日常的に座り仕事をしているため、首、肩、腰につらさを感じているという方は少なくないはず。
そこできょうは、『座り仕事の疲れがぜんぶとれるコリほぐしストレッチ』(なぁさん 著、ダイヤモンド社)をご紹介したいと思います。
ストレッチトレーナーである著者が、座り仕事の3大疲れである「肩コリ」「首コリ」「腰痛」への対象法を紹介した書籍。
まず注目すべきは、「座り仕事で『同じ姿勢をキープ』し続けると、筋肉が固まり、血流が悪化し、コリや張りが生まれる」という指摘です。
そればかりか筋肉には、「硬くなると、まわりの骨や筋肉を引っ張り込む」性質があるのだとか。
すべての原因は、筋肉が硬くなることにあります。ならば、硬くなった筋肉をほぐし、元に戻すストレッチをすればいい。 筋肉をゆっくり伸ばすことで、血流がよくなり、酸素が体中をめぐります。すると老廃物が流れ、筋肉のこわばりも解きほぐされていきます。
柔らかくほぐれた筋肉なら、新鮮な血液が常に全身をめぐるようになり、老廃物のたまりにくい「疲れにくい体」になるのです。(「はじめに なぜ『座っているだけ』で疲れるのか?」より)
そのため本書では、硬くなった筋肉を徹底的にほぐすためのストレッチが紹介されているのです。
CHAPTER 2「首・肩・背中のしつこい疲れをとる」の中から、3つをピックアップしてみましょう。
「なんか疲れたな」と思ったら

「肩が凝ってるなー」と感じたときに、は自分で肩をもむことがあるのではないでしょうか?
そんなときに自然と押さえる位置にあるのが、僧帽筋(そうぼうきん)。首から肩、そして背中へと大きくつながっている筋肉だそうです。
僧帽筋のおもな役割は、「腕を支える」こと。なにかを引っぱったり、持ち上げたりするときに活躍するわけです。
とはいえ、座り仕事をしながらなにかを引っぱったり、持ち上げたりする機会は決して多くありません。
そのため僧帽筋は活躍のチャンスに恵まれないまま、知らず知らずのうちに硬くなってしまうというのです。
そこで首・肩・背中が「なんとなく疲れている」という人は、まず僧帽筋をほぐすことが大切。

ちなみに肩コリだけでなく、「首の重ダルさ」や「背中の張り」にも効果的。
ストレッチ自体はとても簡単なので、すぐに試してみたいところです。(58ページより)
「目がショボショボしてきた」と思ったら

眼精疲労は、座り仕事の人にとっての大敵。
長時間のパソコン仕事で目がかすみがちになるのはもちろんですが、年齢を重ねるごとに目の調節機能が衰えてくるため、「視界がぼやけて気分が悪くなる」症状を訴えてくる人も多くなるのだそうです。
著者によれば、目がショボショボしてきたときにほぐすべき筋肉は、まぶたの開け閉めを担う眼輪筋(がんりんきん)と眉の上にある皺眉筋(しゅうびきん)。
この2つがコリ固まると、まぶたが重く下がり、眉間のシワもどんどん深くなってしまうのだといいます。

このストレッチをするとシワが増えそうだと感じるかもしれませんが、心配は無用。
なぜならシワは、真皮のコラーゲンの減少や傷み、皮膚の乾燥などによってできるものだから。
そのため、ストレッチでシワができることはないわけです。(64ページより)
「書類仕事で疲れた」と思ったら

「首が疲れた、ダルい」と感じるのは、首が「前に出ている」から。
頭はボウリングのボールほどの重さがあるため、30度前にずれると、数10kgの負担がかかると言われているのだといいます。
そのため「書類を読もう」と意識的に大きく前傾し続けた場合、大きな負担がかかるのです。
たくさんの書類を読むことは、眼球そのものや精神面に大きな疲れをもたらすもの。しかしそれだけではなく、筋肉にも大きな負担を強いることになるというわけです。
そこで書類仕事のあとには、広頸筋(こうけいきん)と舌骨下筋群(ぜっこつかきんぐん)という2つの筋肉を伸ばしたいところ。
どちらも、あごから首にかけてついているそうです。

書類を読んでいる間は常に縮み続けているため、硬くなってしまいがち。
したがって書類を読みすぎ、「首が重い」「疲れた」と感じたら、この2つの筋肉をゆっくり伸ばそうと著者は提案しています。(66ページより)
このようにイラストつきでわかりやすく解説されているため、簡単にストレッチすることが可能。
継続してみれば、首・肩・背中の疲れを緩和できるかもしれません。
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Photo: 印南敦史
Source: ダイヤモンド社