夏休みやお正月などの長期休暇に、夫婦どちらの実家で過ごすか、もめることはありませんか? これは日本人だけの悩みかと思ったら、海の向こうでも同じみたいです。アメリカ人は、どのように訪問先を決めているのでしょうか。気になる記事を紹介します。

2人で考えるべき重要なこと

大人になると、ずっと実家の家族と一緒に過ごせるわけではありませんが、長期休暇のときぐらいは顔を見たいと思うのも当然です。

年間を通して家族と過ごすような行事はたくさんあって、会いたい家族がいる。だからこそ、夫婦間で対立が生まれてしまうのです。

長期休暇がストレスをもたらすことは珍しくありません。でも、大局的な目で見ることを忘れないでください。この問題は、決して悪いことではないのです。

それでも、幸せなはずの時間に、緊張が生じてしまうのは悲しいことです。そこでもめた結果、夫婦間や双方の実家との関係に亀裂が生じてしまう前に、2人で以下のことを話し合いましょう。

家族の力学:パートナーの両親と同居しているのか、別の町に住んでいるのか。あなたが顔を見せないことで特に悲しむ人はいないか。自分かパートナーにとってウマが合わない家族はいるか。歳をとってしまい、まだ元気なうちに、あなたと一緒の時間を過ごしたい人はいないかなど、お互いの家族についてじっくり考え、両者が満足でき、かつ実現できるようなスケジュールを組みましょう。

予算:お金は足りるか。たとえばどちらかの家族が国の反対側に住んでいる場合と車で1時間の距離とでは、お金のかかり方が大違い。家族と会うことは重要ですが、ほんの数日会うために破産するわけにいきません。年間を通して見れば、時期によって安く済むかもしれないので、違う時期の訪問を検討するのもいいでしょう。

時間:夫婦ともに、どれぐらい仕事を休めるのか。1度の長期休暇の間に両方の家族に会うことはできないかを検討しましょう。

公平性:日頃から、どちらか一方の家族とばかりと定期的に会っていないか。もし会っているのであれば、長期休暇にその差を取り戻しましょう。

たとえ両方の実家を訪問できなくても、世界の終わりではありません。大事なのは、合意した内容に、双方が納得していることなのです。

実家の家族からの誘いに対して即答しない

家族から「今度のお盆はこちらに来るの?」なんて電話がかかってくるかもしれませんが、答えがYesでもNoでも、即答は避けた方が無難です。

先に相談しなかったことをパートナーに責められたり、後から予定が変更になって家族を失望させてしまうかもしれないからです。結婚に関するブログ「Bridal Guide」のSharon Naylorさんは、このような場合の断言は一切避けるべきだと言います。

両親から電話がかかってきてクリスマスの予定を聞かれても、即答はしないことです。以下に示すように時間稼ぎをしましょう。

「○○(パートナー)と相談して、皆にとってベストな計画を立てるから待ってて」

先に電話をしてきた方を優先的に訪問するというやり方では、11月にクリスマスの計画を立て始めなかった方の家族は、チャンスを逃してしまうことになります。

そして、両家の間で争いが生まれ、ストレスのもとになります(パートナーの家族が、子どもをあなたを「盗られた」なんて言い出すかもしれません)。そうやってできたわだかまりを解消するのは、本当に困難です。

ですから、休暇についての問い合わせには、「まだ夫婦で決めていないと答えるのが正解です。休暇直前になるまでは、あいまいなままにしておいた方が楽かもしれません。

もちろん、できるだけ早く知らせることが礼儀ですが、訪問を心待ちにしていたのにキャンセルするのは、もっと失礼なことです。

両方の家族と話す

この手のストレスは、思い込みによる義務感から生じていることがあります。ひょっとしたら、どっちの家族も、あなたたちにそれほど会いたくないかもしれません。ですから、こちらから向こうの意思を聞いてみましょう。

彼らには彼らの計画があるかもしれません。おばあちゃんは、毎年お盆や年末年始に戻ってくる家族を出迎える準備をすることに辟易としているかもしれません。

だからこそ、直接聞く機会を持ちましょう。答えはあなたの期待通りではないかもしれませんが、全員が足並みをそろえておいた方が、ストレスは少なく済むはずです。

重要なことを伝え、勝負どころを選ぶ

人によって、大事な休暇の種類が違うこともあります。両親と見上げる夏の花火がずっと好きだった人がいれば、いつも兄弟にイライラさせられてきたので、お正月が嫌いという人もいるでしょう。「Examiner」のライター、Sara Goasさんは、勝負どころを賢く選ぶことをすすめています。

自分にとって大事な休暇を決めましょう。1年で最も好きなのは、夏休み? それともお正月? 夏休みには毎年、おばあちゃんがフロリダから訪ねてきて、一緒に時間を過ごすのが恒例? 休暇の優先順位をつけることで、時間を割り当てやすくなります。

自分にとって重要な休暇がわかったら、パートナーにとって重要な休暇も確かめましょう。あとは、双方の好みに沿って割り振ればOK。たとえば、お正月は夫の家族と過ごし、夏休みには妻の家族を訪問するなどのように、両者で合意するのです。

好きな休暇や伝統行事をパートナーに伝えましょう。夫婦の意見がかち合うこともありますが、お互いの気持ちを伝え、話し合って決めることが大切です。たまたますべてがうまく合って、どちらも大好きな行事をあきらめずに済むこともあるかもしれません。そうでなくとも、少なくともパートナーにとって何が重要なのかを知っておくことでお互いに気持ちよくその行事を迎えることができるのです。

日程をずらしてお祝いする

両家を訪問する時間がないと思うかもしれませんが、ほんのちょっと顔を見せるだけでも、まったく会わないよりはずっとましです。双方の家族が近くに住んでいるなら、1日に両方をまわることも考えてみてください。

午前中から午後にかけて片方を、そして夕方から夜にかけてもう一方を訪問するのです。お正月のように食事が重要な意味を持つ休暇の場合、これは難しくなりますが、ほんのちょっとでも顔を見せることで喜んでもらえるでしょう。

日にちをずらしてお祝いするという手もあります。お正月を2回やっちゃいけないなんて、誰が決めたのでしょう。あなたに会えるのであれば、実際のお祝いと日程がずれていても、誰も文句は言わないはず。あなた自身が気になるのであれば、本当のお祝いの日に訪問する順番を、毎年交代すればいいのです。

夫婦関係の良さを最優先する

2人の意見が一致しないときは、何かしらに決定権を与える必要があります。休暇はハッピーな時間のはずなのに、パートナーと言い争いをしていては、ネガティブな経験になりかねません。「eHarmony」のスタッフは、「夫婦関係に3つ目の投票権を与えることをすすめています。

このような問題について、2人の間で公平な判断ができない場合、そこには3つの投票権があることを思い出してください。1つはあなたの意見、1つはパートナーの意見、残りの1つは夫婦関係。つまり、その意見を選ぶことが夫婦関係にとって良いかどうかに基づいた投票権です。

お互いの意見を言うことも大切ですが、夫婦関係をより良いものにしていくことを最優先に考える視点が大切です。そうすることで、2人のチームとしての結束が強まり、お互いを大切に思う気持ちが育まれるのです。

つまり、自分の望む結果よりも良好な夫婦関係の方が大切であるという意思を示さなければなりません。強固な関係のためには、ときに犠牲も必要。ですから、話し合いが膠着状態に陥ってしまったら、夫婦としてベストな選択肢を選びましょう。

自らホストするか、我が道を行く

どちらの実家に行くべきかという決断のプレッシャーに押しつぶされそうなら、考え方を根本から変えてしまいましょう。

自分の家に皆を迎え入れるのです。ホストとして誰かを受け入れることは、まったく別の種類のストレスを伴います。でも、どこに行くか、誰と過ごすかなどを考える必要はなくなります。双方の家族を同時に呼んで新たな伝統を始めてみるのもいいかもしれません。

どうしても決められないし、自らホストする気もないのであれば、家族のことは忘れて、我が道を行きましょう。同じお金をかけて2人がずっと行きたかった場所を旅行してしまえばいいのです。

それか、夫婦で家にこもるという、新しい伝統を始めても構いません。家族には、「今は2人だけの時間が必要なので、いつかまた行くね」とでも伝えておきましょう。

――2015年3月9日の記事を再編集のうえ、再掲しています。