不安に押しつぶされそうになったり、悩みや問題が山積して心がモヤモヤしたり、生きづらさを感じてしんどくなったりーー。程度の差こそあれ、そういったことを感じて悩んでしまうことは誰にでもあるものです。
『不安が覚悟に変わる 心を鍛える技術』(秋山ジョー賢司 著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、悩みや問題を抱えている人が、それらを解決するために書かれたものなのだそう。
著者は“エグゼクティブ・コーチ”として、会社経営者や各方面のプロフェッショナルを中心に、年間500回以上のセッションをしている人物です。
この本は、私がこれまでセッションや講演・講習を通じて伝えてきたプログラムをもとにしています。
これから先、どのように進もうか、と悩む人々の指針をつくり出してきた効果抜群のトレーニング法です。あなた自身が一人で実践できるよう、丁寧に、なるべく簡単に書き上げました。(「はじめに」より)
そんな本書の最大の特徴は、「セルフコーチング(自己対話)」。しかも一般的なセルフコーチングとは違い、「理想の自分」を使うのだそうです。
きょうは第5章「不安を覚悟に変えて『本当の自分』で生きる」のなかから、「思い通りの自分を手に入れる『4つの質問』」に焦点を当ててみたいと思います。
やってみるべき簡単なワーク
「自分を変えたい」
「あるべき姿になりたい」
「偽りの自分から抜け出したい」
「不安から解放されて、本当の自分で生きていきたい」
もし、こうした思いがあるのなら、やってみるべき簡単なワークがあるそうです。用意するのはノート(一枚の紙でもOK)とペンだけ。
スタート
ノートに「自分の変えたいところ」を3つ書き出してみてください。たとえばこんな感じです。 ・変えたいところ① いつも仕事のことが頭から離れない
・変えたいところ② お酒を飲みすぎる
・変えたいところ③ 先が見えないことで、毎日が不安
(172〜173ページより)
大きなものでも些細なことでもいいので、まずは3つ書き出すことが大切。そして描き終えたら、次のステップは「質問」に答えること。
質問(1)
「それはどんなことですか?」(行動)
(174ページより)
ここで書き出すべきは、3つの「変えたいところ」のうちの1つを取り上げ、具体的にどんな行動をしているのかを書き出すこと。
たとえば「お酒を飲みすぎる」ということを変えたいのであれば、
- 飲まなくていい日でもお酒をたくさん飲んでしまう
- 飲みすぎで翌日、仕事が進まない
- 夜、遅くまで起きている
というようなことが挙げられるはず。つまり、そんな行動を変えたいという思いがあるということです。
そして行動が決まったら、次の質問に進みます。
質問(2)
「それはどんな気分になりますか?」(状態)
(175ページより)
気分とは自分の内面の状態で、
- 頭はもやもやしているなあ
- お腹が張っていて胃が重いなあ
というようなこと。
質問(3)
「本当はどうしたいのですか?」(行動)
(174ページより)
「そんな行動をしてしまったけれど、本当はどういう行動をとりたかったのか?」について、自分の理想の行動を書き出すわけです。「お酒を飲みすぎる」の例でいえば、
- お酒は適量に抑えておきたい
- 夜はストレッチをして23時には寝たい
- 趣味である読書の時間に充てたい
など。このとき大切なのは、理想の行動をとっている自分をしっかりイメージすること。
質問(4)
「それができていたら、どんな気分になりますか?」(行動)
(174ページより)
「理想の行動がとれている自分は、どんな気分なのか?」について、「頭がスッキリしている」など、実際に自分がどんな気分になれるのかを想像してみるのです。
この質問(1)〜(4)の作業を、3つ挙げた「自分の変えたいところ」ひとつひとつについて行う。そうすれば、そこに書かれた自分こそが自分のなりたい姿だということになるわけです。
「そこからどうすべきか」についても本書では解説がなされていますが、こうして「理想の自分」を再確認してみるだけでも相応の意味はありそうです。
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本書で紹介されているのは精神論やスピリチュアルな話ではなく、「人間のメカニズム」に従った合理的なトレーニング法だそう。しかも一気にすべてを変えようとする必要はなく、できるところからでかまわないというので、試してみる価値はあるのではないでしょうか。
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Source: ディスカヴァー・トゥエンティワン