スタートアップの世界で、最も古く、最も頻繁に繰り返されている格言の1つは、「失敗を恐れるなかもしれません

Elon Musk氏はSpaceX設立から間もない時代に、「ここでは、失敗は1つの選択肢です失敗しないということはイノベーションを十分にしていないということです」と同社の社員たちに語っています。

あるいは、発明王Thomas Edison氏の「失敗ではない。うまくいかない1万通りの方法を発見しただけだ」というクラシックな明言もありますね。

起業家は、失敗に対する恐れを克服することが成功には不可欠だというメッセージを浴びせられます。多分それは本当のことだからでしょう。

しかし、言うは易し行なうは難しです。

普通の人間は、失敗すると最悪の気分になり失敗することで被る可能性がある社会的経済的ビジネス上の損失を思うと不安になるのは当然です

確かに人間は失敗を恐れるように生まれついていますが、だからといって、それを克服できないわけではありません。

アイコニックな起業家たちが、恐れを知らない人間に成長して大胆に行動できるようになる方法について、シンプルで実用的なアドバイスをシェアしているので、ご紹介したいと思います。

Elon Musk氏の場合

宇宙ロケットの会社と火星への植民という夢を持つElon Musk氏は、生まれつき恐れを知らないタイプのように見えるかもしれませんが、「私はかなり強く恐れを感じます」と以前告白しています。

では、その恐れをどうやって克服しているのでしょうか。意外にも、ポジティブ思考によってではなくて、その真逆ともいえる「運命主義」で克服しているのです。

時には、運命主義がある程度役に立ちます。

確率を受け入れるだけで恐れは小さくなります。SpaceXを始めた時、成功率は10%未満だと思っていたので、すべてを失うかもしれないということを受け入れました。しかし、そのおかげで進歩できています。

無理にでも最悪のシナリオを想定して、正確にはどれほどひどいことになるか考えることは、Musk氏以外の人たちもしています。

「週に4時間だけ働く」で有名なTim Ferriss氏から古代のストイック派に至るまで、聡明な成功者諸氏は、想像の中で失敗に正面から対峙すると、恐怖心がいくらかおさまると言います。

Richard Branson卿の場合

最悪のシナリオを考えるのは性格的に向かない気がする人もいるでしょう。そんな人には、Richard Branson卿のやり方をご紹介します。

バージングループ創設者のRichard Branson卿は、Elon Musk氏と同様に一見怖い物知らずに見えますが、やはり不安になることがあると言います。

「数々の歴史的新記録を出した熱気球旅行の間は、果たして生きて地上に戻れるのかと何度思ったかわかりません」と語っています。

Branson卿は、具体的にネガティブなことを思い浮かべて、最悪の結末に意識を集中させるのではなくて(熱気球の場合は、最悪の結果は死ぬことですから、そんなことを考えても気持ちが落ち着く可能性は低いでしょう)、学びに集中することを勧めています

失敗を「最高の学習ツールの1つ」と呼ぶブランソン卿は、不安に囚われている人々に対して、ネガティブに見える経験が教えているあらゆることについて考えた方が良いとしています。

このようにレンズを切り替えると、焦点が「失敗を想定することで感じる短期的な不快感」から「長期的に得る物」へとシフトします。そうなると、勇気が湧いてきます。

Sara Blakely氏の場合

自らが創立したSpanx社の成功によりビリオネアになったSara Blakely氏もBranson卿と同じように失敗をとらえています。

失敗するのは恐ろしい感じがしますが、結局は素晴らしい結末に辿り着きます。現時点では、それをなかなか思い出せないだけです。

Blakely氏は、短い文章を書く練習をすると、この真実を思い出しやすくなると言います。

「私の父は、物事が私の期待通りに進まなかった時や、私が困惑する状況に陥った時は、隠れた贈り物がどこにあったかそこから何を得られたかを書き出しなさいといつも勧めてくれました」とBlakelyさんはBusiness Insiderに語っています

どんなことにも、見逃したくない素晴らしい宝物が隠されていることに、私は次第に気づくようになりました。

読者の皆さんもこれなら試してみられそうです。今度挫折を経験して辛い時は、紙とペンを取り出して、その経験から得られる可能性があるポジティブなこと全部書き出してみましょう。

失敗を災難と思わず、未来のさらなる成功への足掛かりだと考えられるように脳を訓練するだけでいいのかもしれませんね。

ーー2020年9月13日の記事を再編集のうえ、再掲しています。

Source: Entrepreneur, YouTube, Business Insider

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