オープンスペースのオフィスは、部署の枠を超えたコミュニケーションを促進する一方で、内向的な社員には苦痛になることも。
内向的な人は外向的な人よりも1人の時間が必要になるので、常に「見られている」状態では生産性や効果が下がる可能性があります。
フルタイムではなくても出社勤務を再開している企業があるなかで、職場での自分のニーズを推進する習慣や行動を取り入れることが重要となってきている今、内向的な人がオープンオフィス環境でも自分らしく働ける方法を以下に紹介します。
1. 境界をはっきりと示す
オープンオフィスが内包するメッセージの中には適切でない(かつイライラさせられる)ものがあります。
それは、四六時中誰かに対応しなければならないというものです。同僚とのスペースを隔てる壁がないゆえに、「ちょっとした質問」のために皆が「やって来て」は、30分も話をする羽目になります。
FractureのCEO兼共同創設者であるAbhi Lokesh氏は、これに抗うためには、自分の時間・予定事項・チームとの時間にはっきりした境界を設けるべきだと述べています。
たとえば、ある時間帯をブロックする、椅子の後ろやモニターの前面に張り紙をする、やって来た人に対応しないなど、いろいろな方法があります。
最初は気が引けるかもしれませんが、このような制限を守れば守るほど相手にも尊重されるでしょう。
Lokesh氏は次のように言います。
突然のチャットリクエストにいつも対応しなければというストレスがなくなります。
あなたが話しかけられたりやチャットが可能かどうかはっきり示していることを、同僚からは感謝されると思います。
2. 自分の要望をしっかりと伝える
どんな人間関係でも同じですが、同僚はあなたの心を読むことができません。
あなたがチームの新人だとしたら、はじめに自分の働き方を伝えない限り相手にそれを理解してもらうのは簡単ではありません。
それゆえに、認定ビジネスコーチであり作家でもあるIvy Slater氏は、内向的な人はその傾向をまず伝えるようにと提案しています。
仰々しく宣言する必要はありませんが、伝えたいことを具体的に説明します。
「静かな環境のほうが集中できるのです」
「午後のほうが生産性が上がるので、そのときには中断しないで仕事をしたいと思います」
「ヘッドホンをしているので声をかけられても返事をしないかもしれませんが、個人的に受け取らないでください。それが私の仕事のやりかたなので」
というような表現をSlater氏は提案しています。
新しい会社に入社したばかりの内向的な人は、自分にとって最善のデスク位置について人事部に尋ねてみることもできるとSlater氏は述べています。
にぎやかな活動の中心部から離れているなら、内気な人にとってはそこがベストかもしれません。
3. プライベートミーティングを設定する
Inspire360のCEOであるJason Davis氏は社員の3割が内向的な人だと推定しており、それゆえに企業の多くがオープンオフィス設定を考え直さなければならない状況にあります。
社員がウォータークーラーのまわりに集まってしゃべる環境を減らし、平穏と集中が可能になる空間を提供するべきです。
Davis氏のおすすめは、ドアが閉められる小会議室で1週間を通じて定期的にプライベートミーティングをスケジュールすること。
大規模なミーティングのために部屋が使えなくなる可能性がありますが、おそらく利用できることのほうが多いでしょう。
また、Davis氏は、いつもできるとは限らないけれども、自分だけの時間をもつために早めに会議室へ行き、また会議が終わった後も少しの時間そこに残ることを提案しています。
4. 雑音を断つ
以前はヘッドホンをして仕事をするのは失礼だと思われていたかもしれませんが、今では普通になりました。
内向的な人は高品質のイヤホンを使ったほうが良いと述べているのは、TopResumeのキャリアエキスパートのAmanda Augustine氏です。
ノイズキャンセリングがあるものを選んで、集中できるプレイリストでペースをつかみ集中力を維持できるようにします。
ヘッドホンを使うとまわりの雑音を遮断できるだけではなく、自分の個人的なスペースに同僚が入り込んできて仕事が中断されるのを防ぐこともできます。
職場で本当に集中しなければならない時、私はクラシック音楽や波の音、エアコンの音などを聞きます。
心を落ち着かせる効果があり、歌詞がないものが良いでしょう。
5. フレキシブルなスケジュールを立てる
これは人や業界によって異なりますが、内向的なリーダーは柔軟性を最優先すべきです。
Augustine氏は、いくつかのシナリオを試してみて自分がもっとも集中できて成果が出せるシナリオを確認することには価値があると述べています。
たとえば、同僚よりも早く出勤して同僚よりも遅くまで職場に残るという案があります。そうすれば静かに落ち着ける自分だけの時間が増えることになります。
また、カレンダーでそのような時間帯をブロックします。そうすれば同僚からあなたの一人時間を中断されることも防げます。
また、内向的な人はたまにはリモートワークも取り入れるのも良いでしょう。
少なくとも週の一部は職場以外でできる業務の場合は、まず週に2、3日在宅勤務をすることについて上司に相談しましょう。
上司が在宅勤務でも成果があることがわかれば、在宅勤務の頻度を増やすように交渉もできます
6. デスクまわりに壁をつくる
実際に壁がなくても、同僚との仕事場をクリエイティブに分離することも可能です。
デスクスペースに置くものを決めるとき、Augustine氏は高さに注目するように提案しています。
高いものがあると、意図していないのに他人と目が合ってしまうこと(そこから望まない雑談につながることがありますから)が少なくなります。
鉢植えや写真立て、モニターなどを戦略的に配置することを検討してみてください。どれもが内向的な人にとってはありがたい視覚的な壁になり得ます。
7. 休憩して散歩する
Davis氏は、散歩はほとんどの職場で1人でできるので、内向的な人にはぴったりだと言います。
職場のまわりに広いスペースがなくても、歩くだけで気力を再充電できる休憩になります。
散歩時間をブロックしてカレンダーに書き入れることに価値があるのは、時間を確保するだけではなく、立ち上がって動き回る必要があるというリマインダーになるからです。
Davis氏は、散歩は集中力、記憶力を高める効果があると述べています。つまり誰にでもメリットがあるのです。
Source: Inspire360
Originally published by Fast Company [原文]
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