手帳は毎年新しいモデルが各社から登場します。
そもそも現在のようなスタイルの手帳が大々的に販売され、新モデルが毎年登場するような状況は実は最近のことです。
そのあたりの事情は拙著『手帳と日本人―私たちはいつから予定を管理してきたか』(NHK出版新書)で述べたので、詳しくはそちらをご覧ください。
そして古色蒼然としたツールのように思われている手帳にも、変化の波が押し寄せています。
それが、ログ機能です。
今回紹介する「NOLTY エクリ Plus B6-7」は、同社の「NOLTY エクリB6-7」(こちらも継続)をベースにした発展バージョン。
そのうえで、紙の記録媒体である手帳に、ログや記録の機能を持たせたタイプです。
まさに今後の手帳のかたちを占う上での過渡的なモデルと言えそうです。
では、具体的な構成を見ていきましょう。
まず1年の計画からはじめる

年間カレンダーに続くページは、「Monthly Plan」。
片ページ6カ月で、1月から12月までのおおよそのプランを書く横罫の欄があります。
続く「Plan List」は、チェックボックスが並びます。ToDoリストのようですが、それ以外の用途でも使えそうです。こちらは全部で96項目の記入欄が、12の区域に分かれています。

これが予定記入欄よりも前に配置されているのは、年頭に書くことを念頭に置いているからなのだと思われます。
新しい年がはじまる前に、毎月のビジョンを書き、またやるべき事・やりたいことをリストアップすることに意味がある。
このページ構成はそれを示唆しています。
堅実なレイアウトの予定記入欄
続く予定記入欄は、ベースとなったモデル・エクリB6-7と同様です。
すなわち、
- 月間ブロックもプレーンな無地。一日欄は横方向のドットで一日の2分割が可能。
- 週間バーチカルは7時から24時までと、いたって普通。メモ欄が右ページの5分の3ほどあります。さらに、両ページにまたがって下部6分の1ほどの横長のメモ欄があります。
といった感じです。特に週間ページのメモ欄は、縦横に配置されて便利です。
特別凝ったつくりではない分、使い手の工夫の余地が広いと言えるでしょう。
巻末に5パターンのログページを新設

巻末にも新設されたページがあります。
まず「Log List」は、本、映画、買い物などの記録。
タイトルを記入し、ドット方眼のメモ欄に詳細を書きます。1ページが4マスに区切られ、合計8ページあります。
体調管理の「Helth Check Memo」と「Helth Check Calender」、そして日本地図と世界地図。これはいずれも白地図です。

さらに最後のページは、ID&Passwordリストになっています。
この部分は、新しい年になって日々の生活の中で記録していくページなのでしょう。そのため、予定記入欄のあとに配置されているのだと思います。

このように単にページを増設しただけでなく、その配置まで熟考して構築されたのがこのNOLTYエクリB6プラスなのです。
2023年の手帳はライフログを記録したい。ただしログ中心にフォーカスした手帳はちょっと、気持ち的に“重い”。
そんなふうに考えている人には、うってつけの1冊だと言えるでしょう。