以前、『毎日みるだけ! 自己肯定感365日BOOK』という書籍をご紹介したことがあります。昨年末には「2021年の名著10選」の一つとしてもピックアップしましたので、ご記憶に新しいかもしれません。
『あなたは、もう大丈夫。「幸せスイッチ」が入る77の言葉』(中島 輝 著、プレジデント社)は、同書の著者による新刊。
本書は、あなたが「ありのままの自分」と出会い、幸せに生きるためのスイッチを入れる本です。
あなたは自分を幸せにするためのスイッチを、自分で手に入れることができます。
そして実際にいまのあなたは、たくさんのスイッチをその手に持っています。
もしかしたら、あなたはスイッチのありかを一時的に見失っているかもしれません。でも、過去になにがあっても、いまどんな状況であっても、あなたには希望を持って生きる価値があります。
そんな自分を全肯定できる「自己肯定感」のパワーが高まると、自分が本当に好きなことをして、いつも満ち足りた気分で毎日を過ごせます。
「自分には価値がある」と自然に思えるようになり、たとえなにが起きても、「どんなものごとも希望に変えられる」と強く信じられるようになります。(「はじめに」より)
つまり、このような考え方に基づき、幸せになるための考え方をさまざまな角度から考察しているわけです。そんな本書のなかから、きょうはChapter3「自分を全肯定する」に焦点を当ててみたいと思います。
「感情」「ものごとのとらえ方」「行動」3つの要素に働きかける
自己肯定感が持てないと悩んでいる方は、決して少なくないはず。でも現実問題として、自己肯定感を高めるのはなかなか難しいことでもあります。だとすれば、いったいどうしたらいいのでしょうか?
このように問われたとき、著者はいつも、「感情」「ものごとのとらえ方」「行動」という3つの要素に働きかけることが重要なのだと答えているのだそうです。
まず、人には生まれ持った才能や、身につけた能力があります。でも、それ以上に大切なのが「感情」です。常にポジティブな気持ちで生きるのか、ネガティブな感情にとらわれてしまうのかで、人生はまったく変わってしまいます。
「ものごとのとらえ方」も重要です。起きた出来事をプラス思考でとらえるのか、悲観的にとらえるのか。それによっても、人生の景色が変わります。
さらに、勇気を持って「行動」に踏み出せるか、無意識にブレーキをかけてしまうのかでも違いが生まれてきます。(108ページより)
これら3つの要素は、それぞれが連動しているものでもあります。プラス思考をするには、ポジティブな感情が必要ですし、ポジティブな感情を自然に持つためには、普段から積極的に行動に踏み出し、経験値をたくさん得ていることが助けになるわけです。
つまり、人生をよりよいものにするためには、「ポジティブな感情」を持ち、ものごとを「プラス思考」でとらえ、「行動」するサイクルを回していく姿勢が大切だということ。そうすれば、よろこびは自分でつくり出せるわけです。(107ページより)
ネガティブな感情を見つめなおすから、ポジティブな感情になれる
「嫌なことがあったときに、ポジティブでいるのは難しい」と考える方もいらっしゃることでしょう。
そんなときには、まずネガティブな感情を持つきっかけとなった出来事を振り返り、そのときの状況を具体的に書き出しみることが大切。たったそれだけで、ネガティブな「自動思考」(自分の意思とは関係なく湧き出る思考)を修正できるというのです。
・ネガティブな感情を持ったのは、「いつ」「どこで」「誰と」「なにを」していたとき?
・そのときにパッと頭に浮かんだ自動思考は?
(109ページより)
このように“ネガティブな感情の見つめなおし”を繰り返していると、自分の感情の傾向を認識できるようになるわけです。
著者によれば、人生が「うまくいく人」は、ネガティブな感情を感じない人ではないそう。自分を否定する気持ちを感じたときに、それを自分で修正する方法を知っている人だということです。(109ページより)
「ものごとのとらえ方」は、1分で変えられる
仕事や人間関係などでプレッシャーを感じたときには、1分間で「セルフトーク」を行えば「ものごとのとらえ方」を変えられるのだそうです。
まずゆっくりと深呼吸し、1分間で「自分がすでに持っている能力や強み」を思い浮かべます。
「人の話を聞くのが上手」「書類やデータをつくるのが得意」「ものごとを深く考えられる」「相手を深く思いやれる」など、探せばいろいろあるはずです。
次に、それらの能力や強みから、いまプレッシャーを感じている状況に対して使える能力を書き出してください。(111ページより)
すると、さっきまでネガティブにとらえていた状況に対して、「自分にはできることがある」「自分はうまくやる選択肢を持っている」というように、プラスにとらえられるようになるというのです。
つまりは状況に振り回されるのではなく、あくまでも自分の得意な能力や強みを使って、状況のとらえ方を変えることができるということ。
そして、そうすることで自己肯定感が高まっていくと、プレッシャーを感じることすら、「自分の強み」ととらえることができるようになるのだそうです。(110ページより)
自己肯定感拭い去ることができない人にとって、現代は生きづらい時代であるともいえるかもしれません。だとすれば、そこから抜け出すための手助けが必要。そこで、人生をよりよいものにするために、本書を活用してみてはいかがでしょうか?
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Source: プレジデント社/Photo: 印南敦史