ベビーグッズ選びでは迷うことがたくさん! そのひとつがおむつの処理方法ですよね。「そもそも専用ゴミ箱は必要なの?」「どのくらいニオイって気になるんだろう?」「コストは抑えたいけど高いものが必要なのかな…」など、疑問は尽きません。
そこで、先輩ファミリーに「おむつを捨てるためにどんなゴミ箱を使っているのか、何を重視してゴミ箱を選んだのか」をアンケート。多くのご家庭を訪問している助産師の榎本美紀さんにもアドバイスをもらいました。
それらのリアルな意見から、ニーズ別におすすめ商品のランキングを作成。この記事で、あなたの家族にとってのベストバイがきっと見つかります。
榎本美紀

えのもとみき/助産師・国際ラクテーションコンサルタント。2001年に助産師免許取得後、大学病院・公立病院の周産期センター・産婦人科勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市にて、訪問型の助産院「みき母乳相談室」開業。病院勤務での経験を元に母乳育児の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援。一児の母としても育児奮闘中。
■ 目次
【1位】ニオイが漏れない
【2位】ゴミが捨てやすい
【3位】ゴミ箱の本体価格が安い
【4位】容量が大きい
【5位】フタを開けてもニオイがしない
【1】おむつ用のゴミ箱(専用カートリッジ式)
【2】おむつ用のゴミ箱(普通のゴミ袋式)
【3】おむつ用ではないゴミ箱(フタ付き)
【4】おむつ用ではないゴミ箱(フタなし)
おむつ用のゴミ箱(おむつペール)、うちには必要?
そもそも、おむつ用のゴミ箱は必要なのでしょうか? 0〜3歳児がいるファミリーへのアンケートでは、「おむつ用のゴミ箱がある」というご家庭は77%でした。

助産師の榎本美紀さんは「おむつ用のゴミ箱はあるほうがいい」と話します。
おむつの処理で一番問題になるのは、やっぱりニオイ。新生児の期間中はそれほど臭くないのですが、離乳食が始まるとかなり臭くなります。また、暑くなる季節はニオイが出やすいですね。一般的なゴミ箱ではニオイが漏れるので、かなりストレスを感じるはず。とくにリビングや寝室など、家族が過ごす空間に置くなら、ニオイ対策がしっかりしたものをおすすめします。
上記アンケートでおむつ用のゴミ箱が「ない」と答えた人も、全員が「まったくニオイを気にしていない」という意味ではありません。おむつ専用ではなく、「ニオイ対策をしてあるペット用のゴミ箱」や「生ゴミ用のゴミ箱」を使っている可能性もあります。
失敗しないために検討すべきこと上位5つ
では、おむつを捨てるゴミ箱はどんなものを選ぶといいのでしょうか? 先輩ファミリーに「重視したポイント」を聞いてみたところ、以下のグラフになりました(複数回答)。上位5つについて詳しく見てみましょう。
おむつのゴミ箱を選ぶ際、重視したポイント

【1位】ニオイが漏れない
やはり1位は防臭力で、重視した人は53%と半数以上。「最初に購入したときは機能を気にせずデザイン重視で買ったが、使っているうちにニオイがつらくなって、防臭力が高いものに買い替えた」という人もいました。
【2位】ゴミが捨てやすい
おむつは1日に何回も捨てますし、少なくとも週2回のゴミ出しが必要なので、使い勝手が悪いとストレスに。また、赤ちゃんを抱いたまま片手でおむつを捨てることもあるので、フタが開閉しやすいものがベターです。
【3位】ゴミ箱の本体価格が安い
「おむつを捨てるためだけのものなので、お金をかけたくない」という意見も。ただ、おむつ専用ゴミ箱には「本体価格は安いがランニングコストがかかるもの」「本体は高いがランニングコストがかからないもの」などがあります。総コストで考えるようにしましょう。
【4位】容量が大きい
使用済みおむつは「燃えるゴミ」になる自治体が多いのですが、念のためお住まいの自治体の分別方法や回収頻度を確認しましょう。おむつの使用量は個人差がありますが、新生児は1日10〜15個、Mサイズで1日5〜8個くらい。ゴミ回収日が週2日なら、3〜4日分が入ると便利です。24時間いつでもゴミを捨てられるのなら、容量はあまり気にしなくてOK。
【5位】フタを開けてもニオイがしない
フタをしているときはニオイが漏れなくても、おむつを捨てるときや、ゴミ袋を交換するためにフタを開けたときにニオイが流れ出るものもあります。その瞬間だけなら許容できるのか、それも避けたいのかは、使う人の気持ちによるでしょう。また、トイレや洗面所、納戸などに置くなら開閉時のニオイは許容範囲かもしれませんね。
おむつのゴミ箱は大きく分けて4種類
では具体的に商品を選ぶ前に、おむつを捨てるゴミ箱にはどんなタイプがあるのかを知っておきましょう。現在購入できるものを分類すると、大きく4種類に分けられます。
【1】おむつ用のゴミ箱(専用カートリッジ式)
防臭力が高い袋の専用カートリッジ(カセット/ロール)をセットして使用する、おむつに特化したゴミ箱。防臭力が高いので、リビングや寝室にも置けます。このタイプは、本体価格は高くありませんが、専用カートリッジが必要でランニングコストがかかるので、総コストは高くなります。また、基本的に他の用途には使えないので、おむつを卒業したら不要になります。
・メリット:とにかく防臭力が高い
・デメリット:ランニングコストがかかる/おむつ以外に使えない
【2】おむつ用のゴミ箱(普通のゴミ袋式)
「おむつ用として販売されているけれど、普通のゴミ袋を使える」というタイプは、ランニングコストが不要。防臭力が高いタイプは本体価格が1万円前後と高めですが、リビングや寝室に置くことも可能です。「フタの開閉時だけ臭うくらいなら許容できる」という人には、コスパの面でおすすめです。
・メリット:防臭力が高め/ランニングコストが不要
・デメリット:本体価格が高め
【3】おむつ用ではないゴミ箱(フタ付き)
「おむつ専用ではない」といっても普通のポリバケツのような素材では本体に「ニオイ移り」して、ゴミ箱自体が臭うようになります。「生ゴミやペットのゴミ用などのゴミ箱を選ぶ」または「普通のゴミ袋でなく防臭袋を使う」「フタや内側に防臭剤を貼る」など、何かしらのニオイ対策をして使っている人が多いようです。
・メリット:選択肢の幅が広い
・デメリット:何かしらのニオイ対策は必要
【4】おむつ用ではないゴミ箱(フタなし)
フタがないゴミ箱に使用済みおむつをそのまま捨てるのは、さすがに厳しいでしょう。おむつを捨てるたびにおむつ用防臭袋に入れて口を閉じて捨てるなら、ニオイは抑えられます。ただし防臭袋の防臭力は千差万別。防臭力が高いものを使えば、それなりのランニングコストがかかります。
・メリット:選択肢の幅が広い
・デメリット:防臭袋のランニングコストがかかる
【コラム】みんなはどの種類を使っているの?
先輩ファミリーに4つのうちどのタイプを使っているのか聞いたのが以下のグラフです。「おむつ用」で販売されているのは「専用カートリッジ式」「普通のゴミ袋式」なので、2つを合わせると「約8割の人がおむつ専用のものを使っている」と言えます。

【ミニアドバイス】
どのタイプのゴミ箱を使っても、ウンチはできるだけトイレに流しましょう。おむつのウンチをそのまま丸めて捨てるよりも、ニオイを減らせます。ゴミの量も減るので、自治体でのごみ処理時の環境負荷も軽減できるでしょう。
先輩の成功談・失敗談から導いた!おすすめ商品ランキング
「それで、結局どの商品がいいの?」というのが、一番知りたいところですよね。最後に、先輩ファミリーの体験談や口コミを参考に、編集部が厳選した「おすすめベスト3」の商品をニーズ別に紹介します。
【徹底防臭】のおむつのゴミ箱・おすすめベスト3
①コンビ「ポイテックアドバンス」
コンビの強力防臭抗菌おむつポット 「ポイテック」が、どんな部屋にも馴染むデザインに進化して「ポイテック アドバンス」に。フタを開けておむつを入れ、回転レバーをひと回しするとフィルムがねじれておむつを密封します。
5層になっている防臭フィルムは抗菌力99%で、フィルム表面の菌の繁殖を抑制。見た目はスリムですが、Lサイズを1日6枚使う計算で約5日分を貯めておけます。カセット1個でおむつ約110枚分なので、新生児期は月3個、以降は月1〜2個ほど消費するでしょう。
種類 | おむつ用のゴミ箱(専用カートリッジ式) |
スペアカセット参考価格 | 1個1300円、3個パック2800円 |
本体サイズ | W292×D255×H443mm |
容量 | 17L |
重量 | 1.6kg |
色展開 | 3色 |
②アップリカ「ニオイポイ」
正面から見るとスリムなボディで圧迫感のないデザイン。先輩アンケートでも満足度の高い商品です。専用カセットフィルムに強力消臭成分「ケスクリーンα」を配合。オシッコ臭やウンチ臭を構成する成分であるアンモニアと硫化水素を強力消臭します。
おむつを捨てるときはワンタッチでフタを開け、おむつを入れてフタをするだけ。片手で処理できるのもうれしい点です。Mサイズを1日6枚使った場合、貯めておけるのは約3日分。口コミでは「カセット1個を1か月弱で消費する」という声が見られます。
種類 | おむつ用のゴミ箱(専用カートリッジ式) |
スペアカセット参考価格 | 1個1300円、3個パック2800円、6個パック5300円 |
本体サイズ | W218×D364×H490mm |
容量 | 14L |
重量 | 2.1kg |
色展開 | 4色 |
③日本育児「Color Korbell おむつポット」
二重のフタでニオイをシャットアウト。フットペダルが付いていて、片手でおむつを捨てられます。専用袋はロール状で、おむつが貯まったら適度な長さに切って捨てます。専用袋にはベビーパウダーの香りが練りこまれており、おむつのニオイを調和する仕組み。ただし「その袋のニオイが苦手」というレビューもあるので、好みは分かれるところです。
専用ロールは1個でおむつ240枚分なので、新生児期は月2個、以降は月0.5〜1個ほど消費するでしょう。
種類 | おむつ用のゴミ箱(専用カートリッジ式) |
専用取替ロール参考価格 | 3ロール2280円 |
本体サイズ | W300×H535×D215mm |
容量 | 16L |
重量 | 1.9kg |
色展開 | 4色 |
【大容量】のおむつのゴミ箱・おすすめベスト3
①日本育児「おむつポットUbbi インテリアおむつペール」
フタの隙間をパッキンで覆ってニオイをシャットアウト。スライド式のフタでおむつを捨てるときにもニオイがもれず、専用カートリッジ不要なのに消臭力が高いと評判です。本体はパウダーコーティングされたスチール構造で、普通のゴミ袋を使っていてもニオイ移りしにくくなっています。
容量も大きめで、使用済みおむつは「新生児用で58個、年長者用で23個」OKだそう。Lサイズを1日6枚使う計算だと、約4日分貯めておけます。カラー展開が14色もあるので、置く場所に合わせてセレクトできます。
種類 | おむつ用のゴミ箱(普通のゴミ袋式) |
本体サイズ | W245×H550×D350mm |
容量 | 不明(30L以上のゴミ袋を使用) |
重量 | 2.3kg |
色展開 | 14色 |
②リス「ワンハンドパッキンペール45JS」
おむつ専用ではありませんが、防臭力の高さで人気の大容量ゴミ箱。生ゴミやペット用品、介護のおむつなどに使っている人も多く、屋外に置いてもOKです。
ニオイ漏れしない理由は、しっかり密閉してくれるフタのパッキン。フタには片手で解除できるロック機能もあって、いたずらを防止しつつ使い勝手も◎です。さすがの大容量で、Lサイズのおむつが54個もOK。仮に1日6枚使う計算だと9日分も貯めておけます。これが大きすぎる場合には、同じシリーズの33Lタイプもおすすめです。
種類 | おむつ用ではないゴミ箱(フタ付き) |
本体サイズ | 341×H592×D471 mm |
容量 | 47L(45Lのゴミ袋を使用) |
重量 | 1.942kg |
色展開 | 1色 |
③リトルプリンセス「 くるっとポン」ミディアムサイズ
2016年度、アメリカの「360°Product Testing」によるニオイ漏れテストで第1位を獲得した商品。おむつを入れて片手でハンドルを回すだけで処理ができるラクさも好評です。45Lのゴミ袋を使う大容量で、Sサイズの使用済みおむつが70個入るそう。1日12個とすると約6日分貯めておけます。
組み立て式なので、パーツを分解して水洗いすることも可能。下に比べて上が細くなっているので、「ゴミ袋を引っ張り出すときにコツが必要」という口コミもあります。
大容量は「ミディアム」で高さ73cmのもの。高さ55cmの「レギュラー」もあるので購入時に間違えないように注意してください。
種類 | おむつ用のゴミ箱(普通のゴミ袋式) |
本体サイズ | W415×H730×D295mm |
容量 | 不明(45Lのゴミ袋を使用) |
重量 | 3.7kg |
色展開 | 1色 |
【デザイン】がポイントのおむつのゴミ箱・おすすめベスト3
①Nikitea「Primanova スタイリッシュペール」
「Primanova スタイリッシュペール」はその名の通り、スタイリッシュなデザインが特長。おむつ用でなく、普通のゴミ箱として使用している人もいます。
使用時はフタを軽くプッシュして開け、おむつを置いたらフタを閉めて後ろのボタンを押します。ニオイ防止のためにフタが二重構造になっていて、ボタンを押すとおむつが中に落ちる仕組みです。
本体部分はスチール、フタ部分裏側はアルミニウムで、ニオイ移りも気になりません。30Lの袋を使用する大きめサイズで、1週間分の使用済みおむつを問題なく収納できます。
種類 | おむつ用のゴミ箱(普通のゴミ袋式) |
本体サイズ | W295×H530×D295mm |
容量 | 不明(30Lのゴミ袋を使用) |
重量 | 3.1kg |
色展開 | 5色 |
②ピジョン「ステール」
スマートな筒型で圧迫感のないデザイン。ピジョン独自の「ストロング密封構造」でニオイが漏れにくい仕様です。おむつを捨てるときは、上の穴におむつを入れ、レバーを閉じて中に落とします。おむつが落ちたらレバーを元の位置に戻します。
特筆すべきは、たまったおむつを捨てるとき。ゴミ袋とフタがくっついた状態で本体から外れるので、そのまま袋の上部を握って縛ります。これで捨てるときにもダイレクトにニオイを感じずに済みます。
容量としては「Sサイズが約25個」なので、約2日でいっぱいになりそうです。
種類 | おむつ用のゴミ箱(普通のゴミ袋式) |
本体サイズ | W257×H515×D261mm |
容量 | 不明(20〜30Lのゴミ袋を使用) |
重量 | 2.28kg |
色展開 | 3色 |
③kerata「EZkan おむつポット」
ほぼ直方体で、部屋の隅にも収まりがいいデザイン。二重のフタそれぞれについたゴムパッキンで密閉し、ニオイをブロック。専用の取替リフィルも、高密度のポリエチレン素材でニオイを閉じ込めます。
おむつを捨てるときは、フットペダルで外フタを開けて、手で内フタを開けます。投入口が幅広なので、おむつだけでなくペットや介護用の使い捨てシーツもラクに捨てられるでしょう。
内フタを外せば普通のゴミ袋も使用できますが、防臭の点では専用ロールの使用がおすすめ。専用ロール1個でおむつ約300枚分なので、新生児期は月1個、以降は月0.5〜1個ほど消費するでしょう。
種類 | おむつ用のゴミ箱(専用カートリッジ式) |
専用取替ロールリフィル価格 | 3個2280円 |
本体サイズ | W325×H535×D225mm |
容量 | 27L |
重量 | 2.7kg |
色展開 | 2色 |
番外編:外出時にぜひ使ってほしい!驚異の防臭袋
BOS (ボス)
使った人が「ウンチのおむつを入れても臭わない!」と驚く防臭袋。ニオイも菌もシャットアウトしてくれるので、外出時に使用済みおむつを持ち歩かなければいけないときに大活躍。家のゴミ箱のニオイが気になって、「ウンチのときだけBOSに入れてゴミ箱に捨てている」という人もいます。
類似品と使い比べると、その違いは歴然! 新生児用おむつ1個が入るSSサイズから、ゴミ箱に掛けて使える20Lまで、さまざまなサイズと色があるので用途に応じて選びましょう。
【コラム】おむつ用のゴミ箱はいつまで使う?
ランニングコストを考えるとき、「いつまで使うか?」は重要ですよね。ですが、おむつが外れるタイミングは1歳〜4歳くらいと、とても個人差が大きいもの。子ども自身の体や排泄機能の成長スピードに加え、早く外れるように親が積極的に関わるか、自然に外れるのを待つか、などご家庭の方針も影響します。使用期間は少し長めに考えておくといいかもしれませんね。