パンデミックが長引くにつれて、仕事のプレッシャーをひしひしと感じている人は増えています。
初めの数カ月は会社も試行錯誤していましたが、今ではペースも確立でき、社員は新しいプロジェクトに取り組んでいます。人員削減があって業務が増えた人や、副業を始めようとしている人もいるでしょう。
仕事での変化にはストレスが伴います。
パンデミック以前にも、仕事に没頭することが評価される傾向はありました。
冬の休暇シーズンのように少しゆっくりできる時間を作って、自分を見直し、来年仕事で達成したい目標を明確にするのに費やしてみませんか。
生産性を高めるスローワークとは

これは「スローワーク」ムーブメントです。
休息の時間を設けるとともに、有意義かつ測定できる生産性を優先します。この働き方では、集中的な仕事、特にひとつひとつの仕事が重視されます。
タスクを次々とこなしていくことは、スローワークではありません。予定を片付け、白紙にし、スケジュールを詰め込まないことがスローワークの重要なポイントです。
スローワークを試すには、時間をとって自分が楽しめるアクティビティをします。
スワイプに親指だけを使うのではなく、しっかり両手を使うプロジェクトのために、1日のうち集中できる時間を使うのです。楽しい活動に没頭すれば、心の制限が外れて、突破口が見つかるかもしれません。
わたしたちは、いつもプレッシャーの多い状況で働いています。プレッシャーは短期間なら意欲につながるかもしれませんが、過度の緊張状態が続くのは良いことではありません。
あなたのワークフローは、タスクを切り替えてマルチタスクをするなど、健全な習慣とは言えなくなっているかもしれません。そのような働き方は不必要に脳に負担をかけ、認知力が下がります。
ウェブ会議やSlacKでのやりとり、超速でレポートを読むなど、タスクの切り替えをしているなら、脳に負担がかかっている可能性が高いでしょう。その結果、脳が疲労して仕事に悪影響が出ます。
そこから健全なレベルの生産性に戻るには、何もしない時間が必要です。
余暇に専念するなんて生産的ではないと思うかもしれませんが、もっとバランスのとれた思慮深い成果につながることもあります。
さらに、ゆっくり考えることで直感力が高まります。せわしない気持ちで決めた自分の選択を後から後悔することもなくなります。私たちの思考は元来、もっとクリアなのですから。
スローワークにぴったりの行動は?

今のようにストレスや孤独が増えている時に、スローワークを生活に取り入れる1つの方法は新しい趣味をはじめることです。
手を使い、集中力を必要とし、ワクワクするよりは瞑想的になれる趣味にはスローワークのメリットがぎゅっと詰まっています。
では、ゆっくり取り組める実践的なプロジェクトをいくつか紹介します。脳がきっと喜びますよ。
パンを焼く、料理をする
シニアスタッフライターのLiz Segranさんがこの動画で説明しているように、今年の休暇が例年と異なっていたとしても、祝うことはできます。
キッチンにこもって休暇向けの新しいレシピを探す良いチャンスです。
サクサクのペストリー作りに集中したり、焼きたてパンをオーブンから出す瞬間に喜びを感じたりすることで、気持ちがゆったりしてまわりの環境により順応することができます。
ソーシャルディスタンスの今、完成品を他の人に届けたりすれば小さな喜びを広げることができるでしょう。
また、ペン字の練習はどうでしょう。これは、スローワークの信条である、集中力を必要とする瞑想的な活動です。それに、焼いたパンやお菓子に手書きのメッセージをつければボーナスポイントです。
手作業のプロジェクトをはじめる
Fast Companyのスタッフライター、Pavithra Mohanさんが、5月の記事でパズルメーカーなど一部の中小企業がパンデミックで並外れた成功を収めていると報告していました。
業績がアップしたショップやサービスはどれも「屋内向け」でしたが、スローワークの一面もあったのです。
パンデミックの初期には、パズル、編み物、サワードウのパンを焼くことが流行りました。どれも細かい部分に気を配り、時間をかける手作業ばかりです。
パズルに興味がないなら、ボードゲームやカードゲーム、クロスステッチ、ニードルポイントなどはどうでしょう。どれもスクリーンは不要です。クリスマスのデコレーションをするのも瞑想的な活動です。
絵や音楽を制作する
芸術家ではなくても、ストレスの多いこんな時には出来の良し悪しを無視してアートを生み出す絶好のチャンスです。不安や疑いの気持ちが少なければ少ないほど良いですね。
粘土で奇妙なボウルをつくったり、高校時代のシンセサイザーを引っ張り出してきて前衛的な音楽をミックスするなど、いろいろなことをしてみましょう。実際に行動することがポイントです。
研究によると、絵画や音楽に取り組むことはポジティブな心理的効果をもたらすそうです。アートセラピーは、ストレスを軽減し、うつに対処し、慢性疾患を遠ざける効果があります。
ワークスペースを片付ける(ついでに家全体も)
スローワークで作業を一度に完了できるようになると、修正作業は不要になります。
それと同じように、暮らしや仕事のスペースを片付けると、家もすっきり、頭もすっきりと片付き、修正作業を減らすことができます。
在宅業務でリモートセットアップに不満があるなら、冬の休暇期間はデスクのオーバーホールに向いています。
古いメモやインクの出ないペンを捨て、スペースを拭いてピカピカにしましょう。
絡まっているコード類をほどき、ワイヤレスデバイスの電池を交換します。仕上げは、時間をかけて良質の椅子を見つけることです。
自分にふさわしい快適な環境で仕事をする価値はあるのです。それが今後の集中力につながります。
片付けというと、受信トレイやデジタルファイルに気を取られがちですが、デジタルの外にも古い書類や不要な紙類がたまっています。
そんな環境は、心を乱し、ストレスを増やし、人生がコントロールできていないという気持ちにつながる可能性があります。
この冬、時間をかけて古い紙類を一掃しましょう。
重要なファイルをクラウドに入れる作業には数時間かかるかもしれません。
ですが、忘年会などいつもの慌ただしさが少ない今冬には、定期サービスの解除や不要なアプリの削除など、デジタルデトックスに取り組む十分な時間がきっとあると思います。
──2020年12月3日の記事を再編集のうえ、再掲しています。
Source: NCBI
Originally published by Fast Company[原文]
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