午前中は元気に仕事をこなし、ToDoリストの重要事項もいくつか片付け、昼食後の充電されたエネルギーをしばし満喫すると、突然睡魔は襲ってきます

午後3時ごろ、突如としてのっそりしたカバみたいな気分になる経験は、誰もがしたことがあるのではないでしょうか。

まぶたが垂れ下がり、深いため息をつき、何もする気が起きません。それでもまだ、勤務時間はあと数時間残っています。

これには生物学的な理由があります。「the Sleep Foundation(睡眠財団)」によると、人間のサーカディアンリズムは1日の覚醒レベルを上げたり下げたりします。平均的に、一番疲れを感じるのは昼食の直後です。

そうなると、エネルギーを上げる必要がありますが、一体何をすればいいのでしょう?

選択肢のひとつとしてカフェインがありますが、睡眠を妨げる可能性があるので、遅めの午後に摂るのはベストではありません。

今回は、午後3時の憂鬱な気分を吹き飛ばす方法をいくつかご紹介します。

炭水化物を控えめにして、水分補給する

眠気を感じにくくするには、炭水化物少なめでタンパク質多めの朝食や昼食を摂ると良いです。

糖質の多い食べ物はすぐにブドウ糖になり、血糖値を急上昇させることが多く、その後の急降下は避けられません。

血糖値の急上昇のよくある症状は、倦怠感、かすみ目、頭痛などです。

パン、スナック菓子、スイーツ、甘いエナジードリンクなどを摂取したあとも、同じように血糖値の急上昇が起こります。

空腹を感じたら、アーモンド、ピーナッツバター、ヨーグルト、フムスなど、高タンパクで繊維質豊富な、複合炭水化物のスナックを食べましょう

また、水もたくさん飲む必要があります。軽い脱水症状でも、脳の働きを抑制することがあるのです。

エール大学医学部の上級研究員Nina Stachenfeldの2018年の研究によって、「軽度の脱水症状は、記憶と実行機能を損なう。また、毎日推奨レベルの水分を補給すると、認知機能が向上する」ことがわかっています。大きめの水筒を持っている人をバカにはできません。

立って仕事をする(または、いい匂いを嗅ぐ)

聞いた話によると、スタンディングデスク(もしくは形態に限らず立ったまま目線の高さにパソコンが置けるもの)で仕事をすると集中力が増すことがわかっています。

また、ミント味のガムを噛みながら仕事をするのもいいそうです。エッセンシャルオイルの匂いを嗅ぐのも良い効果があるという人もいます。

ニューヨークを拠点とする形成外科医のRyan Neinsteinは、「午後や運動のあと、コーヒーの代わりにペパーミントオイルの匂いを嗅ぐと気分がスッキリします」と言っています。

スイートオレンジ、ラベンダー、ローズマリーなどのエッセンシャルオイルもおすすめです。

早めにスマホをオフにして、ぐっすり眠る

健康な成人が、能力を発揮するのに必要な睡眠時間は7〜9時間ですが、約半数の人は足りていません。

睡眠時間が1時間少ないだけでも、知的な鋭敏さが損なわれる可能性があります。本当に1日を充実させたいのであれば、早めに寝るしかありません。

パソコンやスマホが放つブルーライトは睡眠を妨げ、人間の体が眠気を誘発する脳内物質メラトニンを自然と生成するのを抑制します。

就寝前に延々とSNSをスクロールするのはやめたほうがいいでしょう。

15分間体を動かす

エンドルフィンのレベルを上げ、集中力を向上させるランニングをしたり、スポーツジムに行ったりする時間がない場合でも、午後のエネルギーをチャージする簡単な方法があります。

数々の研究で、カフェインよりも短時間でも体を動かすほうがエネルギーを充填する効果が高い証明されています

少し外を歩いたり、階段を登り降りしたり、ジャンピングジャックをしたり、ストレッチをしたり(できれば屋外で)、少しでも体を動かすと、午後の眠気を吹き飛ばすことができます。

音楽と瞑想を取り入れる

運動中に音楽を聴くとやる気が出るように、午後のぼんやりした頭も音楽でシャキっとします

体を動かしたくなるような集中力を上げる音楽を聴けば、一石二鳥の効果があります。

また、数分間の瞑想も、酸素摂取量が増え、集中力が高まると証明されています(ただし目を瞑った瞬間に寝てしまわないよう注意しましょう)。

Source: the Sleep Foundation, Everyday Health(1, 2), PubMed.gov, The Healthy, Harvard Business Review, ScienceDirect