もっと健康になるために生活習慣を改善しようと思い立った時、私たちは今の自分が「できていない」ことを、頭の中で延々とリストアップしがちです。
「運動をするべきだ」とか、「もっとたくさん水を飲むべきだ」、「たまには野菜を食べるべきだ」といったことです。
では、「すでに実行に移している」健康的な習慣について考えたことはありますか? 1つも浮かばないという人は、おそらくあまりいないでしょう。
でもこれは、ToDoリストの先頭に「ToDoリストをつくる」と書いて、チェックマークをつけるというような、自己満足のための姑息な手段ではありません。
(これが本当に姑息と言えるかどうかは疑問ですが。どうにも気が進まない用事に手をつけるきっかけとして、クスリと笑えて心が軽くなるようなことをするのは悪くない方法です)
「できたこと」をリストアップする
「できたこと」をリストアップする行為には、その効果を裏付ける広く認められた心理学の理論が存在します。こうすることで、私たちは自己効力感(self-efficacy)をつくり出しているのです。
自己効力感とは、ある事柄(内容は何でも構いません)について「自分には成し遂げられる能力がある」と、自信を持っている状態を指す言葉です。
自分が得意としていて、今までに数え切れないほど達成している事柄をやっている時の気分を思い出してみましょう。
あなたは自信にあふれ、おそらくはその事柄について考えるだけでも良い気分になり、今回もきっと完璧に達成できると確信しているはずです。
たとえば、あなたがランニングの愛好者なら、恒例の火曜日朝のランニングに出かける時には、きっとそのような自信を感じていることでしょう。
でも、自分はランニング初心者だと思っている場合は、何もかも初めてのことばかりで、不安を覚えるのではないでしょうか。
たった1回のランニングでさえ、最後まで走りきれるかは未知数なのですから、今から始めようとしているまったく新しい習慣が本当に身につくかどうかは、さらに不透明です。
でも心配は無用です。この自己効力感は、さまざまな方法で築き上げることができます。
すでに達成したことについて、まず褒める
その1つが、自分が過去にうまくできた事柄を振り返るという方法です。
先ほどの例で言うと、まだランニングの習慣が身についていないとしても、今までに身につけた別の習慣に目を向ければ良いわけです。
犬の散歩なら、毎日しているという人もいるでしょう。また、そこそこヘルシーな弁当をランチに持って行なっているかもしれません。ある程度の期間、決まった時間にベッドに入ることができているというケースもあり得ます。
これらの習慣はすべて「できたことリスト」に入る資格のある事柄です。
このリストを見れば、たとえささいな事柄だとしても、自分が実際に成功を積み重ねてきたことが実感できます。達成したことについて、自分を褒めてあげましょう!
そのうえで、さらに多くの事柄を達成できる状況をつくるために何ができるか自問自答し、これから取り組むことへの勢いを得ると良いでしょう。
Source: SimplyPsychology