パンデミック後にやってくる、絶え間なく変化するビジネス環境において、どのようなリーダー像が求められるのでしょうか?

数々の研究とベストプラクティスによると、どうやらそれはサーバントリーダー(組織に奉仕するリーダー)と呼ばれているもののようです。

呼び名はどうであれ、人々にモチベーションを与え、鼓舞するリーダーについて、1つ確かなことがあります。それは、彼らの行動や振る舞いは、本人の人格や誠実さに由来するということ。

筆者がサーバントリーダーを育成する現場で目の当たりにしたのは、そうしたリーダーは注目されることを望んでおらず、部下にスポットライトを当て、部下のために力を使いたがっているということです。

それでは、そのようなリーダーによく見られる3つの具体的なリーダーシップ行動をご紹介します。

1. 無私の心を持っている

リーダーという特権的な役割を与えられた時、優秀な人ならリーダーシップとは人々のニーズを満たすことだと気づきます

そして、トップダウン型の指揮統制型のマネジメントスタイルで古くから行なわれてきた「人よりも利益を優先する」という慣習に従うことを拒否するのです。

ボトムアップ型のサーバントリーダーシップのある文化では、このようなリーダーは、自分の利益よりも部下の利益を優先するという無私の心を行動で示します

これは決して簡単なことではありませんが、そうすることが先例のない競争優位をもたらすのです。

リーダーが無私の心を行動で示す方法はいくつかあります。たとえば、自分の時間、エネルギー、知恵、知識を部下の成長のために注ぎ込むことができます(ひいてはそれがリーダー自身の成長にもつながるのです)。

2. 人々が目的意識を持つ機会を設ける

多くの研究結果が、仕事に目的意識を持つことができれば、幸福度が高まるだけでなく、生産性も向上することを示しています。

そのための1つの方法は、従業員に自分がサービスを提供している相手とつながり、出会う機会を与えることです。

ウォートン大学のアダム・グラント教授がベストセラーの著書『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』で引用した有名な研究では、大学のコールセンターで奨学金のための資金集めを行なう従業員を3つのグループに分け、寄付を依頼する電話をかけてもらう実験を実施しました。

1つのグループには、奨学金をもらった学生から、その奨学金が彼らの人生をいかに変えたかという話を読んでもらいました。

結果、このグループは、単に業務として電話をかけただけの他のグループに比べて、143%も多くの募金を集めました。

さらに驚くべきことがあります。このグループに、実際に奨学金をもらった学生らと会ってもらい、5分以上、直接質問をする機会を与えたところ、集めた寄付額は400%以上も増加したのです。

グラント教授の結論は、たとえそれが数分であっても、自分がサポートしている相手と直接会うことで、非常に大きなモチベーションが得られるということです。

雇い主は、従業員に顧客との接点を与え、自分たちの仕事が人々にどのような影響を与えているかを直接感じてもらうことで、明確な競争力を得ることができます

リーダーは従業員と協力して、目的意識を持たらす仕事をデザインする必要があります。自分の仕事が世界に貢献していると感じられれば、従業員はその目的意識によって仕事へのモチベーションを高めることができるでしょう。

3. 従業員に貢献している

リーダーとしての影響力を真の意味で高めるには、リーダーシップとは奉仕であり、周囲の人々をより良くすることであることを忘れてはなりません。

サーバントリーダーの高い基準に対して、自分がどの程度のレベルにあるのかを評価するために、「従業員の生活を向上させるために、自分は毎日何をしているか?」と自問してみてください。

もし、あなたの願いが従業員を最高の状態にすることであるなら、あなたは卓越したリーダーになる道を進んでいると言えるでしょう。

Source: Leadership from the Core, Amazon

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