メモ帳やノートを使うとき、無意識に1つのテーマでまとめようとしていませんか?
それはきっと学生時代に、教科ごとに1冊のノートを使うよう教わっていたから、その習慣が無意識に染みついているのだと思います。
しかし、今回ご紹介する「情報カード」を活用すれば、この「1冊につき1テーマ」というルールは絶対ではないことがよく分かると思います。
情報カードは、現在の応用的な文房具の使い方を決定づけた重要なアイテムです。
物理的にデータを蓄積し、再構成するツール

情報カードは、その名のとおり情報を書き込んで貯めていくためのカードです。
サイズは、手に馴染みやすいB6サイズから名刺サイズまで。無地から方眼、横罫などのバリエーションも用意されています。
また、紙質もメモ用紙などよりもしっかりした厚みがありますので、長期保管にも向いていますね。
このカードは1枚ごとに、1つのアイデアを記入。これを集積・組み合わせて新たなアイデアを生み出すのに使うことが出来ます。
今でこそ、そういったアイデア生産のためのデジタルツールがたくさんありますが、かつてアナログツールしかなかった時代には、この情報カードが幅広く支持されてきました。
そのきっかけになったのが『知的生産の技術』(梅棹忠夫著、岩波新書)です。
では、そこで紹介されたカードの使い方を簡単に説明しましょう。
まず、情報カード1枚に、1つのテーマに関するメモを「ミニ論文」のように書き込みます。この際、必ず見出しと日付を入れるようにしてください。
そして、書いたカードを蓄積していきます。それらカード同士を組み合わせることで新しい発見が生まれるのです。
デジタル時代の今、わざわざ紙の情報カードを使う意味は薄いと思われるかもしれません。
しかし、この情報カード活用の考え方が、システム手帳のリフィルや、ブレインストーミングにおけるふせんの活用法などの基礎となっているのです。
紙の「強さ」がもたらす機能性
情報カードの特徴として、1枚での運用や、長期間の保存が前提になっていることが挙げられます。そのため紙にコシがあり、メモ用紙などと比較すると厚みがあります。
この特徴は、以下のようなシーンでも役立ちます。
まず、ラフに扱えるメモ用紙として使えます。ジャケットの内ポケットやかばんのポケットに何枚か裸のままで入れておいても、そう簡単にいたむことはありません。
次に、対面のミーティングでも役立ちます。たとえば、互いの発言の要旨をそれぞれカードに書いて付き合わせたりすることができます。
強度のある情報カードは受け渡しを繰り返しても、紙はピンとした状態を保ち、しわが寄ったり折れたりしません。リアルで対面しての打ち合わせのテクニックの1つとして、情報カードを使う方法を覚えておいて損はないと思います。
そしてこの延長線上にある活用方法が、ミーティングにおけるふせんを使ったブレインストーミングというわけです。
違いは、紙としてのコシの有無と、裏面のノリの有無です。この情報カードとふせんの違いは、場面に応じて使い分けるものと考えればいいでしょう。
このように情報カードの使い方を知ると、ふせんやシステム手帳のリフィル、そして以前取り上げたルーズリーフミニにも応用できることがわかります。それこそが情報カードを使うことの最大のメリットかもしれませんね。