『2分間セルフケア リセット上手な私になる』(コリンヌ・スウィート 著、佐伯花子 訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の原題は、“2 Minutes to Sleep Everyday self-care to Busy Living”。
つまり本書は、「睡眠」に焦点を当てた書籍です。
しっかりと睡眠をとるには、自分をいたわり、心と体の健康状態に気を使うことが大切です。
重要なのは、昼寝をたくさんすることではありませんーー睡眠の質を向上させるためのセルフケア・トレーニング(心と体の両方に効果的なもの)を行うことなのです。(「はじめに」より)
こうした考え方を軸として、本書では睡眠の質を高めるための“2分間でできる52の「セルフケア」” を紹介しているのです。
ちなみにセルフケアとは、自己を認識し、感情と向き合い、自分にとって必要なことに気づくことなのだとか。
著者は、テレビやラジオでコメンテーターとしても活躍しているイギリスの作家、心理療法士、心理学者。25年以上前から瞑想やマインドルフルネスを実践してきた「働くシングルマザー」でもあるので、基本的には女性の目線で女性に向けて書かれています。
しかしテーマが睡眠なのですから、セルフケアの数々は性別に関係なく実践できるものばかり。きょうは第5章「睡眠と仕事」のなかから、4つのトピックスを抜き出してみたいと思います。
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1. 頭のてっぺんから足のつま先までリラックスする
まずすべきは、ベッド、ソファ、または床の上に横たわってリラックスし、体がポカポカしてくるのを感じること。目をつぶり、息を深く吸って吐き出します。口をぽかんと開け、肩は力を抜いて床につけるそうです。
そして、ゆっくりと呼吸。背中を床に預け、徐々に重たくなっていく感覚を味わうことが大切。みぞおちの緊張もゆるめること。
床に深く沈めるイメージで両腕の力を抜いたら、腰も同じようにして、ゆっくりと呼吸を続けます。次に、お尻が床に深く沈んでいく感覚を味わったら、太もも、ふくらはぎ、足首の緊張をゆるめます。
最後は足とつま先の緊張をゆるめ、3回呼吸をしたら目を開けます。これだけで、頭のてっぺんからつま先までリラックスできるというわけです。(123ページより)
2. 一週間の「労働時間」と「睡眠時間」を把握する
自分が毎日何時間働いているかを把握している人は、意外に少ないかもしれません。
そこで著者は、1日のうちどれくらいの時間を仕事関連の作業に費やしているか、曜日別に書き出すことを勧めています。
残業時間は(残業代の有無にかかわらず)? 通勤時間は? 仕事関連のアクティビティに費やす時間は? 家に持ち帰っている仕事量は? 週末にも仕事をしているだろうか?
もし週末にも仕事をしているとしたら、その作業時間は?
1週間の労働時間を正確に計算し、毎日の平均睡眠時間と比べてみましょう。(124ページより)
これらの質問に答えながら、仕事に費やしている時間を具体的に考えるといいそうです。(124ページより)
3. 自分の思考に意識を向ける
最初にすべきは、デスクから離れるか、いまやっていることを中断すること。
次に誰もいない場所で座る、または立ちます。しばらく目をつぶり、自分の思考に意識を向けましょう。
このとき、どういった考えが脳裏をよぎるでしょうか? どのような気持ちになるでしょうか? 意識はどこに向かっているでしょうか?
蝶々がひらひらと舞っていくように、頭に浮かんだ考えを手放してください。
次々と考えが浮かんでくるかもしれませんが、考え込んだり悩んだりすることなく、手放しましょう。(126ページより)
つまり蝶が次々と舞っていくように、思考を次々と手放すわけです。(126ページより)
4. 「4-7-8呼吸法
著者によればこのセルフケアは、プラーナヤーマ(体を酸素で満たし、リラックス効果をもたらす古代ヨガの呼吸法)に基づき、アンドルー・ワイル博士が提唱した呼吸法。
寝室や誰もいない場所に行き、楽な姿勢で座るまたは横たわります。 口を軽く開き、「シューッ」という音を立てながら、息を吐ききってください。
口を閉じ、4秒かけて鼻から静かに息を吸います。
7秒間息をとめたら、8秒かけて「シューッ」という音を立てながら口から息を吐きます。(127ページより)
これを4回繰り返すだけだというので、簡単にできそうですね。(127ページより)
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このように本書の内容はとてもシンプルで、すぐに取り入れられそうなものばかり。各トピックスはそれぞれ1~2ページでコンパクトにまとめられているので、空いた時間を利用して読むこともできそうです。心地よい睡眠を実現するために、参考にしてみてはいかがでしょうか?
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Source: ディスカヴァー・トゥエンティワン