締切は、モチベーションを高めストレスを軽減することはあっても、その逆になってはいけません。決められた時間内に自分の能力を最大限に発揮できないなら、締切があっても無意味です。
ですから、まず、プロジェクトの締切を設定するときは、注意深く行ないましょう。
この記事では、必ず守れる締切の設定方法をご紹介します。
1. プロジェクトの目標とガイドラインを考慮する
自分のプロジェクトやチームで取り組んでいるプロジェクトの期限を設定する際は、プロジェクトの目標を明確にする必要があります。大まかな目標とは別に、具体的なガイドラインがいくつか必要です。
それらを考慮して、ルールや規制を守りながら完成までの目安を把握しましょう。また、プロジェクトに着手する前に、全員が協力する目標のガイドラインと目的を理解しているようにしてください。
2. タスクを小さな単位(サブタスク)に分割する
プロジェクトの締切を設定するには、プロジェクトを複数の小さなパーツに分解する必要があります。この小さなパーツは、タスクやサブタスクとも呼ばれます。次に、一番小さいタスクごとにそれぞれ締切を設定します。
また、プロジェクト全体の最終期限を設定する前に、タスクの依存関係を考慮します。独立したタスクの期限を早めに設定し、依存するタスクの期限は遅めに設定します。
チームメイトにその依存関係を説明しましょう。そうすれば、個々のタスクの期限が異なる理由を理解してもらえるでしょう。
3. 十分時間をかけて締切を設定する
プロジェクトの締切を設定することは、そのプロジェクトに関わる他のタスクに劣らず重要です。
ですから、慌ただしく締切を設定してはいけません。慌てると、知らず知らずのうちに現実的でない締切にしてしまい、締切を守れなくなります。
締切を決める際には、常に十分時間をかけてください。急いで、重要な検討事項を見落とさないようにしましょう。
4. プロジェクトの進捗が遅れる可能性を考慮する
最近は、プロジェクトの進捗が遅れるのはごく当たり前のことになっています。ほとんどのチームが、締切を過ぎてからプロジェクトを提出したことがあります。
自分のチームでも同じようなことがあったら、プロジェクトが遅れる原因を探ってみましょう。
前回は締切が現実的でなかったせいでプロジェクトが遅れたのなら、次のプロジェクトではもっと余裕がある締切を設定しましょう。
その他の理由の場合は、その問題が再発したら修正できるだけの十分な時間的余裕があるように締切を設定してください。
プロジェクトが遅延する直接の経験がない場合は、一般的に考えられる原因を検討し、それらをすべて回避できるように締切を設定しましょう。
5. 複数のプロジェクトを同時進行させる場合の注意点
この競争の激しい世界では、ほとんどの人が複数のプロジェクトを同時に進めています。そのため、優先順位の高いものがせめぎ合い、締切を守れなくなることがあります。
そうした事態を避けるためには、各チームメンバーのプロジェクトの締切までの作業範囲を確認しましょう。
各プロジェクトメンバーの優先事項を考慮すれば、実行可能な締切を考えることができます。
クライアントから提示された納期に間に合わせるためには、一部のメンバーをプロジェクトから外し、新たな人材を採用する必要があるかもしれません。
6. 関係者全員の意見を聞く

プロジェクトを成功させるためには、サードパーティのベンダーを含めた関係者全員の協力が必要です。プロジェクトの途中で、重要な人材の1人が休暇で使えないことがわかったりすると大変です。
そのため、プロジェクトのすべての関係者から締切についての意見を聞く必要があります。仮の期限を設定し、各人の仕事量や優先順位と比較して、その期限が妥当かどうか全員に確認しましょう。
最終的な締切を決める前に、クライアントとも何度かミーティングすることになるかもしれません。
7. 自分に適したストレスレベルを知る
理想的な量のストレスは、常にモチベーションとして機能することを理解しましょう。ですから、締切がストレスになってはいけないというのは、緊急性を完全に排除するという意味ではありません。
毎回締切を設定する際には、適度なストレスを感じるように設定する必要があります。それにより、士気が上がったり、仕事をやり遂げようという気になるでしょう。
理想的なストレスレベルは、人によってもタスクの難易度によっても異なります。ですから、タスクをタイムリーに完了できるだけでなく、自分の能力を最大限に発揮できるような適切なストレスレベルを考えて締切を設定してください。
8. プロジェクトの範囲変更に備えて余分な時間を確保しておく
クライアントのために仕事をしていても、自分の組織内のプロジェクトであっても、プロジェクトの範囲の変更は起こり得ます。
これは予測できないので、締切を設定する際には、念のために、ある程度の時間を確保しておいたほうがいいでしょう。
チームは、プロジェクト進行中のどの時点でも、プロジェクトの範囲変更に直面する可能性があります。そのため、締切を設定する際には、範囲調整のための時間を確保しておきましょう。
クライアントにも、この目的のために余分な時間を調整したと説明して構いません。
9.土壇場で発生する問題に備える
締切を守りたくない人はいません。
ですから、土壇場で問題が発生することも含めて、プロジェクトが遅延するあらゆる可能性を考慮しましょう。ときには、チームメイトが割り当てられたタスクを終わらせるために最終日まで待つこともあるでしょう。
最終日には、誰かが病気になったり、コンピューターやインターネット接続に問題が生じたりなど、緊急事態が発生するかもしれません。そのような不可抗力の事態を避けるために、本来の締切の1〜2日前に仮の締切を設定します。
全員がそれぞれの仕事を締切前に提出したら、そのプロジェクトは締切に間に合って提出できます。誰かが仮の締切に間に合わなかった場合は、そのタスクを委任して期限内に完了させればいいでしょう。
これで、プロジェクトの予期せぬ遅延を防ぐことができます。
10. 締切は常に達成可能にしておく
上記のすべての要素を考慮した上で、達成可能な締切を考えてみましょう。誰をチームメイトにするか決めて、彼らの都合や優先事項を完全に把握した上で、全員が納得できる締切をシームレスに設定してください。
疑問があるときは、同僚に直接聞いてはっきりさせましょう。プロジェクト管理ツールを使えば、プロジェクトの進捗状況や人材の空き状況を把握することができるので、スケジュールを変更しなければならないときに役立ちます。
タスクは締切前に終わらせる
達成可能な締切でなければ、期限内にタスクを完了することはできません。
現実的な締切を設定する際は、この記事で紹介したコツを実践しましょう。予期せぬ事態が発生しても、プロジェクトを軌道に戻すことができますよ。
Original Article: How to Create a Deadline That Will Actually Work for You by MakeUseOf