この前、食料品を買いに行った時、私はその店の自社ブランドではなく、有名ブランドのチーズを買いました。同じチェダーチーズですが、前者は2ドル、後者は6ドルで、以前はその価格差がとてつもなく大きく感じられたものです。
でも今は、ほとんど気になりません。それでも毎回、高い方を買うことを意識はしますが、この10年間で自分の生活がどれだけ変わったのかを思い出します。
人の支出能力には6つのレベルがある
Nick Maggiulli氏は「Of Dollars and Data」というサイトで、データ分析の視点から、個人のお金の問題をテーマに記事を書いています。
そのMaggiulli氏が先日、今述べたような価格差の捉え方に関して、自らの見解を投稿していました。
この投稿で同氏は、チーズ(あるいはレストランでの外食や休暇旅行)に費やすべき金額について、自分の中で「これくらいまでなら出せる」という金額がわかっている場合、それを基準にして出費を抑えつつ、同氏の言う「豊かさのはしご」を登っていくにはどうすれば良いのかを綴っています。
まずやるべきは、自分の今の立ち位置を把握することだと、Maggiulli氏は述べています(これは文字通り、同氏の言う「はしご」のどの段に立っているか、という話です)。
同氏によると、人の支出能力には6つのレベルがあるとのことです。一番低いのが1セントも無駄にできないレベルで、その上は10ドル、さらに100ドル……と、レベルが上がるたびに、1回の決断で気にせずに使える出費の単位がアップしていきます。
運に恵まれ、年齢を重ねるとともに収入が右肩上がりに増える体験をしてきた人なら、Maggiulli氏の言いたいことはよくわかるはずです。
60分のマッサージか90分のマッサージか
私自身のキャリアを振り返ると、ミネアポリスでテレマーケターをしていた2004年当時は「1セントも無駄にできない」レベルでした。当時は小銭すら大事に使わざるを得ない懐事情だったので、オフピークの割引料金でバスに乗れるように、乗る時間帯を調整していたほどです。
それが今では、借金を完済し、収入も増えたことで、自分の金銭感覚が「100ドル単位の出費までは気にならない」レベルに近づきつつあるのを感じます。それと同時に、まだ10ドル単位の出費を気にすべきレベルだと、自分に言い聞かせようとしている自分もいます。
例えば、私は先ほどマッサージを予約したのですが、60分ではなく、90分コースを頼みました。90分のほうが50ドル高い(チップ込みで)のですが、より良いサービスが受けられるなら、そのくらいは払ってもかまわないと思えたからです。
一方で、飛行機に乗る時は今でもエコノミークラスを選びますし、チケットがあればさらに安いベーシックエコノミーにします。というのもこの場合、多少の快適さのために数百ドルを払って座席をアップグレードするのは、割に合わない気がするからです。
それはつまり、今の私のレベルでは「まだ」割に合わない気がする、ということです。
現状に適した優先順位を守るべき
Maggiulli氏が指摘しているように、純資産が増えるにつれて、私たちの優先順位は変化していきます。そして、自分の純資産を増やすのにベストな方法は、「豊かさのはしご」で自分が今立っている段階にふさわしい、お金の使い方の優先順位を守ることです。Maggiulli氏はこう述べています:
あなたが今、レベル1の段階にいるのに、いくらかかるかも考えずに休暇旅行の予約をとったなら(これはレベル4の段階で可能になることです)、これ以上のレベルアップはかなわないでしょう。
個々のレベルの基準となる単位のお金を自由に使えるくらい稼げるようになるまでは、レベル内での出費を厳しく管理しなければなりません。
こうした管理をきちんとしておけば、はしごのさらに上のレベルへと登れる可能性がぐんとアップするはずです。
私にも、収入がないころに「いくらかかるかも考えずに」休暇旅行を予約した経験があります。
しかも、旅費の大半をクレジットカードで払い、あとで返済しました。それでも、この旅は私の人生の中でも一、二を争う貴重な体験になりました。このように、Maggiulli氏の提唱している出費に関するルールは、必ずしもすべての状況に当てはまるとは限りません。
とはいえ、Maggiulli氏の言う「豊かさのはしご」の中で、「自分は今どこに立っているのか?」と自問してみるのは有意義でしょう。
先ほどの例で言えば、「お金の心配をせず、スーパーで4ドル高いチーズを買うだけの余裕はあるのか?」あるいは、「60分ではなく、90分のマッサージを予約してもお金に困らないのか?」といったことです。
そして、自分の今のレベルが今後、お金の使い方の優先順位にどんな影響を及ぼすのかを考えてみましょう。
というのも、豊かさのはしごを1段登れば、なんでも好きなチーズを買えるだけのお金を稼げるようになるかもしれません。
あるいは、もう2度とベーシックエコノミーの席に座らないで済むかもしれません。その一方で、1セントも無駄にできない状況できちんとお金を管理できなければ、10ドル単位、100ドル単位でお金を考えるレベルにたどり着くのは難しいかもしれません。
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Image: NATNN/Shutterstock.com
Source: Of Dollars and Data
Nicole Dieker - Lifehacker US[原文]