インターネットに接続されたデバイスは、「デジタル版のオフィス」であり、物理的な職場と同じ役割を果たします。
ファイルの場所がわからなくなって職場のあちこちを探し回るのは時間の無駄ですし、生産性の低下を招く原因です。
逆に、オフィスがきちんと整理整頓されていれば、どこに何があるのかがすぐに把握でき、作業効率が向上します。
そこで今回は、デジタルスペースを整理整頓して高い効率性を実現する方法を紹介していきましょう。
自分のデジタルスペースを管理することで得られるメリット

デジタルスペースは、あなたの私生活と仕事の一部です。
ときには、いくつものファイルやメッセージが散らばってしまい、コンピューターが思ったように動かなければ、ストレスもたまるでしょう。
画面上に情報があふれて手に負えなくなると、仕事をする気になれないかもしれません。そうした状況は、生産性に悪影響を及ぼします。
では、デジタルスペースを管理することには、どのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
1.効率と生産性が向上する
書類をオンラインで共有すると、それを受け取る相手が物理的にどこにいようとも、グループ作業や連携を円滑に進めることができます。ただし、そういったファイルが自分の画面上に散らばっていたら、役に立ちません。
デジタルスペースの管理がとりわけ重要となるのは、自宅に設けた仕事場で働いている場合です。
在宅勤務をしていると、どうしても疲れがたまりやすくなります。デジタルスペースを整理整頓し、必要な情報をいつでもすぐに見つけられるようにしておくと、効率と生産性が向上します。
たとえるなら、ほかに車が1台も走っていない道路を、誰にも邪魔されずにスムーズに運転するようなものです。目的地に早く到着できますよね。
デジタルスペースを管理できる無料ツールは各種あります。
GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシート、Googleドライブなどを使えば、クラウドにドキュメントを保存できますよ。
必要なときにいつでもドキュメントにアクセスできるので、画面に表示させておく必要はありません。
2.時間に余裕ができる
コンピューターの画面上が、ドキュメントだのウェブページだのでひしめき合っていると、必要なものを探し出すのに時間がかかってしまいます。その時間は、もっと有効に活用できるものです。
適切なデジタルツールを使ってデジタルスペースを管理し、もっとゆとりが持てるようにしましょう。そうしたツールには自動化できるものもあり、設定さえ済めば、ほとんど、あるいはまったく、何もする必要がありません。
たとえば、SNSへの投稿日時を事前に設定しておいて、自動配信することができます。
そのように事前に計画をしておけば、ほかのことをする時間の余裕が生まれますよね。仕事の時間が余分に生まれるだけでなく、友人や家族と一緒に過ごせる時間も十分に確保できるかもしれません。
3.集中力が維持できる
デジタルスペースに、ファイルやウェブサイトをたくさん表示させておく人は少なくありません。マルチタスクをしたいからです。複数作業を同時進行させれば生産性が向上すると思っているからですが、実際はその逆です。
マルチタスクは生産性の足を引っ張ります。一見すると、より多くの仕事をこなしているように思えるかもしれません。けれども実際は、こなしている作業量は減っているのです。
デジタルスペースをすっきりと整理整頓するためには、画面で開くファイルやウェブページを、その時点で取り組んでいるものだけに限る必要があります。
目の前のタスクに集中し、それが完了してから次の作業に移るわけです。
デジタルスペースの管理術5つ

デジタルスペースが散らかっていると、どうしてもストレスが溜まります。作業がまだ途中なのに、モチベーションが失われてしまいます。自分が怠惰なせいだと思うかもしれませんが、そうとは限りません。
人間の脳は、散らかった環境ではあまりうまく機能しないのです。
デジタルスペースをうまく管理したいと思っているなら、次に紹介する管理術が役立つはずですよ。
1.フォルダを目的別に作成する
ネットを閲覧していると、仕事に役立ちそうな情報やページが見つかることがあります。そういったものをせっせとダウンロードしていくうちに、デバイスはどんどん散らかっていきますよね。
デジタルスペースがすっきり整頓された状態を保ちたいなら、似たようなコンテンツをまとめて保存するためのフォルダを作っておくのも一案です。
コンテンツをあちこちに個別に保存しておかず、ごく少数のフォルダを作って、そこにまとめておきましょう。
そうすれば、ひとつのアイテムを探すためにデバイスの一般検索をかける必要もなくなり、とてもラクです。何か必要な情報があるとき、そのありかが把握できます。
2.「お気に入り」を活用する
「お気に入り」は、デバイス内のよく使うアプリやフォルダ、ファイルを見つけるのに便利です。
検索エンジンにも、頻繁に開くウェブサイトをお気に入りとして表示してくれるものがあります。ゼロから入力して探さなくても、自分のホームページ上に表示されているそのサイトをクリックするだけで、すぐに開くことができますよ。
3.不要になったコンテンツを削除する
不要になった写真や映画、ファイル、アプリを、いつまでもデバイスに残しておくのは無意味です。
オフィスや自宅を掃除する際に不用品を捨てるのと同じように、古くなったものや壊れたものは捨ててしまいましょう。
そうすれば余裕が生まれ、新しいものが入ってきても、散らかることはありません。古いものと新しいものをひとつ残らずデバイスに置いておこうとすれば、余裕やスペースがなくなってしまうでしょう。
4.データのバックアップを取る
デジタルスペースを管理するときは、必然的に、もう関係のなくなったファイルやドキュメントを削除することになります。となると、この際だからと、すぐにでもデバイスをフォーマットしたり、ファイルを削除したりしようと考えるかもしれません。
しかし、バックアップを取っていない場合には、重要な情報を失くすおそれがあります。
データをバックアップしておけば、デバイス自体を紛失した場合にも役立ちます。クラウドにバックアップを取っておけば、なおのこと便利です。
クラウドなら、いつでもどこでも遠隔でファイルなどにアクセスができます。
5.受信トレイをつねに整理しておく
メールの受信トレイにメッセージが残っていると、どうしても雑然としがちです。大事なメッセージにはきちんと目を通し、不要になったら削除して、新しいメッセージのためにスペースを空けておきましょう。
Gmailがアップデートを行い、以前よりラクに受信トレイを管理できるようになりました。メールやメッセージをミュートしたり、受信を一時停止したりすれば、集中しているときに邪魔が入りません。
受信トレイがすっきり片づいていると、返信する確率も上がります。異なるメールのカテゴリーも見やすくなるでしょう。未読メールがあればそれを読み、まだ返信していないメールの返事も書けます。