休み時間は長すぎても短すぎてもストレスになることがわかっています。
少なくとも、1日の自由時間の長さには「スイートスポット」があるという最近の研究がそれを実証しています。
この研究によると、1日の余暇が約5時間を超えると、人間は非生産的であると感じはじめ、さらにはストレスさえ感じるようになります。
暇すぎてもストレスになる?
アメリカ心理学会は最近、自由時間が個人の幸福感に与える影響を調べました。
この研究は、関連するいくつかの研究データを用いており、その1つ目の研究は、2013年に実施された「時間の使い方」に関する調査で、21,736人のアメリカ人に過去24時間の行動について尋ね、幸福感について報告しています。
その結果、人間は自由時間が長くなるにつれて気分が良くなるものの、その気分は2時間程度で横ばいになり、5時間後には低下することがわかっています。さらに、13,639人の働くアメリカ人を対象にした別の調査でも、この結果が裏付けられました。
これらの結果をもとに、さらに2つのオンライン調査を実施。
生産的なタスク(趣味、雑用、人付き合い)と非生産的なタスク(無為に過ごす)をしているときに、自由時間の長さに応じてどのような気分になったかをもとに、被験者の幸福感を調べました。
その結果、非生産的なタスクでは、休み時間が短すぎる(15分)とストレスを感じ、適度(3.5時間)だと気分が良くなり、長い(7時間)とストレスを感じるというU字型のデータパターンが得られました。
この研究の著者たちは、「ひとりで非生産的な活動に費やす自由時間が多いと、主観的幸福感にネガティブな効果をもたらしたが、人付き合いや生産的な活動に費やす自由時間はそうはならなかった 」と指摘しています。
つまり、徹底的に怠惰に過ごす時間はストレスの元になるようです。一日中パジャマでダラダラ過ごすのと、その時間を使って友人と会ったり、部屋の掃除をしたりするのとでは、大きな違いがあるというわけです。
とはいえ、この研究は、被験者の想像上のストレスを反映し、大まかな平均値を論じているに過ぎないので、人々の気持ちを表す絶対的な尺度とはいえません。
この研究から学べることは?
定年退職者や長期失業者の多くが言うように、目的のない過剰な休暇はストレスとなり、憂鬱な気分にもなります。
実際、仕事などの義務がないと、1日を活動的に過ごそうとすること自体がストレスになります。自由な時間を楽しんでいるはずだと思われている場合はなおさらです。
仕事を休んで「何もしない」時間があっても、運動や友人と過ごすなどの活動をして、一日に区切りをつけるほうが、その自由な時間を最大限に享受することになるのかもしれません。
▼ライフハッカー編集部のPodcast配信中!