身近なもの、当たり前なものは、その価値に気づかないことがあります。まさに灯台何とやら。
日本ではおなじみの銭湯も、改めて振り返るに値する文化ではないでしょうか。
失われつつある地域や別世代とのコミュニケーションにも一役買い、お湯を共有するという日本ならではのシェアリングエコノミーのかたちとも言えるでしょう。

そのようなことを、近々始まる牛乳石鹼共進社株式会社とビームス・ジャパンのコラボイベント「銭湯のススメ」の発表会に参加して感じました。
なぜいま銭湯なのか

このイベントは、日本の古き良き銭湯文化を発信すべく、ビームス・ジャパンを中心としてスタートしたプロジェクト。
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ポップアップショップや限定アイテム、銭湯の楽しみ方を伝える情報誌の発行、そして都内の銭湯をジャックしたスタンプラリーなどが実施されます。

東京・上野の「寿湯」では、イベント開催に先立ちメディア向けお披露目会が実施されました。まさか銭湯内で記者会見が行われる日がこようとは…。
牛乳石鹸のマーケティング部主任・宮崎清伍さんによると、今年で110年を迎える同社が企画を模索しているタイミングで、ビームス・ジャパンからコラボのお話をいただいたとのこと。

国内のモノ・コト・ヒトをピックして海外に発信するビームス・ジャパンの活動と、日本の銭湯文化の親和性には以前から注目していたそうです。
ビームス・ジャパンは、過去に道後温泉や別府温泉ともコラボしています。
老舗石鹸ブランドとBEAMS。コラボの理由は?

牛乳石鹸は昭和30年頃から全国の銭湯にノベルティーを提供してきましたが、どうしてもユーザーとの接点が限られがちでした。
今回のビームス・ジャパンとのコラボは、今まで接点がなかったユーザーへのアプローチにもなり、新規層による銭湯の活性化にも繋がるでしょう。

さらに、東京都公衆浴場商業協同組合も今回のイベントに全面協力。イラストレーターの長場雄さんが描き下ろしたオリジナル暖簾で、約550店にもおよぶ都内の銭湯をジャックします。
抽選でオリジナルグッズが当たるスタンプラリーも開催されるので、ジャックされた銭湯を渡り歩くのも楽しそうです。

同組合の石田眞さんはこう言います。
国内の銭湯の数は最盛期に比べると1/5まで減少しており、存続のためには若い世代を取り込む必要があります。
日本の良き文化である銭湯を多方面から盛り上げていく意味でも、今回のコラボは意義深いといえるかもしれませんね。

また、「寿湯」の壁面には銭湯絵師の田中みずきさんによる期間限定の銭湯絵がダイナミックに描かれています。
なんでも、銭湯絵師は現状日本で3人しかいないとのことで、今回の絵は一般的な銭湯絵と違い墨一色で仕上げたそうです。
見慣れた銭湯の景色が、ちょっと特別な空間に感じられますね。
オリジナルグッズも展開

「寿湯」では、イベントのために作られたコラボグッズも展示されていました。

これらのグッズは、新宿の「ビームス ジャパン」、大阪の「ビームス ストリート 梅田」、およびオンラインショップでも販売されます。

見慣れた牛乳石鹸にパッケージも、BEAMSらしい橙カラーに。
サラリーマンが昼間の銭湯を満喫するドラマ「昼のセント酒」や、さびれた銭湯を舞台とした漫画「下町銭湯家族」など、近年は銭湯を題材とした作品も増えてきた気がします。
ちょっと前だと「テルマエ・ロマエ」でしょうか?
お風呂というテーマは、僕たちの心と体に馴染みやすいのかもしれませんね。


そして、馴染みやすいからこそ、その価値に気付きにくいという一面もさもありなん。


ファッションという若々しいカルチャーをもつビームスと、明治42年から銭湯の歴史とともに歩いてきた牛乳石鹸。
それぞれの魅力が、素敵な化学反応を起こしていると感じました。
2月19日までの期間限定!



コラボイベント「銭湯のススメ」は、2019年1月18日(金)〜2月19日(火)までの期間限定で開催されます(スタンプラリーは3月31日まで)。
庶民の憩いの場である銭湯の魅力を、改めて感じてみませんか?
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Image: ヤマダユウス型, ライフハッカー[日本版]編集部・岸田