家計再生コンサルタント横山光昭さんに聞く家計の見直し連載。今月は、お金の増減が激しくなってしまった時の調整のコツ、新しい家計へのアップデートについて教えていただきました。


自粛が続いた緊急事態期間が終わり、年末を迎えます。師走という時期もあり、街は人出が多く、活気が戻ってきたように感じます。

昨年のコロナ禍では、収入減に加え、自粛の影響で外出や外食、飲み会、旅行、レジャーが減り、年末らしくない年末でしたから、以前にかなり近づいたことは喜ばしいことです。

今年は、自粛生活への慣れもありましたが、緊急事態が明けたあとの「支出増」が家計面では気になるところ。今までの我慢が爆発するように、買い物している人もいるのではないでしょうか。

ここは、コントロールが必要なところとなるでしょう。この年末はお金の使いすぎに用心です。

コロナ禍で増えた支出は、簡単に減らない

コロナ禍、外出自粛で、私たちの暮らし方は変わりました。家の外へ向かう支出が減り、自宅で過ごすための家具家電外食を我慢するための少し良い食材デリバリーや、マスク、消毒薬等にかかる日用品代などが増えました。

ネットショッピングをする機会も大きく増えたのではないでしょうか。このように、習慣を変えるような支出の変化は、元に戻すことは容易ではありません

マスクや消毒薬はまだ必要ですし、デリバリーやテイクアウトなども、まだ需要があります。自宅にいながら買い物ができる環境に慣れ、手放しがたくなっていることもあるでしょう。

コロナ禍で増えてしまった支出は、減らせる見通しが立てにくいものです。その状況で、「ボーナスが出たから買い物だ」「リベンジ消費だ」と散財していると、家計のバランスは崩れてしまいます

もちろん、今まで休業、時短でがんばってきた企業を応援し、経済を回すために消費しているといった考え方もあるでしょう。ですが、家計状況に合わせ支出を加減しないと、あとで痛い思いをするかもしれません。

キーボードとダンボールの画像
Image: Shutterstock

消費・浪費・投資を基本に家計管理を  

支出の状況がわかりにくくなった時ほど、お金の管理は「消費」「浪費」「投資のモノサシで管理することをおすすめします。金額だけではなく「使い方の価値」でみることです。

状況が変化しても、お金の管理の基本は変わりません。費目よりも支出の意味で管理する「家計の三分法」なので、理想的な割合を守れていれば支出の仕方は問いません。

家計の三分法とは、支出を以下の3つの意味で測ることです。

1. 消費(生きるために必要な支出)

2. 浪費(いわゆる無駄遣い)

3. 投資(貯金、金融投資、自己投資など)

理想割合は「消費:70、浪費:5、投資:25」(世帯年収800万円程度までのご家庭)。

「今まで我慢したから、このくらい買ってもいいよね」などの一時的な支出は、計画的であれば問題ありません。

これよりも、ずるずると増え続ける支出が、消費なのか、浪費なのか、投資なのか。それが大切です。

もし5%を超えてしまう「浪費」であるならば、削減することを検討すべきですし、削減できない「消費」なら、ほかの費目を下げてバランスをとります。いかに帳尻を合わせていくか、工夫をしながらコントロールをしていくのです

自分なりの新しい基準で家計全体のバランスを考え、それに向かいコントロールすることが、今やるべきお金の管理。アフターコロナといわれる今時期のお金の乱れを乗り越える方法の1つです。

お金の管理は、随時アップデートを  

コロナ禍のように支出の増減があるなど、お金の流れが変わるときは、支出の記録を付けることが大切になります。コロナ禍に限らず、普段の生活でも家族構成が変わったり、転居することで支出の仕方は変わります。

支出の仕方が変わった時には、当たり前で地味なことですが、今の支出の流れがどうなっているのかを知るために、しばらく記録をしてみるのがよいのです。

そして、その記録を振り返り、「今の暮らし方」で必要といえる支出、そうではない支出を見極めていきましょう

暮らしに必要なものも変わってきていますから、「新しい家計をつくる」くらいの気持ちでもよいでしょう。

お金を管理するうえで大切なのは、収入のなかで支出が収まることで、以前と同じである、理想の割合と合っているということは必要ではありません。

収入のなかで支出が収まりつつ、ご家族の必要なところへしっかりとお金をかけられ、さほど必要ではない支出は節約することが大切です。


コロナ禍では、感染防止の観点からもキャッシュレス決済が増え、お金のかたちも変わりました。感覚的に「お金を払った」「支出を管理する」ということが、あと回しになってしまう状況でもあったように思います。

このあたりを是正し、支出のコントロールや決済の仕方などは、現状に合わせ、アップデートしていきましょう。 これが、今年の年末にやっておきたいお金の管理。

今の時代に、より適切な支出のコントロール法を見つけたいものですね。


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横山光昭(よこやま・みつあき)

家計再生コンサルタント、株式会社マイエフピー代表。お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の確実な再生をめざし、個別の相談・指導に高い評価を受けている。これまでの相談件数は23,000件を突破。書籍・雑誌への執筆、講演も多数。著書は60万部を超える『はじめての人のための3000円投資生活』や『年収200万円からの貯金生活宣言』を代表作とし、著作は累計330万部となる。