普段食事をするとき、食べている「感覚」をどのくらい意識していますか?
筆者も含め、多くの人が何も気にせず食べているのではないでしょうか。
VRを使ってそんな「感覚」に焦点を当てたサービスが、「THE SUSHI DEVICE」です。VR映像を見ながらバターでできた「寿司デバイス」を食べるという、全く新しいエンタメなんです。
今回は、実際に体験した感覚と、そこから感じたVR×食の可能性をレポートします。

バターでできた「寿司」型デバイス

「THE SUSHI DEVICE」は、バター専門ブランド「CANOBLE」を展開するナショナルデパートがβ版として販売を開始したアイテム。
寿司といっても、バターやチョコレート、クリームを使った甘いお菓子です。
バターチョコレートの「シャリ」に、ピスタチオやキャラメルなど各6種類のフレーバーの「ネタ」と「サビ」を組み合わせてあり、表面の形状もひとつひとつ異なります。

本体は小さめのひとくちサイズ。
冷凍保存の商品ですが、バターなので室温に出したり手で触ったりするとすぐに溶けてきます。食べる直前まで冷凍庫に入れておき、直接触らないようにサッと箱から取り出すのがよさそうです。

映像の視聴には、スマホを装着して使うタイプのVRゴーグルがあればOK。写真はエレコムの数千円のアイテムですが、簡易なものなら100円ショップでも入手できます。
スマホで動画を開き、ゴーグルにセットして準備完了。4K画質での再生とイヤホンの使用が推奨されています。
映像に合わせて口溶けがすすむ!
いよいよ実際に体験してみました。まずは、赤いお寿司に挑戦!

動画内の合図に合わせて、「寿司デバイス」を口の中に入れると、水音のような幻想的な音と、水中に絵の具を落としたような映像がスタートします。
バターが溶けて味が変わるタイミングで、音や映像も変化。「口の中」を可視化されている不思議な感覚を得られます。
ちなみにVR映像は、雰囲気の異なる2パターンが用意されています。
さらに、販売ページの説明によると、「上下を変えて口に含むことで味わいが変わります」とのこと。映像の種類と口に入れる向きの組み合わせを変えると、違った感覚を得られるそう。
残りの5つも楽しみに味わいたいと思います。
口の中が可視化されるような不思議な感覚
普段ものを食べるとき、大ざっぱな「味」は意識していても、繊細な「食感」や「香り」まで意識することはありません。
VR映像と音が加わることで、普段は目を向けない感覚に集中でき、「食べる」という日常の行為がエンタメになるのだと感じました。
「VR×食」の組みあわせは、「食べる」ことを新鮮な体験に変える大きな可能性を秘めていそうです。