2021年の「Apple Design Awards」受賞作のひとつ「Bird Alone」。画面内の鳥とコミュニケーションを取りながら関係を築いていくゲームです。
人との会話がしづらい時代の癒やしになってくれそうなので、実際に遊んでみました。
2021年の「優れたアプリ」に選出
Appleは毎年、各領域での12の優れたアプリとゲームを選出する「Apple Design Awards」を発表しています。
10日に発表された2021年の受賞作には、PDFやウェブページを音声で読み上げる「Voice Dream Reader」、自然保護区の野生動物を救ったりゴミを掃除したりするゲーム「Alba」、高精細なグラフィックが特徴のアクションゲーム「原神」などがラインナップ。
喜びと楽しさのカテゴリーでは、以前レビューした日本人デベロッパのらくがきARがファイナリストに選ばれています!
不調な日は、鳥が励ましてくれる「Bird Alone」
「Bird Alone」は、直感的なインターフェイスと簡単な操作を提供するアプリが選ばれる「インタラクション」部門を受賞。370円の有料アプリで、iPadやAndroid版も提供されています。
アプリの使い方
最初にアプリを起動し、自分の名前を登録するとオウムのような鳥が現れます。続いて、鳥が自分に名前をつけてほしいと言うので「とりた」と命名。

鳥のセリフは、画面に表示されるテキストと鳴き声のような抑揚のある音で表現されています。
実際に日本語の音声として聞こえてくるわけではありませんが、喜びや感動を表すときはカラフルで大きな文字になったり、鳥がポーズで表現したりするので、きちんと会話ができているような感覚になれます。
その日の調子を聞かれ、「わりとダメな感じ」を選ぶと、励ましてくれました。

その後は、画面内にペイントツールが出現。好きなものを描いてほしいということのようです。描き終えると独特の言い回しで評価してくれました。

プッシュ通知の許可を求める流れもユニーク。ちゃんと鳥との会話になっています。これは許可したくなりますね。

1日にできることが限られている
そして、このアプリの大きな特徴が、1日にできることが数個に限られている点です。初日はここまで遊んだところで「また明日」と言われてしまいました。

詩を書いたり音楽を作る遊びも
鳥とのアクティビティには、いくつかのバリエーションが用意されています。
2日目は「詩を書いたけれど完成させられない。なにが足りないのか教えてほしい」と言われ、最初の一行が空白になった詩が表示されました。かなり謎めいた内容です。
空白部分は選択式ではなく、キーボードから任意のテキストを入力可能。完成するとオーバーなアクションで絶賛した後、歌ってくれました。

続いて滝の流れる画面に移動。滝の部分に触れると音が鳴り、タップ箇所に応じて音階が変わります。
演奏が終わると植物の芽が出現し、庭の好きな場所に植えることができます。この演奏と芽を植える操作は毎日行えるようです。

なお、一度「また後で」と言われた後でも、鳥から通知が送られてくれば遊ぶことが可能。通知なのにうっとうしさがなく、むしろ「待ってました」という気分になります。
思い通りにならない「生き物らしさ」が魅力
鳥と遊べるのは1日に10分程度。ゲームとしては少々物足りない気もしますが、自分の思い通りにならないところに「生き物ぽっさ」があり、それが逆に魅力になっていると感じました。
ただしこのアプリ、単なる癒やし系ペットゲームというわけでもなさそうです。
App Storeの説明には、「親友と共に成長と喪失の旅」「サイコウのトモダチ一緒に、老いていく重さと向かい合っていこう」などの意味深な記述が……
さらに、「Bird Aloneには死についての内容や表現が含まれています」という注意書きもあり、この先プレイを続けると何が起きるのか少々不安ではありますが、それでも遊び続けたくなる不思議な魅力のあるアプリです。