良い習慣を新しく身につけるには、「小さなことから始めなさい」とよく言われます。最初はささやかなことから始めて、ゆっくりと努力を重ね、徐々に内容を充実させていくやり方です。分別のあるアドバイスだとは思いますが、私は一度も実行したことがありませんでした。

でも、それは去年までの話です。1月に同僚が懸垂に挑戦したことに啓発されたのと、1月のジムは新年の抱負に駆り立てられた人々で混雑しているだろうと思うとジム通いは気後れしたのとで、私はワークアウトの目標を「毎日最低5回腕立て伏せをする」というシンプルなものにしておくことに決めました。

理想的には、だんだんレップ数を増やし、フォームも向上させたほうが良いのですが(マットの上ではついでに腹筋運動もした方が良いのかもしれませんが)、肝心なのは小さなことでも「毎日欠かさずやる」とコミットすることです。

このやり方は私に向いていました。上半身の筋力が強化され、姿勢が良くなったと思います。でも、何かささやかなことを毎日するとコミットすること自体が、もっとやりたいという気持ちにさせたのでした。

具体的にいうと、私は毎朝、歯を磨いている間にスクワットをすることを思いついたのです(これもフィットネスのライターが、自己啓発的なアドバイスをするときに推奨する類のことです。でも、誰だって自分のペースに落ち着くのです)。私は、個人的にはスクワットは特にめんどくさくてつらいと思いますが、ラジオを聞きながら歯磨き中にやってしまうと、うまい具合に気が散ってスクワットの辛さに耐えられます。

さらに重要なことは、少ないレップ数でも毎日やるとかなりの効果が出るということです。スタイルが良くなるという利点はもちろんありますが、毎日地下鉄の階段を駆け上るのが楽になります。率直に言うと、これほど小さな日々の努力により、ここまで向上したことはショックでもあり嬉しくもあります。大きなことができないなら、何もしないほうがマシだと決めつけるより、ささやかでも目標に向かって努力するほうがはるかに生産的であることを実感させられた出来事でした。

というわけで、読者の皆さんも明日は歯を磨いている間にスクワットをしてみてはどうでしょう。そして、それを明後日もその先も続けるのです。きっとデスクワークでなまった身体に感謝されますよ。


Image: Syda Productions/Shutterstock

Virginia K. Smith - Lifehacker US[原文