Wi-Fi(ワイファイ)は、もはやあって当たり前のものになっています。Wi-Fiのおかげで、パソコンやスマホをインターネットにつないで楽しむことができるし、いつでもどこでも仕事をすることができるわけです。

つまり、現代を生きる私たちにとって、Wi-Fiは必要不可欠な存在だということです。

つまり、Wi-Fiのスピードが遅くなったりつながらなくなったり、あらゆることに支障が生じるようになります。

Wi-Fiが突然遅くなったり、接続が切れたりするようになったら、できるだけ早く対策をとる必要があります。とはいえ、残念ながら、Wi-Fiが遅くなった原因を特定するのは簡単なことではありません。

今回は、遅くなったWi-Fiの原因を突き止めるために、チェックすべき4つのポイントを解説します。

1. Wi-Fi ルーターの位置が原因

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Image: ronstik/Depositphotos

多くの人は、Wi-Fiルーターを適切な場所に設置することの重要性を過小評価しています。

位置を少し変えただけで、Wi-Fiの速度が低下したり、遅くなったりすることもあります。

ルーターを置く高さは十分か?

おそらくあなたも、その他大勢の人と同じく、新しいルーターを箱から出したら、電源コンセントが近くにある置きやすそうな場所に、あまり考えずに設置しているのではないでしょうか?

たとえば、棚やデスクの上、もしかすると床に置いている人もいるかもしれません。ルーターは高さが重要です。ルーターを床や物陰に設置すると、たいていの場合、パフォーマンスが著しく低下します。

ルーターをできるだけ高い位置に設置して、電波が届く範囲を広げるようにしてください。また、高い位置に置くことで、電波の干渉も受けづらくなります。

コンクリートや金属に囲まれていないか?

コンクリートや金属は、Wi-Fiシグナルにとって最大の障害物になりえます。

たとえば、ファラデーケージは、電磁フィールドをブロックするために金属を使っています(ファラデーケージはRFIDハッキング防止にも使える)。

また、ルーターを大量のコンクリートで囲まれた地下室に設置するのもNGです。

さらに、コンクリートや金属だけでなく、そのほかの物質もWi-Fiネットワークのパフォーマンスを低下させる要因となることがあります。大きな物体でルーターが遮へいされていないことを確かめてください。

ルーターからの距離は?

ルーターから離れれば離れるほど、Wi-Fiシグナルは弱くなります。

ですので、ルーターは使用するデバイスのできるだけ近くに設置することが理想。ただしこれは、Wi-Fiをよく使う場所が1つに限定されているときのみにあてはまるアドバイスです。

家のさまざまな場所でWi-Fiを使う場合は、ルーターを家の中央近くに設置する必要があります。

Wi-Fiは360度の方向にブロードキャストされますので、家の角に設置するのは合理的ではありません。

また、ルーターのブロードキャスト能力が低かったり、家がかなり広い場合は、Wi-Fiの電波が届く範囲を広げてやる必要があります。Wi-Fi中継機やWi‐Fi信号増幅器を使うことで、電波範囲を広げることができます。

ルーターの配置についてもっと科学的に追求したいという人は、ロンドンのソフトウェアエンジニアJason Cole氏が行ったこちらの実験を参照してください。

同氏は、新しいアパートに引っ越した後、部屋の中野Wi-Fiが届きやすい場所と、届きにくい場所を、数学的にモデル化しました。

同氏が開発したアプリ『WiFi Solver』を使えば、あなたの家でも同じことができます。このアプリは現在のところ、AndroidとChrome OSで利用できます。

Download:『WiFi Solver』 Android | Chrome OS(無料)

2. 電子レンジやスマホからの無線干渉とノイズが原因

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Image: kytalpa/Depositphotos

たとえ感じられなくても、そこかしこに無線シグナルが飛び交っていて、あなたの体を通り抜けています。こうしたシグナルは、電子デバイスやWi-Fiルーター、スマホ、衛星、携帯基地局などから発信されています。

Wi-Fiは通常、こうしたデバイスとは異なる周波数で動作しますが、ラジオノイズが大量にあると、干渉が発生する可能性があります。

以下に一般的に考えられる干渉の原因を紹介しますので、影響を最小限にするよう対策をとってみてください。

電子レンジ

電子レンジはWi-Fiネットワークに干渉を引き起こすことがわかっています。これはとくに、旧式のルーターでよく見られます。電子レンジが動作する周波数2.45GHzが、Wi-Fiの帯域である2.4GHzに非常に近いためです。

2.4GHzのWi-Fi帯域といっても、実際には、2.412GHz〜2.472GHzの範囲でブロードキャストされるため、まれに、電子レンジの周波数がWi-Fiの周波数と重なることがあります。

そうしたことが起きると、ルーターのデータ転送が妨害されてしまいます。もっとも、ほとんどの電子レンジはシールドが内蔵されており、電波が外に漏れないようになっています。

とはいえ、シールドの性能が不十分なレンジでは、干渉が発生する可能性があります。

Bluetoothデバイス

もう1つの一般的なワイヤレス接続であるBluetoothも、2.4GHzで動作します。基本的には、適切に設計されたBluetoothデバイスは、干渉を防ぐようにシールドされています。

周波数の衝突を避けるために、Bluetooth製造業者は周波数ホッピング方式を採用しています。シグナルが、70の異なるチャネル間をランダムにローテーションし、毎秒1600回のチャネル切り替えが行なわれます。

最近のBluetoothデバイスには、現在使われているチャネルを識別し、回避する機能がついています。とはいえ、干渉が発生する可能性がないわけではないので、ルータはできるだけBluetoothデバイスから離すようにしてください。

Bluetoothデバイスをオフにして、問題の原因がBluetoothでないことを確かめてください。とくに、チャネル管理機能のない旧式のBluetoothデバイスは要注意です。

クリスマス・ライト(電飾)

不思議なことに、クリスマスのライト(またはフェアリーライト)が、Wi-Fiが遅くなった真犯人であったというケースもあります。この問題は、ライトが発生させる電磁フィールドと、Wi-Fiバンドとが相互作用することで発生します。フラッシングライトはとくに注意が必要です。

また、最新のLEDライトも安心できません。LEDストリングの中には、ランプの中に点滅するチップが埋め込まれていて、チップが発生させる電磁フォールドが、Wi-Fi電波と干渉を起こします。

実際には、どのような種類の電子ライトも、電磁フィールドによる干渉を引き起こす可能性がありますが、たいていの場合、影響はごくわずかです。

とはいえ、ルーターは電子ライトからできるだけ遠ざけたほうがいいでしょう。

バックグラウンド・ノイズ

情報デザイナーのRichard Vijgen氏が開発した『Architecture of Radio』というアプリがあります。

このアプリは、衛星や携帯基地局からの情報と、Wi-Fi情報、GPSの位置情報を利用して、自分の周囲にある目に見えないシグナルをマッピングしてくれます。

このアプリは測定ツールではありませんが、自分の周りにあるデジタル信号を視覚化するのに役立ちます。

Download:『Architecture of Radio』 AndroidiOS ($3)

3. 隣の家や部屋のWi-Fiルーターが原因

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Image: Hannamariah/Depositphotos

Wi-Fiネットワークを設置しているほとんどすべての家が、チャネルの重複という問題の要因となります。

この問題は、タウンハウスでも起こりえますが、数多くのルータが密集する住宅団地やマンションで特に発生しやすくなります。

チャネルの重複は、2.4GHzだけを使用するルーターや、2.4GHzの無線シグナルしか受信できないデバイスを使用しているときに問題となりやすくなります。

送受信できるチャネルが14個しかないためです。同じ周波数の同じチャネルでブロードキャストするルーターが2台あると、互いに干渉を起こします。

ですので、ルーターの設定で適切なチャネルを選ぶことが重要です。最近のルーターなら、自動でチャネルを選んでくれますが、最適なチャネルを自分で見つけるほうがいいケースもあります。

また、誰かが許可なしにあなたのネットワークにつなごうとしている可能性もあります。

セキュリティとしても問題ですが、Wi-Fiが遅くなる原因にもなりえます。タダ乗りを防ぐ最善の方法は、ルーターに強固なパスワードを設定することです。特にWEP規格の弱いパスワードは簡単に破られてしまうので注意が必要です。

ルータを最新の状態に保ち、ネットワークに疑わしいデバイスが接続されていないか、定期的にチェックしてください。

4. 家の中にいる人間が原因

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Image: olly18/Depositphotos

パソコンで巨大なファイルをダウンロードしている最中ではありませんか?

Wi-Fiが遅いのはそのせいかもしれません。

大容量ファイルのダウンロードは、Wi-Fiのパフォーマンスに大きな打撃を与え、遅くしたりつながりにくくしたりする原因になります。

オペレーティングシステムのアップデートなど、どうしても避けられないケースもありますが、緊急ではないタスクを実行している場合は、ダウンロードを一旦停止してみてください。

また、同じネットワークに接続している友人、ルームメイト、家族などの誰かが、ゲームや動画など大きな帯域を専有するような何かを実行している可能性もあります。

その場合は、ルーターの設定でQoSを有効にすることで、自分の通信を優先させることができます。

人間の体は60%が水であり、水は電波を減衰させる作用があるため、人間もWi-Fi遅延の原因となる可能性があります。もちろん、家から人を追い出せと言っているわけではありません。

ただ、ルーターは、人が集まる場所から離れたところに置くべきだということです。影響は大きくありませんが、けっして無視はできません。

Wi-Fiが遅いときの対策方法は原因による

Wi-Fiが遅くなった原因を突き止めるのは簡単なことではありません。

ルーターの設置場所から、家の中にいる人間に至るまで、多くの可能性があります。物理的な要因をすべてつぶしたあとは、デジタルにも目を向けてみる必要があるかもしれません。

DNS設定を変更して、事態が改善するかを確かめてみてください。また、Wi-Fiが遅いと感じられるのが自分のスマートフォンだけなら、そちらのインターネット接続に原因があることも考えられます。

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Image: Depositphotos, Casezy idea/Shutterstock.com

Source: Google(1, 2, 3), Apple

Original Article: 4 Reasons Why Your Wi-Fi Is So Slow (And How to Fix Them) by MakeUseOf