて家で仕事をしてから出勤したり、早めに出勤して仕事をこなしたりします。
7時半に起きるつもりが寝坊して、忙しい朝になってしまうこともあります。必要もないのにこれまでの癖で気が急いてしまうときは、深呼吸をしてリラックスするようにしています。そうすることで、トータルで見ると、かなりゆっくりできていると思います。
とはいえ、生産性向上や最適化をあきらめたわけではありません。ToDoリストのアップデートは、相変わらず続けていますし、自己啓発のためのスキル習得にも挑戦しています。
次にどのタスクに取り掛かるかも、常に意識しています。ただ、無駄なおしゃべりをやめて、朝に1時間ほどの何も心配しなくていい時間を作ることが、皮肉にももっとも生産性を高めることがわかったのです。そのほうが終日気分よく働けるので、たくさんの仕事をこなせます。
終業後もそのままのエネルギーが続き、トレーニングをしたり、映画を見たり、博物館に行ったりと、活発に動けるようになりました。朝から全力疾走していたあの頃は、とてもじゃないけどアフターファイブを楽しむ気力はありませんでした。
でも、それは副次的効果にすぎず、目的ではありません。
真の目的は、気分を高めて、人生を楽しむこと。
そのために、1日の大半を過ごす外の世界に飛び込む前に、少しだけ自分の時間を取るのです。そうすることで、心にあったモヤモヤが消えるでしょう。朝にゆっくりした時間を取ることで、そもそも最適化なんて言葉が不要になるのです。
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Image: Westend61/Getty Images
Alicia Adamczyk - Lifehacker US[原文]