データを暗号化すると、適切な暗号解読キーやパスワードがなければ、保護されたファイルにアクセスすることがほぼ不可能になります。
パスワードマネージャー・VPN・一部のメッセージアプリなど、多くのアプリがデータの安全性を保つために暗号化を使用していますが、暗号化すべきなのはオンラインで共有するデータだけではありません。
誰もが重要なファイルや情報をPCやUSBハードドライブに保存しているので、そうしたデータが適切に保護されていなければ、盗聴者や窃盗者、さらにはハッカーの格好の標的となってしまいます。
幸い、MacやWindowsのデバイスを素早く暗号化する方法はいろいろあります。
ここでは、両方のプラットフォームで利用可能なオプションについて説明します。
そうすれば、PCやハードドライブに保存されているすべてのファイル・フォルダ・アプリにさらに高度なセキュリティをかけることができます。
Mac
MacのPCにはFileVaultという暗号化ツールが内蔵されており、すべてのMacユーザーが利用できます。
このツールを使って、Mac自体を暗号化したり、外付けのUSBドライブにパスワード保護機能を追加することができます。
MacのPC本体を暗号化する方法
1. Appleアイコンをクリックし、「システム環境設定」→「セキュリティとプライバシー」→「FileVault」と進みます。
2. 南京錠のボタンをクリックします。
3. 「FileVault をオンにする」を選択します。
4. プロンプトが表示されたら、復旧キーを設定します。これは、パスワードを忘れてしまった場合に暗号化されたファイルにアクセスするのに役立ちます。
5. 「次へ」をクリックすると、暗号化の処理がバックグラウンドで行なわれます。
Macで外付けUSBドライブを暗号化する方法
1. USBメモリーをMacに接続します。
2. Finderを開き、左側のメニューからUSBドライブの名前を右クリックします。
3. 暗号化の方法を選択します。
4. ドライブの保護に使用するパスワードを入力し、暗号化プロセスを開始します。
Windows
Windows PCの暗号化は少し難易度が高くなります。
Microsoftは、Windowsのほとんどのバージョンで「デバイスの暗号化」機能やBitLockerなどの暗号化ツールを提供していますが、これらは企業ユーザーしか利用できません。
一般のWindowsユーザーの大半を占めるであろうWindows Homeのユーザーには、どちらの選択肢もありません。
ここでは、Windowsの企業ユーザー向けに、「デバイスの暗号化」機能とBitLockerを使用する方法を説明しますが、Windows Homeユーザーの方は、スキップしてサードパーティを使う方法を知っておきましょう。
「デバイスの暗号化」機能・BitLockerでWindows PCを暗号化する方法
1. PCの管理者アカウントにサインインします。
2. スタートメニューを開き、「設定」アイコンをクリックします。
3. 設定メニューの「更新とセキュリティ」→「デバイスの暗号化」と進みます。
4. 「オンにする」を選択します。
すべてのPCが、「デバイスの暗号化」を有効にできる適切なハードウェアを備えているわけではありません。
しかし、Windows Enterpriseユーザーは、Windows BitLockerを使用してドライブを暗号化することができます。
1. タスクバーの検索バーから、「コントロールパネル」を探して開きます。
2. 「コントロールパネル」で、「システムとセキュリティ」→「BitLockerドライブ暗号化」→「BitLockerを管理」と進みます。
3. 「BitLockerを有効にする」を選択します。
4. 画面の指示に従って、すべての設定を行ないます。
5. PCのドライブを暗号化するには、「BitLockerを管理」ウィンドウのデバイスリストからドライブを選択し、「有効にする」をクリックし、画面の指示に従います。
BitLockerは外付けUSBドライブも暗号化できます。
1. USBメモリーをPCに接続する。
2. 「コントロールパネル」を開き、「システムとセキュリティ」→「BitLockerドライブ暗号化」→「BitLockerを管理」と進みます。
3. デバイスのリストからUSBドライブを選択します。
4. 「BitLockerを有効にする」を選択します。
5. 画面上の指示に従います。
Windows Home版でWindows PCやUSBメモリを暗号化する方法
Windows Home版では、デバイスの暗号化やBitLockerが利用できないので、ほとんどのWindowsユーザーは、PCやローカルハードドライブを保護するためにサードパーティの暗号化アプリが必要になります。
AxCrypt、Folder Lock、NordCryptなど、確かな選択肢が数多くあります。しかしほとんどの場合、製品の機能にもよりますが、年間30ドルから50ドル程度の費用がかかります。
一方で、この暗号化はお金を払ってでも利用する価値があります。ほとんどのプログラムに、パスワードの格付けや2要素認証などの特典があるからです。
こうしたプログラムの多くは、外付けUSBストレージデバイスを暗号化することもできます。
また、Seagateなど一部のハードドライブメーカーは、自社のストレージデバイスに独自の暗号化方式を採用しています。
具体的な手順はアプリによって異なりますが、大まかな流れは同じです。
1. ドライブのファイルをバックアップします(ドライブを消去して再フォーマットする必要があるため)。
2. 暗号化ソフトを使って、ドライブのフォーマットと暗号化を行ないます。
3. 暗号化されたドライブにファイルを戻します。
どのような方法を使用する場合も、パスワード(またはその他の暗号解読方法)を安全に保管し、ロックされたファイル・フォルダ・ドライブにいつでも戻れるようにしておきましょう。
Source: pcmag.com