オンライン上でのやりとりが日常化した結果、自分の思いを端的に伝える重要度が増しているーー。『発信力を強化する 「書く」「話す」サイクル』(さわらぎ寛子 著、ぱる出版)の著者は、そう指摘しています。

そんな状況下では、「伝わりやすく書ける人」「伝わりやすく話せる人」のほうが高評価を得られるはず。当然ながら何度もやりとりを重ねる必要はなくなり、仕事の効率化にもつながるでしょう。その結果、信頼される場面も増えていくに違いありません。

しかも、SNSで自分の思いを発信したり仕事に生かしたいと思う人は年々増えてもいます。ただしTwitter、Facebook、ブログやnoteなどにおいては「書く」力が求められるもの。また音声配信やYouTube、ライブ配信などにおいては「話す」力も必要になります。

人にはそれぞれ優位な感覚があります。視覚優位(目で見て理解するのが得意)な人も、聴覚優位(耳で聞いて理解するのが得意)な人もいます。

書くのが苦手・話すのが苦手と思い込み、どちらかのコミュニケーションに偏っていると、伝えられるチャンスが半減します。

文章と音声や動画、どちらの発信もしていると、より多くの人にリーチできます。自分のことを知らなかった人に知ってもらえる確率が倍になるのです。(「はじめに」より)

つまり、「書く」と「話す」のどちらもできる人が有利だということ。そこで本書では、両者を組み合わせ、可能性を広げることを目指しているわけです。

ちなみに著者はコピーライターですが、「書く」と「話す」の双方をフォローすることで仕事の幅を広げてきたのだとか。

きょうは第3章「『書く』と『話す』のお悩み解決例」のなかから、「自信を持って話す」ための方法をピックアップしてみたいと思います。

1. 自信を持って話せるようになりたいなら練習は必須

× その場その場で話すことを考える

◯ 同じ内容を何度も練習する

(130ページより)

「大人数の前でも緊張せずに話したい」「初対面の人とも打ち解けて話したい」という人は、「なにかあったときは、この話をすればいい」という“持ちネタ”をいくつか持っておくといいそうです。

セミナーや講演、ライブ配信などを行う機会の多い著者が緊張しないのも、もしものときのネタをいくつか持っているからなのだとか。話がずれてしまったり、頭が真っ白になったとしても、「この話をすればいい」と思えるようになれば落ち着いて話せるようになるということ。

そして、どんな話でもうまく話せるようになるには、あれこれ手を出そうとせず、まずはひとつの鉄板ネタを、なにも見ずに話せるようになるまで練習するべきだといいます。(130ページより)

2. 思いが伝わる「鉄板ネタ」を用意する

ちなみに鉄板ネタは、自分の仕事や活動に対する思いが伝わるようなエピソードを選ぶのがいいようです。たとえば著者の場合は、以下の2つの話を鉄板ネタとして持っているそう。

■育休復帰後に、会社をクビ同然でやめて、仕事が全くゼロの状態からブログとSNSの発信で仕事をつくってきた。(130ページより)

■小学生の時に、父親が精神的な病気になり、専業主婦だった母が一家の大黒柱になった。その時に、自分は結婚しても子供ができても、一生続けられる仕事をしようと決めた。(131ページより)

セミナーでも企業研修でも、ライブ配信で誰かと対談する際も、初対面の人と商談をするときも、「なにかあったら“鉄板話”がある」と思えば緊張することはなし。その場にいるメンバーや見ている人の関心ごとに合わせて。どちらかの話を選んで話すようにしているのだそうです。(130ページより)

3. 鉄板話を15秒、30秒でなにも見ずにいえるようになるまで練習する

自分の仕事や活動に対する価値観を表している出来事を選んだら、次はそれを15秒、30秒で伝えられるように書き出すべき。書き出してから不要な部分を削り、わかりやすくするためにことばを足していくわけです。

それを、何も見なくても話せるように何度も練習します。スマホで動画や音声を撮るのがオススメです。動画にすると表情や身振り手振りの癖がわかります。

音声だけにすると、間の取り方や「えーっと」など話し方の癖、語尾が長い、話すペースが速いなど問題点に気づけます。(131ページより)

自分の話す声を聞いたり、動画を見たりするのは恥ずかしいものでもあるでしょう。しかし自信を持って話すには、客観的な視点で自分を振り返ることが重要な意味を持つわけです。(131ページより)

「書く」と「話す」をうまく組み合わせると、仕事でもプライベートでもコミュニケーションが変わると著者は断言しています。いままで届かなかった人にも思いを伝えられるようになりたいなら、本書を参考にすべきかもしれません。

Source: ぱる出版