心理技術アドバイザー/メンタルトレーナーである著者によれば、『無意識を鍛える』(梯谷幸司 著、フォレスト出版)は「潜在意識」、さらには私たちのすべてをコントロールしているという「メタ意識」の領域にアプローチし、「無意識を鍛える」ための実践的な方法を明かした書籍なのだそうです。
冒頭部分で、著者は興味深い主張をしています。「潜在意識は、腕のいいタクシー運転手に似ている」と。
行き先を告げれば、確実に連れて行ってくれる。
しかし、「結局、どこに行きたいのか」、あるいは目的そのものが曖昧だったりすると、目的地に連れて行くことはできないということ。
目的が明確でないと、脳も潜在意識もなにをしたらいいのか理解できないわけです。
そんな考え方に基づく本書のテーマは、「メタ意識」をと見に活用することなのだとか。
とはいえ、単にお金を稼ぐことだけを目的にしているわけではないようです。
「富を集め、充実させる人格をつくる」方法を伝えたいのです。ここでいう「富」とはお金のことだけではありません。富をもたらす人、チャンス、環境、考え方、健康状態……ありとあらゆる事象に「無意識」は関与します。 与えられた役割、生きる目的を充実させ、全うしていく。そのために必要なリソースの集め方をトレーニングしていくプログラムです。(「はじめに 潜在意識は腕の良いタクシー運転手」より)
「イントロダクション/『無意識』を人生の味方につける」、のなかから、基本的な考え方を抜き出してみることにしましょう。
「限界」という思い込みが、高収入を得られることを妨げている
ここで著者は読者に対し、「自分の個人年収の限界は、どのくらいだと思っているでしょうか?」と問いかけをしています。
もし「年収1000万円くらいが限界だ」と思っていたとしたら、900万円に手が届きそうになると、脳はブレーキをかけはじめるのだそうです。
潜在意識は、限界に近づきたくないものだというのがその理由。
だとすれば、限界を1000万円ではなく、3000万円にしておけばいいということになります。
そうすれば1000万円はただの通過点になってしまうため、すぐに超えてしまえるはずだからです。
ところが現実的には、誰しも漠然とした「限界」を自ら設定してしまっているもの。
しかし、そもそもその限界も、自分のなかにある“信じ込み”でしかないわけです。
潜在意識にとっては、1万円稼ぐのも1億円稼ぐのも同じです。 どちらも単に「お金を稼ぐ行為」として認識します。
ではなぜ、1万円を稼ぐのが簡単で、1億円稼ぐのは難しいのか? まさにこの言葉の中に答えがあります。
「1万円稼ぐのは簡単だけど、1億円稼ぐのは難しい」
(16ページより)
こうした信じ込みが、自分自身のなかにあることに問題があるのだということ。
いいかえれば、お金に関する信じ込みが、自分自身の可能性にブレーキをかけているというわけです。
年収300万円の人は、年収300万円の「器」、年収300万円の「人格」でいるから、300万円しか入ってきません。
年収1億円の人は、年収1億円の「器」、年収1億円の「人格」でいるから、1億円が入ってくる。ただそれだけの話です。(17ページより)
どういう人格でいるのか。それが投影され、現実が加工されていくという考え方です。(160ページより)
重要なのは「いけるかも」という感覚
著者はここで、「肩慣らしのウォーミングアップ・エクササイズ」を紹介しています。少し長いですが、引用してみましょう。
あなたが現在の身長のまま、10年後、どれくらいの個人年収になっているか、直感で考えてみてください。次に、あなたの身長が300メートルくらいになったとイメージしてみてください。東京タワーと同じくらいに巨人化し、世界中を歩き回っているところを想像しましょう。大股で東に行って、一度中心に戻り、今度は西に歩いてみてください。ジャンプして大陸に渡ったりします。巨人のまま歩きながら、世界中でビジネスをしています。このように巨人化した自分の10年後の個人年収は、どれくらいになっているでしょうか。それを想像してみてください。今の身長のままでビジネスをしている10年後と、巨人化した自分が世界中でビジネスをしている10年後。個人年収はどういう違いがありそうでしょうか。(25~26ページより)
ここで重要なのは、「現実をつくっていくのは記憶ではなく感覚」だということなのだそうです。
「現在の身長のままで行けば、10年後の個人年収は1000万円くらいかな」という感覚の人もいるかもしれません。
ところが巨人になって、世界中を飛び回ってビジネスをしているとなると、「1億円くらい軽くいくんじゃないかな?」「2~3億円はいけるかも」という感覚になるかもしれません。
そんな、「いけるかも」という感覚が重要なのだと著者はいうのです。(24ページより)
本書に書かれていることはこれからの時代、誰にとっても必須になってくるはずだと著者は断言しています。
人生をおもしろくしていくため、選ばれる人になっていくために、ぜひ活用してほしいとも。
人生をよりよいものにするために、参考にしてみてはいかがでしょうか?
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Photo: 印南敦史
Source: フォレスト出版