Appleは2016年、MacBook ProにTouch IDを導入しました。物議をかもした(けれども、驚くほど多用途の)、あのTouch Barも同時に登場しました。
その後、Touch IDはMacBook Air、さらにはiMacへと導入が広がっています。まさにMagic Keyboardの「マジック」のおかげです。
最近買ったばかりのMacなら、たぶんこのボタンがついているでしょう。これを使う理由はひとつしかないと思われがちですが、実はこのTouch IDボタン、もっといろんな仕事をしてくれます。
というわけで今回は、Macユーザーのための便利なTouch IDボタンの使い方をお教えします。
目次
1. 指紋を使ってログインする

これについては、説明の必要はないでしょう。Touch IDボタンに指を乗せるだけで、ユーザーアカウントにログインして、ロックを解除できます。これが実に便利です。
トイレやコーヒーブレイクから帰ってくるたびにパスワードを入力しなければならないのは、たいしたことではないとはいえ、ちょっと面倒なことはたしかです。
では、この機能は無敵なのかというと、そうでもありません。少なくとも48時間ごとに、あるいは、指紋認証に5回失敗した場合に、Touch IDではなくパスワードを入力しなければなりません。Macが再起動したときも、Touch IDは機能しなくなります。いまはまだ、パスワードがいらなくなったわけではありません。
2. ロック解除に使える指紋の数を倍にする

Touch ID搭載のiPhoneには、指紋を5つ保存できます。けれどもどういうわけか、Macには3つしか保存できません。各ユーザーのアカウントに追加で指紋の数を増やすことはできませんが、Macのロック解除に使える指紋の数を倍にする方法ならあります。
システム環境設定>Touch IDから、指紋をスキャンするプロセスに入った際に、「指紋の境界部のキャプチャーを続けてください」が表示されるまでは、ひとつの指を使います。
表示されたら、別の指に切り替えて、スキャンを完了させてください。なんだか狐につままれたような話ですが、これで、どちらの指紋も認識されるようになります。3つの指紋すべてにこの方法を使えば、6つの指紋がMacに認識されるようになるわけです。
3. ユーザーアカウントを一瞬で切り替える

Touch IDを使えばMacにログインできることは、みなさんもご存じの通りです。では、Touch IDを使ってプロフィールを一瞬で切り替えられることは知っていましたか? そのMacを使っているのがあなた1人なら関係ありませんが、複数のユーザーが同じMacを使っている場合には、とても便利な機能です。
あなたのアカウントで、システム環境設定>Touch IDの順に進み、「ファストユーザスイッチにTouch IDセンサを使用」がオンになっていることを確認します。
これで、ほかのユーザーがログインしていても、Touch IDボタンに指を1秒間当ててから押すと、あなたのアカウントに一瞬で切り替わります。
4. Macをロックする

サイドボタンを使ってiPhoneをロックするときと同じように、Touch IDを使ってMacをロックすることができます。Touch IDボタンを素早く押すと、ロックスクリーンが表示されます。Macを開いたままにしておかなければならないときや、使い終えてほかの人にMacを譲らなければならないときなどに、こうすることでアカウントを瞬時に保護できます。
5. Apple PayにTouch IDを使う

Apple Payと聞くと、iPhoneを使った実店舗での支払いを思い浮かべる人が多いかもしれません。ですがMacでも、Apple Pay対応のサイトとアプリでこのサービスを利用できます。ただし、システム環境設定内のWalletとApple Payにカードを登録しておいてください。
ほかの認証方法があるケースもあるので、必ずしもTouch IDを使わないとMacでApple Payが利用できないわけではありません。ですが、システム環境設定>Touch IDの順に進み、Apple Payをオンにしておけば、Touch ID搭載のiPhoneと同じように、指紋を使ってApple Payで支払うことができます。
6. iTunesとApp Store、Apple Booksの購入を承認する

同じようにして、Touch IDを使って、iTunesとApp Store、Apple Booksの購入を承認することができます。システム環境設定>Touch ID内のiTunes Store、App Store、およびApple BooksがオンになっていればOKです。
ただし、これらのサービスで初めて何かを買うときには、まずはApple IDとパスワードを入力してから、今後はTouch IDを使用することを承認する必要があるかもしれません。
7. パスワードを自動入力する

iCloudキーチェーンを利用すれば、SafariでTouch IDを使い、パスワードを自動入力できます。これは本当に便利です。ユーザー名/パスワードのテキストフィールドをクリックすれば、Touch IDの小さなロゴといっしょに、あなたの認証情報のプレビューが表示されます。
あとは指紋をスキャンすれば、iCloudキーチェーンが自動でログインを行ってくれます(ユーザー名を自動入力してから、パスワードを別に自動入力しなければならない場合もあります)。この機能を使いたい場合は、システム環境設定>Touch IDから、パスワードの自動入力がオンになっているか確認してください。
8. パスワードで保護された項目を開く

「メモ」アプリをパスワードでロックしているとか、パスワードで保護した項目がMacに入っているなどの場合、パスワードの代わりにTouch IDで、それらのロックを解除できます。指紋でこれらのロックを解除するように指示されるケースが多いですが、まず先にTouch IDをオンにする必要がある場合もあります。
たとえば「メモ」の場合、システム環境設定へ行き、Touch IDを選びます。ロックがかかったメモのパスワードを入力すると、以降は、それらメモのロックを指紋で解除できるようになります。
9. Macを強制終了する

Touch IDボタンは、Macの電源ボタンとしての役割も果たしています。Touch IDボタンを押すとMacの電源が入ります。逆に、このボタンでMacを強制終了させることもできます。
Macが終了するまで、Touch IDボタンを長押しするだけ。ただし、Magic KeyboardのTouch IDボタンは例外です。本物の電源ボタンではないので、これを長押ししても、Macがスリープ状態になるだけ。
注意すべきは、強制終了すると、開いていたアプリがすべて閉じられてしまう点です。強制終了する前に保存しておかないと、データがすべて消えてしまうので気をつけましょう。
10. ドックしたMacBook Air、Pro、Mac miniでも、Touch IDは使える

MacBookを外部ディスプレイにつなげば、ラップトップは「デスクトップ」に早変わり。けれど、MacBookを閉じると、Touch IDも使えなくなってしまいます。Touch IDをしょっちゅう使う生活に慣れている人なら、これにはもどかしさを覚えるでしょう。
Touch ID搭載のMagic Keyboardについては、先ほども触れました。新しいM1 iMacに同梱されているキーボードです。Magic Keyboardだけを別に買って、それをM1 MacBook AirやMacBook Pro、Mac miniといっしょに使うこともできます。このキーボードはどのMacにも使えますが、Touch IDボタンに対応しているのはM1バージョンだけです。