果たしてあなたの10年後は安泰でしょうか? 今こそ、キャリアを真剣に考えてみませんか?

ビジネスの世界で「VUCAの時代(予想困難な時代)」と言われはじめたのが2010年前後のこと。経団連の中西会長(当時)が「終身雇用を続けるのは難しい」と表明したのが2019年。さらに脱炭素化、DX化がすすむ現在、今後の雇用環境の変化はますます加速すると見立てて間違いないでしょう。

でも、仮に努力して資格を取得したからといって安泰とは言い切れません。それよりももっと大事なことがあります。それは、ポータブルスキルを獲得しておくこと。業種や職種が変わっても持ち運びできるスキルです。

厚生労働省によれば、かつては年齢が上がるとともに「専門性」を重視されていたものの、業種や職種を超えた活躍が求められる機会が増えた今、ポータブルスキルがますます必要になってきているのだそう。

実際、企業研修講師としてさまざまな企業と接する私自身も、激しい変化のなか、培った専門性だけでは勝負できなくなってきている話を耳にし、この事実を痛感しています。

そこで、今回は、ポータブルスキルのなかでも特に重要な「3つの力」について解説します。これからのスキル獲得の道標にしてみてください。

あらゆる職種・業界で活躍するための「3つの力」

厚生労働省は、「課題を明らかにし、計画を立てたうえで実行し、社内外の人とうまく対応する」 ことをポータブルスキルとして掲げています。

また、人材サービスのリーディングカンパニーであるリクルートによれば、あらゆる業界で活躍するビジネスパーソンの特性を検証したところ同様の要素が挙げられ、次の「3つの力」に集約できたと言います。

今回は、この3つの切り口で解説をしていきます。

論理的に課題・仮説を組み立てる「見立てる力」

分析を行なう男性
Image: Shutterstock

変化のスピードが激しい今、過去の経験則を引っ張り出して失敗するケースは避けたいところ。

「見立てる力」とは、経験則や思いこみではなく、事実を把握したうえで、問題を解決するための「鍵」を見定めること、つまり課題・仮説を組み立てる力を指します。

そこで、必要となるスキルがロジカルシンキング(論理的思考)

ロジカルシンキングが苦手なら、今のうちに論理的発想力を身につけておきましょう。

私も、企業研修講師としてロジカルシンキング研修を提供していますが、ロジカルシンキングに苦手意識を持つ人は多く、かつロジカルシンキングを仕事に活用できている人は受講者の約10%ほどのように感じています。

つまり、ほとんどの人が過去の経験則で仕事をしていると言っても過言ではないのです。

しかし、やはりさまざまな環境で結果を出す人は、客観的事実ベースでロジカルに課題を設定することができています。ぜひ、ロジカルシンキングを習得し、日常で使う習慣を身につけておきましょう。

筋の良い対策を考える「仕立てる力」

筋道を立てる男性
Image: Shutterstock

課題を見立てた後は、対策を練るステージ。

対策を仕立てる際は、最も効果的な対策を選択する必要があります。次のステップで行なうようにしてみてください。

  • ステップ1:まず対策の選択肢を複数出す(1つから選ばない)
  • ステップ2:そのうえで、効果・コスト・実行の確実性などの点を考慮して評価をくだす
  • ステップ3:評価に基づいて決断を絞る(アレもコレもはできない)

これこそが、筋の良い対策を考える人がやっている思考法です。

この流れを「頭の中」でできるようになるとしめたもの。でも、慣れるまでは紙に書き出しながら考えても良いでしょう。

人の協力を得る「動かす力」

会議室に集まる社員たち
Image: Shutterstock

ここまでの「見立てる力」「仕立てる力」だけだと、頭が良い人といった印象だけで終わりかねません。

ビジネス上最も必要なのは、結果を出すこと。そしてその過程で特に重要なのが、「周囲の人を動かす力」なのです。人の協力を得るために欠かせない5つの要素を整理しました。

  • チーム思考:1人(個)ではなく、チーム(全)で仕事する志向を持っていること
  • 主体性:求められていること以上のパフォーマンスを出そうとすること
  • 共感性:相手が何を言おうとしているか、関心を持つことができること
  • 通意性:分かりやすい伝え方ができること
  • 信頼性:言行一致をとっていること

専門職であろうが、リーダー職であろうが、人を動かす力は不可欠ですが、特に年齢とともに求められる機会は増していきます。

「人が苦手」では務まりません。この5つの要素で自らの状況を確認しておくといいでしょう。

***

今回は、VUCAの時代に習得しておきたいポータブルスキルについて解説しました。このセオリーを取り入れて改善できることがないか、考えてみることをおすすめします。

そして、まだやるべきことがあれば、早速次の機会に挑戦してみてください。今回の内容が、あなたの仕事力アップの一助になれば幸いです。

伊庭 正康 株式会社らしさラボ 代表取締役

伊庭正康さん

リクルートグループ入社。残業レスで営業とマネジャーの両部門で累計40回以上の表彰を受賞。その後、部長、社内ベンチャーの代表を歴任。2011年、株式会社らしさラボ設立。リーダー、営業力、時間管理等、年間200回以上の研修に登壇。リピート率は9割以上。現在は、オンラインを活用した研修も好評。近著に15万部を超える『できるリーダーは、「これ」しかやらない メンバーが自ら動き出す「任せ方」のコツ(PHP研究所)』『できる営業は、「これ」しかやらない(PHP研究所)』のほか、新刊の『結局、「しつこい人」がすべてを手に入れる(アスコム)』をはじめ、他多数の書籍がある。

無料メーリングニュース(全8回)

※YouTube「研修トレーナー伊庭正康のスキルアップチャンネル」、音声メディアVoicy「1日5分 スキルアップラジオ」のスタート。

※伊庭の研修をオンラインで学べるUdemyの講座も好評(Udemyベストセラー入り!)

Source: 厚生労働省