『「君しかいない! 」と言われる人になる 何があっても食いっぱぐれないための起業家的習慣』(今井 孝 著、イースト・プレス)の著者は“普通のサラリーマン”を経て独立し、いまでは自由に生きることができるようになったのだそうです。
しかし昔は、「いま変わらなければ、人生はどんどん厳しくなる」とわかってはいても、“自分のなにをどう変えればいいのか”がわからず、ずっと変われなかったのだとか。
だからこそ、同じような状況に陥っている人の気持ちがわかるというのです。
なにをどう変えればいいのか”がわからないときは、「世の中どうなる?」と考えても答えが出なかったり、理想と現実とのギャップが大きすぎてイメージできなかったり、不安を埋めるためにとりあえず行動してしまったりしがち。
なぜ、そんなことになるのかといえば、人は「イメージできる未来」にしか到達できないから。いいかえれば、変わるためには「イメージできる未来」が必要だということです。
成功している人は、最初から大きなことを目指しません。
自分のイメージできるサイズの未来を描き、そこにいち早く到達する、ということを繰り返しているだけなのです。
彼らは理想に近づくために必要なイメージをどん欲に集めに行きます。
イメージできる未来さえあれば、必要な情報やチャンスは自然に見つかるのです。(「はじめに」より)
そこで本書では「ちょっと先のイメージを常に持つ」習慣を「起業家的習慣」と位置づけ、「イメージできる未来」を集めているわけです。
きょうは5章「理想の未来を妄想してみる」に焦点を当ててみることにしましょう。
理想のライフスタイルを描こう
「ビジネスで成功したい」とか「お金を手に入れたい」と思うのは、突き詰めれば理想のライフスタイルを得たいから。
ビジネスの世界で成功したとしても、理想を描くことを忘れていたら、「忙しすぎる! こんな生活は嫌だ!」ということにもなりかねないわけです。
そのため、ビジネスの目標を立てる前に、理想のライフスタイルを描いておくことが大切なのだと著者はいいます。
人間というのは不思議なもので、自分の頭の中でイメージできると、だんだんとそのイメージを実現する方向に向かっていきます。
やりたいことや方向性がうっすらとでも見えてきたら、次は、理想のライフスタイルをイメージしていきましょう。(122〜123ページより)
やるべきことはシンプルで、自分に問いを投げかけるだけ。
たとえば「どんな場所に住みたいか」「どんな家に住みたいか」と自問してみれば、「海の近くの一戸建て」「都心の小さめのマンション」「リビングの広い家」など、イメージが湧いてくるわけです。
もちろん、「欲しいものはなにか」「どんな体験をしたいか」「どんなことを学びたいか」「どんな友人関係や家族関係が理想か」など、あらゆる項目についても同じ。積極的に自分に問いかけることが大切なのでしょう。
仕事のことばかり考えていると、仕事ばかりの人生になり、逆に遊びのことばかり考えていると、遊びばかりの人生になってしまうもの。
でもバランスよく人生について考えることができれば、本当に理想とするライフスタイルが手に入るという考え方です。
また、さらに具体的な「理想の1日の過ごし方」について考えることも大切だそう。
「何時に起きるのか?」「そのあとなにをするのか?」から始まって、午前中の過ごし方、ランチ、午後、というように、起きてから寝るまでの時間の使い方を描いてみるのです。
ただ、1日のんびり過ごしたい日もあれば、バリバリ働いて人に貢献したい日もあることでしょう。そこで次は、「理想の1週間の過ごし方」を考えてみるべき。そうすれば、「この日はゆっくりする日」「この日はがんばる日」というように、バランスのとれた1週間を描けるからです。
理想のライフスタイルを描くときに大事なのは、否定的な考えが浮んだとしても、それをいったん置いておくこと。
「無理だ」「自分にはもったいない」というような考えは無視し、まずは“すべてが叶う前提”で考えてみる必要があるのです。
そして、そのうえで「もっと願いが叶うなら」と考えてみる。際限なく自分の理想を描いていくことが重要だということです。(122ページより)
3年後のプロフィールを書いてみよう
想像してみてください。3年後、あるいは5年後、あなたは理想の仕事をしています。どんどんやりたい仕事が舞い込んでいます。
では、依頼した相手は、あなたのどんな実績を見て依頼を決めたのでしょうか。
例えば、困難なプロジェクトを成功させた、業界ナンバーワンの売り上げを上げた、数ヶ月先まで予約が埋まっている、SNSのフォロワーが数十万人いる、書籍を出版しているなど、具体的に挙げてみましょう。(134ページより)
著者がセミナーでこのワークを行うと、ほとんどの人が理想の仕事に必要となる実績を具体的に挙げることができるのだそうです。つまり、それが自分の目指す姿であり、数年後のプロフィールだということ。
未来のプロフィールを描くと、自分が目指すべき道が具体的になっていくもの。そこに突き進んでいくエネルギーも湧いてくることでしょう。そして、「5年後にこの実績ができているとすれば、4年後にはこれ、3年後にはこれ」と、やるべきことがわかってくるはず。
その結果、きょうやるべきことが明確になっていく。いわば、きょうの仕事は数年後の実績につながっているということです。
自分が行きたい場所があるなら、いまの持ち場で一生懸命に励んで実績をつくることが早道です。逆算して、いまの仕事が未来につながっていることがわかると、人は安心するし、迷いなく進むことができます。(136ページより)
そういう意味では、まずやるべきことは、目の前の仕事で実績をつくることなのかもしれません。(134ページより)
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まずは一度通読し、以後はその時点に必要なイメージを手に入れるために、都度、読み返してほしいと著者は記しています。そうした地道な積み重ねが、理想の未来へと進んでいくために役立ってくれるのでしょう。
Source: イースト・プレス