インターネットを利用したMOOC(大規模公開オンライン講座)があちこちに登場しています。先日は日本のMOOCで、無料のオンライン講座を提供しているgaccoを紹介しました。
今回は、子どもの学習から大人の留学準備まで使えるアメリカのMOOCをご紹介しましょう。
小学生から大人まで利用できる「カーンアカデミー」

アメリカで暮らす私は、子どもの学習にカーンアカデミーを利用しています。使い始めて6、7年になります。
この講座がアメリカで一躍知られるようになったのは、ビル・ゲイツが自分の子どもたちに使わせていたと公表してからでしょう。
ビルの賛同を受け、ビル&メリンダ・ゲイツ財団もずっと寄付をしている非営利の教育団体。
モットーは、「あなたは何でも学ぶことができます。無料で、誰にでも、いつまでも」で、世界レベルの教育をどこの誰にでも無料で提供することをミッションとしています。
その魅力のひとつは、多くの講座を担当している設立者のサルマン・カーンさん。
デジタル黒板でいろいろな色を駆使しながら、なんども単語や文章を繰り返してわかりやすく説明してくれます。
講座は英語ですが、トランスクリプト(音声の文字起こし)もあるので、それを見ながら視聴することも可能ですから、アメリカに留学する予定や夢がある人にはとくに役立ちそうです。
充実の科目、企業とのコラボ講座もあり

扱われている科目は、算数、数学、生物、歴史、美術、物理、金融、経済など多岐にわたっています。
たとえば、算数はアメリカの幼稚園から大学教養課程レベルまで網羅されています。
また、高校生向けに、アメリカ大学進学に必要な標準テストの受験勉強講座もばっちり。ほとんどの動画は大人の学びにも使えます。
カーンアカデミーが単なる学校の勉強を補うことにとどまっていないのは、NASAやピクサーなどの企業や団体とのコラボ講座が増えていることからもよくわかります。
もしアニメ制作に興味があれば、ピクサーの動画で英語もアニメも学ぶという一石二鳥もありです。恐竜など自然科学系なら、ニューヨークに行かずしてニューヨークのアメリカ自然史博物館の講座が視聴できるんです。
日本語訳つきの動画もあります
それほど多くはありませんが、日本語の音声になっている動画もあります。こちらのリンクからチェックできます。
進級のためのテストなどはなく、受講生が自分のペースで興味のある科目から進めていけるカーンアカデミー。
また、どんどん講座や動画は増えているので、ひとつのコースを終えたと思っていても新しい講義が追加されることもあります。
それを見る度に、学びに終わりはないのだなと思います。この時代、お金や特別なツールがなくても、どこにいても学ぶことはいつだって可能なのです。
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Image: Ramin Talaie/Getty Images
Source: Khan Academy