「なりたい自分になるためには、まずなったつもりで振る舞え」という言葉は、短期的成功には役立つかもしれませんが、それで辛い状況にもなり得るということが科学的に示されています。

どんな分野であっても、やりはじめた当初は、ある程度の虚勢が必要不可欠かもしれません。しかし、自分を装い続けるとなると、かなりの心の負担となります。

あなたが目的とすべきは、自信があるように見せることではなく、本当の自信がもてるようになることです。

ではどうすればよいのでしょうか? 最近のTEDのブログで、心理学者のGuy Winch氏が、いくつかのパワフルな提案をしています。

1. アファメーション(自分に対する肯定的な声かけ)は適切に

「ポジティブなセルフトークは大きな効果を発揮することが多いのですが、この手のアファメーションは気をつけないと失敗する」とWinch氏は説明しています。

すでに自己肯定感がとても高い人なら、たとえば「絶対大成功する!」というような、自分を鼓舞する言葉を、自分にかけても問題ありません。

しかし、自分の価値を認められずに苦労している人が、そのような非現実的な大言壮語をしたら、おそらく裏目に出てしまうでしょう。

そんな人は、自分にも現実味を帯びて聞こえるように、アファメーションの言葉を調整しましょう。たとえば「成功するまで頑張るぞ!」ならいいのでは、とWinch 氏は提案しています。

2. 友達に語りかけるように自分に語りかける

自信のない人は、他人には絶対に言わないようなきついことを自分自身に言ってしまいがちです。

自分が短所だと思っていることを内なる批評家がつついてきたら、Winch氏は次のように提案しています。

もし大事な友達が同じような状況にあったら、自分はその人にどんな言葉をかけるかと自問し、その言葉を自分にかけましょう。

3. 書くことで自信を高める

自信が本当にぐらついているようなときは、もう少し突っ込んだ対策をとって、自分の良い部分を積極的に再認識する必要があります。

そのためにWinch氏がすすめるのは、特定領域に関連する自分の長所をリストに書き出すことです。

そして、毎日1項目について、なぜその特徴が重要なのかを、1~2段落ずつ書いていくのです。

自信のある人は他人にもやさしい

もう1つ言及しておきたい大事なことは、本当の深い自信を身につけると、自分がより幸せになったり、成功に役立ったりするだけでなく、いい人にもなれるということです。

「人より"秀でたい"という欲求は、実は、自分の強みではなく、弱みから生じるものだ」というスマートな指摘もあります。

それは裏を返せば、人にやさしくし、相手の全体的な人間性をじっくり見ようとすることは、本当の自信から生じることであり、また、本当の自信を育てる手段でもあるのではないでしょうか。


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