強いリーダーは「わかりません」と言えることで、自信のないリーダーと一線を画しています。

強いリーダーはあらゆることの答えがわかっているはずなのに、そうでないことが多いなんて、直感的に変な感じがするかもしれません。

しかし、リーダーシップやマネジメントに関する多くの書籍が、優れたリーダーは、問題を解決するために威張り散らすのではなく、自分が何を知らないのか知ることに長けているべきだとしています。

リーダーがより多くの情報が必要であることを認めることで、リーダーの意思決定プロセスは、部下にしてみると、信頼性透明性が高まります。

優れたリーダーシップとは「情報に基づいた意思決定」

この話題に関するForbesのコラムでは、「愚か者は自分が賢いと思っているが、賢い人は自分が愚か者であることを知っている」というシェイクスピアの言葉を引用しています。

そういう意味で、「わかりません」と言える人は、一歩下がって自分を客観的に観察する能力があります。

つまり、自分の意思決定に影響を与えている可能性があるモチベーション、気分、価値観を認識する能力があるということです。

そのため、「自己認識」はプロジェクトマネジメントにおいてリーダーシップの重要なスキルであると考えられています。

「自己認識」ができるリーダーは、言動する前に考え、自分の意思決定が衝動や気分に過度に影響されないようにすることができるからです。

さらに、知的な謙虚さと実際の能力には相関関係があるという研究結果もあります。ある研究で、被験者に自分の能力を測定するテストの結果を予測させたところ、知的謙遜度が低い被験者(著者は「知ったかぶり」と呼んでいます)は、過大評価する傾向がありました。

リーダーが「わかりません」と言うことの利点

もちろん、リーダーが知っておくべきことはあります。特にそれが仕事の中核となることならなおさらです。

たとえば、コーチが試合で次のプレーの指示を聞かれて「わかりません」と答えたら、信頼されないでしょう。

実際には、「わかりません」という状態は、新しい問題や情報と関連しているはずです。

この点で、リーダーは、他人に意見を求めたり(これはチームの信頼をさらに高めます)、もっと情報を集めることをチームに約束することで、問題に対処するために行動を取ることも必要です。

そのためには、「この件は、後で返事をします」とか「もう少しいろいろ調べます」などと返答すると良いでしょう(迅速に決断を下す必要がある場合、リーダーは少なくとも自分にはわからない点もある上での決断だと認めて構いません)。

このようなアプローチは、部下のリーダーに対する親近感信頼を高めます。

また、「私はわかりません」と言ってチームに意見を求めると、権威にただ服従するのではなくて、批判的に思考することをチームに促すことにもなります。

そして最後に、当たり前だと思うことかもしれませんが、あえて言います。人は簡単に騙されません。

自分が話していることを本当に理解していないと、いずれ誰かがそのことに気づきます。

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Source: Forbes, Wikipedia, Taylor & Francis Online