この1年半ほどリモートワークをしていた人たちは、出社勤務に戻るのは大変かもしれません(あるいは既にその大変さを味わっているかもしれません)。
必ずしも労働時間が長くなることが懸念されるわけではなく(むしろ労働時間は短くなるかもしれません)、パンデミックの間リモートワークをしていて手に入れた自己裁量権を失うことが懸念されます。
ノースカロライナ大学ケナン・フラグラー・ビジネススクールの戦略・アントルプルヌールシップの教授であるArvind Malhotra博士は、BBC Worklifeでこのように指摘しています。
監視する人がいないと、仕事のやり方を自分で決めることができます。午後の短い散歩や、食洗機に食器を入れる10分間などの『小さなこと』が、大きな違いを生むことがあります。
では、どうすればリモートワーク中に身につけた自己裁量権を、オフィスでも維持できるのでしょうか。
Malhotra博士は、BBC Worklifeの記事で、さらなる考察をライターのKate Morganさんと共有しています。
なるべく早い段階で上司に相談する
一部の企業では、社員が出社勤務に戻ることに先立って、週に1日リモートワークができるなどの方針変更を発表しています。
しかし多くの企業では、2019年と同じように社員は出社勤務に戻り、パンデミックなどなかったかのように働くことが期待されています。
いずれにしても、自分はリモートワークのどの部分(実現可能な部分)を維持したいのかをはっきりさせて、上司と話し合いましょう。
話し合いは早ければ早いほど良いと思います(出社勤務に戻る前に話し合えたら理想的です)。
Malhotra博士は、BBCに次のように語っています。
働く場所と時間については諦めて出社したのなら、上司に相談して、自分が取り組みたいことに柔軟に対応できるように交渉する必要があると思います。
出社して、言われた通りのやり方で仕事をすれば、クリエイティブな仕事やイノベーティブな仕事ができ、より高い次元で自己裁量権を持てるかもしれません。
細かい作業レベルで、自己裁量権を維持する
確かに、オフィスのドレスコードを「パジャマもアリ」にしたり、永久にリモートワークができるようにする交渉はできなかったかもしれません。
しかし、Malhotra博士によると、自己裁量権を維持する方法は他にもあり、特にMalhotra博士が「細かい作業レベル」と呼ぶ次元では可能です。
気づいていたかどうかは別として、これはおそらく在宅勤務中にしていたことです。
「やるべきことをやるために時間を区切って、考えるための場所と時間を確保していました」と博士はBBCに語っています。
このような習慣は、オフィスに戻ってからも必要だと思います。9時から17時までの就業時間中にも取り戻せる自己裁量権があります。
例えば、(できるだけ)会議が連続するスケジュールにしないようにしたり、1日のどこかで、ちょっとリフレッシュできるとわかっている時間帯をあらかじめ数分確保しておくことができます。
自宅で仕事をするのと同じようにはいきませんが、少なくとも、1日を自分である程度コントロールできていると感じられることでしょう。
Source: CNN BUSINESS, BBC